原田泳幸 原田泳幸の概要

原田泳幸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/06/09 04:12 UTC 版)

はらだ えいこう
原田 泳幸
生誕 1948年12月3日(66歳)
日本の旗 日本長崎県佐世保市
出身校 東海大学工学部通信工学科
職業 ベネッセホールディングス代表取締役会長兼社長
ベネッセコーポレーション代表取締役社長
配偶者 谷村有美

来歴

長崎県佐世保市出身。元アップルコンピュータ株式会社代表取締役社長兼米国アップルコンピュータ社副社長[1]。妻はシンガーソングライター谷村有美2005年6月から「原田泳幸」を自称(それ以前は「原田永幸」。戸籍上の名前も永幸のまま)。 マクドナルドから社長として迎えるという打診があり、米マクドナルド本社からヘッドハンティングされた事で、Macintoshの略称・愛称「マック」から、「原田氏、マックからマックへ転身」等と報道された。

2009年GQ MEN OF THE YEAR 2009を受賞[2]

毎朝約10キロ走るなど、ランニングを趣味としている。東京マラソンに2011年から3回連続で参加し、ベストタイムは2012年の4時間2分。

2013年6月に、ソニーベネッセホールディングスの社外取締役に就任した。

2013年8月27日付けで日本マクドナルド(事業会社)の社長をサラ・カサノバに譲り、原田は持ち株会社である日本マクドナルドホールディングスの会長兼社長と事業会社の会長に留まった[3]。また、2014年3月25日にサラ・カサノバが日本マクドナルドホールディングスの社長に就任したため[4]、原田は両企業の代表権を持たない会長になった[5]

2014年6月21日、前年から社外取締役として在任しているベネッセホールディングスの代表取締役会長兼社長に就任した[6][7][8]

2014年6月下旬、ベネッセHD代表取締役会長兼社長として就任直後に、2000万件余の個人情報が漏えいしたベネッセ個人情報流出事件が発覚した[9]。流出を公表した7月9日の会見では、金銭的な謝罪を考えていないことを強調するとともに、流出情報を利用した他の通信教育会社の倫理を問う発言を繰り返したが[10]、同17日の会見では報道陣から「ベネッセは被害者か加害者か、どちらなのか」との辛辣な質問が飛び、「これだけ迷惑をおかけしたという意味では、加害者と思っている」と述べたほか[11]、一転して200億円の原資を用意して金銭補償する方針を表明するなど対応が揺れた[10]。また同年7月下旬には、古巣である日本マクドナルドのナゲットに使用されている、中華人民共和国産加工肉の中に賞味期限切れが使われていること(食品消費期限切れ問題)も発覚した[12]

同年10月1日から、グループ全体の変革とベネッセコーポレーションの変革を一体的に進めるため、同社代表取締役社長も兼任した[13][14]。2014年12月には人事・組織に関する構造改革を発表し、戦略実行のための組織を最適化するとともに販売管理費の削減、コスト構造の改革を進めている[15]

任期満了をもって日本マクドナルドホールディングス並びに日本マクドナルドの取締役会長を退任する旨を発表[16]、2015年3月25日の定時株主総会をもって辞任した[17]。同年日本マクドナルドから3億7300万円の役員報酬を受けた[18]

マクドナルド経営

2004年より、日本マクドナルド株式会社CEOとなる。前任の創業者社長である藤田田が進めてきたバリュー戦略の見直しを次々に打ち出した。行き過ぎた安売りで失墜したマクドナルドのブランドイメージを短期間で建て直したとされた[19]。その経営手腕の評価から、2009年12月に「GQ Men of the Year 2009」の一人に選ばれ、2011年10月には日本経団連の関連組織である経済広報センターより「企業広報経営者賞」を受賞した。藤田時代は店舗の3割はFC店舗で、のれん分けのような形式で店長たちを独立させていたが、優秀なFCオーナーに多くの店舗を運営してもらい、本社がメニュー開発や販売促進策の立案に注力するビジネスモデルに転換し、FC店舗の比率を7割に高め直営店を減らした[20]

2012年10月1日から「待ち時間の短縮のため」として実施したレジカウンターにおけるメニュー表の撤廃について、「利用者のことを考えておらず、不便になっただけである」という意見があったが[21]、価格はわかっている人の意見として問題はないという意見もあった[22]。また、2013年1月4日から60秒で商品を提供できなかったら無料券を渡すというキャンペーンを実施し、「店員が時間制限に焦り、バーガーの形が崩れている」という報告もネット上にあったが[23]、「面白い試み」という意見もあったが[24]、現場が混乱するような施策が多かった。2013年11月第3四半期累計(1 - 9月)の連結経常利益は前年同期比39.1%減の108億円に落ち込み、通期計画の195億円に対する進捗率は55.6%にとどまり、5年平均の75.8%も下回った[25]。このような状況から同社が強みとしていた現場力も低下し、12年12月期以降の業績続落の原因となったとも指摘された[26]。CEOを辞した直後の2014年にマクドナルドは初の170億円、11年ぶりの赤字決算となった[27]

これら日本マクドナルドHDで行った構造改革に対しては、「彼は破壊屋であって再生屋ではない。一時的に利益をもたらしたが、現場は荒廃した。見せかけの利益を出すために、メニューだけでなく店舗が劣化してしまった」との批判も多い[28]

原田は、マクドナルドの現在の不調や、一部で「疫病神」と揶揄されていることに関しプレジデントとのインタビュー記事において、「マクドナルドも、社長を引き受けた時点では、7年連続のマイナス成長で赤字転落の状態でした。私が社長になった結果、8年連続で既存店売上高プラス成長という企業に変わりました。」さらに、「米国本社から赴任してきたCOOに実務を任せてからは約2年がたっています。その事実は理解してほしいと思います。」と説明しているほか、「息子には社長業だけはやらせたくないと思います。自分をかわいそうだとは思いませんが、息子がメディアに批判されたり、プレッシャーを感じたりする姿を見るのは耐えられない。平凡でもいいから、友達と仲良く、平和な生活をしてほしいなとやっぱり思いますよ。」とも述べている[29]




  1. ^ a b c d e f g h i j アップルコンピュータ、志賀社長退陣。後継は原田米本社副社長”. PC Watch (1997年4月11日). 2012年8月28日閲覧。
  2. ^ 過去のMen of the Year受賞者たち【国内編】”. GQ JAPAN. 2014年11月21日閲覧。
  3. ^ “日本マクドナルド、事業会社社長にサラ・カサノバ氏”. J-CASTニュース. (2013年8月27日). http://www.j-cast.com/2013/08/27182281.html 2014年3月27日閲覧。 
  4. ^ “社長兼CEOにカサノバ氏 日本マクドナルドHD”. 共同通信. (2014年2月19日). http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014021901001587.html 2014年3月27日閲覧。 
  5. ^ “マクドナルド、原田氏が持ち株会社社長兼CEO退任”. 日本経済新聞. (2014年2月19日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL190JS_Z10C14A2000000/?dg=1 2014年3月27日閲覧。 
  6. ^ 代表取締役社長の異動に関するお知らせ (PDF)”. 株式会社ベネッセホールディングス (2014年3月27日). 2014年3月27日閲覧。
  7. ^ “ベネッセHD、会長兼社長にマクドナルドの原田氏 正式に発表”. 日本経済新聞. (2014年3月27日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ270G2_X20C14A3TJ1000/ 2014年3月27日閲覧。 
  8. ^ “ベネッセ会長兼社長に原田氏 マクドナルドの会長”. 共同通信. (2014年3月27日). http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014032701000910.html 2014年3月27日閲覧。 
  9. ^ ベネッセ情報流出 派遣社員は業務装い大胆犯行、顧客情報2000万件”. 産経デジタル (2014年7月16日). 2014年7月16日閲覧。
  10. ^ a b 経済記者の裏耳早耳 影を潜める“原田マジック”ベネッセが迎え入れた救世主、らしからぬ迷走ぶり”. msn産経ニュース (2014年7月26日). 2014年8月1日閲覧。
  11. ^ ベネッセ、情報流出事故でぶれた対応と、遠のく経営再建 “原田マジック”再来なるか”. ビジネスジャーナル (2014年7月23日). 2014年8月1日閲覧。
  12. ^ “中国製ナゲット販売中止 マック・ファミマ1万店余”. 共同通信. (2014年7月22日). http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014072201001797.html 2014年8月1日閲覧。 
  13. ^ 株式会社ベネッセコーポレーション代表取締役の異動に関するお知らせ (PDF)”. 株式会社ベネッセホールディングス (2014年9月19日). 2014年10月16日閲覧。
  14. ^ “原田泳幸氏が中核会社社長兼任 情報流出事件でベネッセ”. 共同通信. (2014年9月19日). http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014091901001241.html 2014年10月16日閲覧。 
  15. ^ “ベネッセが組織改革、間接部門の人員削減・希望退職者を募集”. 通販通信. (2014年12月2日). http://www.tsuhannews.jp/%E3%83%99%E3%83%8D%E3%83%83%E3%82%BB%E3%81%8C%E7%B5%84%E7%B9%94%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%80%81%E9%96%93%E6%8E%A5%E9%83%A8%E9%96%80%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%93%A1%E5%89%8A%E6%B8%9B%E3%83%BB%E5%B8%8C%E6%9C%9B/ 2015年4月6日閲覧。 
  16. ^ “日本マクドナルド、原田氏が会長退任へ”. ITmedia ニュース. (2015年2月20日). http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150220-00000078-zdn_n-sci 2015年2月20日閲覧。 
  17. ^ “日本マクドナルド、原田氏に退職慰労金 赤字の責任とって「辞退すべきだ」の声も”. J-CASTニュース. (2015年3月26日). http://www.j-cast.com/2015/03/26231479.html 2015年3月27日閲覧。 
  18. ^ 「"年収1億円超"の上場企業役員443人リスト」東洋経済オンライン2015年03月18日
  19. ^ 週刊東洋経済 (2014年4月12日). “次はベネッセで全権、原田流経営の光と影「99パーセントのエネルギーはベネッセに費やす」”. 東洋経済オンライン. http://toyokeizai.net/articles/-/35088 2014年6月24日閲覧。 
  20. ^ “マクドナルドがFC出店加速 比率、年内7割に”. 日本経済新聞. (2012年9月1日). http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD310B3_R30C12A8TJ0000/ 2015年4月6日閲覧。 
  21. ^ “マックのメニュー表廃止がネットで物議 お年寄りが困る、不便になるなど不満が次々”. j-cast. http://www.j-cast.com/2012/10/02148658.html?p=all 2012年10月2日閲覧。 
  22. ^ マクドナルド、カウンターのメニューが消えた理由 狙いは顧客満足向上、広がる戸惑いの声”. 日経電子版 (2012年11月3日). 2013年10月2日閲覧。
  23. ^ “消費者はマックに飽きた? 日経に日本マクドナルド社長の苦しい反論”. ビジネスジャーナル. http://news.livedoor.com/article/detail/7547213/ 2013年3月29日閲覧。 
  24. ^ マックの「60秒」販促-客呼ぶ仕掛け、うまみ色々(マーケティング八塩圭子ゼミ)『日経MJ』(2013年1月18日)
  25. ^ 平成25年12月期第3四半期連結決算状況(日本マクドナルドホールディングス)
  26. ^ “マック、V字回復と業績不振の10年、原田マジックの功罪 過度の改革で「現場力」低下”. ビジネスジャーナル. (2014年5月17日). http://biz-journal.jp/2014/05/post_4879.html 2014年6月24日閲覧。 
  27. ^ <マクドナルド>170億円赤字見通し…社長重く受け止める
  28. ^ “マックでは怪文書、ベネッセでは再就職斡旋パンフ…原田氏の破壊的切り捨て経営”. ビジネスジャーナル. (2015年1月25日). http://news.livedoor.com/article/detail/9711871/ 2015年4月6日閲覧。 
  29. ^ “ベネッセホールディングス会長兼社長 原田泳幸「疫病神批判に答えよう」”. PRESIDENT Online. (2015年2月10日). http://president.jp/articles/-/14507 2015年5月23日閲覧。 


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