問題解決 問題解決の概要

問題解決

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/07 07:43 UTC 版)

問題解決は、生命体または人工知能のシステムが、与えられた状態(given state)から、望む目標 (goal) に到達しようとするときに生じる。進み方の知識をもち合わせていない未解決の問題は、新たに道すじを作る(解く)必要がある。

問題の発見問題の形成を含む大きな問題処理のうちの一部分をなす。

概要

人間の問題解決は心理学者によって過去1世紀以上研究されてきた。問題解決にはいくつかの方法がある、例えば、内観行動主義シミュレーションコンピュータ・シミュレーション、そして実験である。

実験は、ドイツゲシュタルト心理学派(例えば Duncker 1935)による初期の研究に始まり、1960年から1970年初期まで続いた。問題解決の研究では、よく比較的単純な実験室での問題を扱った。“X線問題”(Duncker) や“円盤問題”(Ewert and Lambert 1932, 後にハノイの塔として知られる)などである。単純で目新しい仕事を選んだ理由は、それらにははっきりと定まる最適な解があること、比較的短い時間で解決可能であること、研究者たちが被験者の問題解決の過程をたどることが可能であること、などである。

研究者たちは基本的な仮定をした。

  • ハノイの塔などの簡単な仕事は、実世界の問題の主な性質を内在させている。
  • 単純な問題を解決しようとする被験者の認識過程は、実世界の問題を解決するときに携わる過程の典型である。 

研究者たちは便宜的な理由によって単純な問題を用いたが、より複雑な問題も解決可能にする一般化を考えた。この類の研究における著名で印象的な例は、Newell and Simon (1972) だろう。しかし、問題を課題に切りかえて、問題を課題を実現するための一条件としてとらえ、その課題において上位目的を確認する「知識から知恵を創りだす方法」によりその課題を実現すると、更に広い視野からの、問題解決ができるようになる。そして、時には元の問題がなくなってしまうことがある。また、この方法により、従来の問題解決がまた次の問題を生む、いわゆる「問題解決がまた新しい問題を呼ぶのモグラたたきの現象」を防止できるようになる[2]

歴史

現代的な問題解決の歴史は、1970年代に始まった。研究者は、経験主義的な事実と単純な研究所の仕事から得られた理論的な概念は、必ずしも多くの複雑な問題(現実の問題)にまで広められないという確信を強くしていった。さらに悪いことに、異なった分野においては創造的な問題解決の基礎となっているやり方はお互い違っていたという (Sternberg, 1995)。

これらの認識においても、北アメリカとヨーロッパでは異なった反応が導かれた。

アメリカ合衆国とカナダの研究

北アメリカで、ハーバート・サイモンの研究によって始められる。研究者は、異なる自然な知識分野を切り分けての問題解決について調査をした。

以下は、北アメリカにおいて、特に注目をあびた様々な分野の領域である。

  • 読み (Reading) (Stanovich & Cunningham, 1991)
  • 書き (Writing) (Bryson, Bereiter, Scardamalia & Joram, 1991)
  • 計算 (Calculation) (Sokol & McCloskey, 1991)
  • 政治的意思決定 (Political decision making) (Voss, Wolfe, Lawrence & Engle, 1991)
  • 管理の問題解決 (Managerial problem solving) (Wagner, 1991)
  • 弁護士推論 (Lawyers' reasoning) (Amsel, Langer & Loutzenhiser, 1991)
  • 機械的な問題解決 (Mechanical problem solving) (Hegarty, 1991)
  • エレクトロニクスにおいての問題解決 (Problem solving in electronics) (Lesgold & Lajoie, 1991)
  • コンピュータ・スキル (Computer skills) (Kay, 1991)
  • ゲームをする (Game playing) (Frensch & Sternberg, 1991)
  • 個人の問題解決 (Personal problem solving) (Heppner & Krauskopf, 1987)
  • 数学の問題解決 (Mathematical problem solving) (Polya, 1945; Schoenfeld, 1985)
  • 社会的な問題解決 (Social problem solving) (D'Zurilla & Goldfreid, 1971; D'Zurilla & Nezu, 1982)

  1. ^ Goldstein & Levin, 1987.
  2. ^ http://dtcn-wisdom.jp/E-explanations/00001-Column%207.pdf より江崎通彦2009). さらに詳しい「知識から知恵を創りだす方法」の内容の全部は次のURLに公開されています。http://dtcn-wisdom.jp/00001-E-problem-solving.pdf
  3. ^ 例: Human-based genetic algorithm
  4. ^ 詳しくは http://dtcn-wisdom.jp/00001-E-wisdom%20book.pdf
  5. ^ Coursera | Online Courses & Credentials From Top Educators. Join for Free”. Coursera. 2023年4月1日閲覧。
  6. ^ TRIZ: Principles and Description - TRIZ - the Theory of Inventive Problem Solving”. Coursera. 2023年4月1日閲覧。


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