周期性四肢麻痺 周期性四肢麻痺の概要

周期性四肢麻痺

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/25 05:57 UTC 版)

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周期性四肢麻痺
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
神経学
ICD-10 G72.3
ICD-9-CM 359.3
MeSH D010245
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日本を含む東アジア地方では甲状腺機能亢進症に伴う低カリウム性周期性四肢麻痺が多い。この場合は、甲状腺もしくは電解質異常であり、内分泌疾患である。

甲状腺機能亢進症を伴わない場合には遺伝性疾患である。難病法により、遺伝性のPPに関して指定難病となった。[1]

原因

遺伝性のPPの場合、骨格筋型カルシウムチャネルαサブユニット(CACNA1S)や骨格筋型ナトリウムチャネルαサブユニット(SCN4A) の遺伝子に異常がある。PPに不整脈および骨格の奇形を伴うAndersen-Tawil症候群では、カリウムチャネル(KCNJ2, KCNJ5)の遺伝子に異常がある。この他にも知られていない原因遺伝子が存在すると考えられ、変異が見つけられない症例が存在する。 [1]

疫学

日本における遺伝性のPPの患者数は約1000人とされている。[2]

症状

近位筋優位の、対称性、発作性の筋力低下・弛緩性麻痺。前兆なく突然発症する。 脱力発作は1時間以内が多いが、数日にわたり遷延することもある。

遺伝性のPPに関して述べる。脱力の程度も、下肢のみといった限局性筋力低下から完全四肢麻痺まである。発作の頻度も幅があり、毎日から生涯に数回までがある。顔面・嚥下・呼吸筋の麻痺はあまり見られず、感覚や膀胱直腸障害はない。平均的には、高カリウム性は低カリウム性より程度も軽く持続も短い。その一方、初回の発作は低カリウム性が思春期ごろであるのに対し、高カリウム性は小児期と早い。特殊なタイプとしてAndersen-Tawil 症候群では、PPに不整脈と骨格奇形を合併する。高カリウム性では筋強直現象を臨床的にあるいは電気生理学的にしばしば認め、先天性パラミオトニーと症状がオーバーラップしていると言われる。発作の間欠期には筋力低下を認めないことが多いが、とくに低カリウム性において進行性・持続性の筋力低下を示す例が存在する。 [1]

発作の誘因

低カリウム性では、糖質の摂取後発作が起こることがある。血糖上昇に伴い、インスリンが分泌され、ブドウ糖とカリウムイオンが血中から細胞内へ取り込まれ、低カリウム血症が増悪するためといわれる。

遺伝性のPPに関して、低カリウム性のトリガーとして、高炭水化物食、運動後の安静などがあげられ、高カリウム性のトリガーとして、寒冷、運動後の安静などがあげられる。[1]




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