原子力規制委員会 (日本)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/03 07:33 UTC 版)
職務・権限
任務
原子力規制委員会は、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資するため、原子力利用における安全の確保を図ること(原子力にかかる製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制に関すること、並びに国際約束に基づく保障措置の実施のための規制、その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関することを含む)を任務とする(法3条)。
所掌事務
原子力規制委員会の所掌事務は以下の通り(法4条1項)。
- 原子力利用における安全の確保に関すること。
- 原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理及び廃棄の事業並びに原子炉に関する規制その他これらに関する安全の確保に関すること。
- 核原料物質及び核燃料物質の使用に関する規制その他これらに関する安全の確保に関すること。
- 国際約束に基づく保障措置の実施のための規制その他の原子力の平和的利用の確保のための規制に関すること。
- 放射線による障害の防止に関すること。
- 放射性物質または放射線の水準の監視及び測定に関する基本的な方針の策定及び推進、並びに関係行政機関の経費の配分計画に関すること。
- 放射能水準の把握のための監視及び測定に関すること。
- 原子力利用における安全の確保に関する研究者及び技術者の養成及び訓練(大学における教育及び研究にかかるものを除く)に関すること。
- 核燃料物質その他の放射性物質の防護に関する関係行政機関の事務の調整に関すること。
- 原子炉の運転等(原子力損害の賠償に関する法律2条1項に規定する原子炉の運転等をいう)に起因する事故(原子力事故)の原因及び原子力事故により発生した被害の原因を究明するための調査に関すること。
- 所掌事務にかかる国際協力に関すること。
- 前各号に掲げる事務を行うため必要な調査及び研究を行うこと。
- 前各号に掲げるもののほか、法律(法律に基づく命令を含む。)に基づき原子力規制委員会に属させられた事務
勧告・報告徴求権限
原子力規制委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、原子力利用における安全の確保に関する事項について勧告し、及びその勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができる(法4条2項)。
原子力規制委員会規則
原子力規制委員会は、その所掌事務について、法律もしくは政令を実施するため、または法律もしくは政令の特別の委任に基づいて、原子力規制委員会規則を制定することができる(法26条)。
原子力規制委員会規則は、法令における優越において省令と同等である。
- ^ 環境省定員規則(平成24年9月21日環境省令第28号)」(最終改正:令和4年3月25日環境省令第13号)] - e-Gov法令検索
- ^ 令和4年度一般会計予算 (PDF) 財務省
- ^ 正式名称は、「“平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局 (2017年4月14日). 2020年1月4日閲覧。 “2019年9月1日施行分”」。
- ^ a b c 法案の名称は、「原子力の安全の確保に関する組織及び制度を改革するための環境省設置法等の一部を改正する法律案」(閣法第11号)。
- ^ 原子力規制委員会設置法案、180回国会衆法第19号。
- ^ このとき、衆参各議院の同意を得ずに委員長および委員を任命した理由は、当時の与党である民主党内において、委員長の人選について意見の一致が見られず、本会議の採決で対立が表面化することを恐れたことが挙げられる(具体的には、委員長候補である元日本原子力学会会長の田中俊一が原子力村の住人であり、公正な審議が期待できないとの意見があった。)。“原子力規制委人事、首相が任命へ 国会の同意得ず”. 朝日新聞. (2012年9月5日) 2014年8月28日閲覧。
- ^ 原子力規制庁と安全基盤機構、3月1日に統合 日本経済新聞 電子版
- ^ 環境省の移転、5年延期へ 移転先ビルの耐震性不足で 産経新聞 2020年8月19日
- ^ 環境省と原子力規制委の新庁舎移転「目途は2025年度中」 テレ朝NEWS 2022年3月18日
- ^ 内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室 (2012年7月3日). “原子力規制委員会委員長及び委員の要件について” 2014年8月28日閲覧。
- ^ 2014年(平成26年)6月6日、衆議院環境委員会における石原伸晃環境大臣答弁。
- ^ 委員長および委員の任期は通常5年と定められている(設置法8条1項本文)。ただし、最初の委員(4人)の任期は、2人は2年、2人は3年と定められた(同法附則2条1項)。
- ^ 任命権者は、内閣ではなく内閣総理大臣である(設置法7条1項)。
- ^ 原子力規制委員会・原子力規制庁の「府省の外局である委員会の下に庁を置く」という組織形態は国家公安委員会・警察庁の組織形態に似ている。ただし、原子力規制庁は委員会の事務局とされているのに対して、警察庁は委員会の特別の機関とされているので、両者の行政組織法上の位置付けは異なる。
- ^ “原子力規制庁幹部職員名簿 | 原子力規制委員会” (2022年4月4日). 2023年7月1日閲覧。
- ^ “独立行政法人一覧(令和4年4月1日現在)” (PDF). 総務省. 2022年4月16日閲覧。
- ^ 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構法第28条第1項第4号及び第5項
- ^ “特別の法律により設立される民間法人一覧(令和4年4月1日現在:34法人)” (PDF). 総務省. 2022年4月18日閲覧。
- ^ “特別の法律により設立される民間法人一覧(令和3年4月1日現在:34法人)” (PDF). 総務省. 2021年4月16日閲覧。
- ^ 原子力規制庁非常勤職員の採用情報(原子力規制庁)[リンク切れ]、経済産業省
- ^ 原子力規制庁非常勤職員の公募について[リンク切れ]、文部科学省
- ^ 平成24年3月23日(金)午後 - 内閣官房長官記者会見、政府インターネットテレビ
- ^ 原子力規制庁:自公が設置関連法案への対案提出。[リンク切れ]
- ^ 原発事故、首相の指揮権限定:3党合意、今国会で成立へ。[リンク切れ]
- ^ 原子力規制の新組織 課題残る[リンク切れ]
- ^ 日弁連 原子力規制委員会設置法成立に対する会長声明
- ^ [1][リンク切れ] 首相官邸
- ^ 敦賀原発活断層報告書案を漏えい 原子力規制庁審議官、更迭[リンク切れ] 共同通信2013年2月1日
- ^ 日本放送協会. “「抜き打ち」など導入の原発の新検査制度 今月から運用開始”. NHKニュース. 2020年4月1日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 衆議院決議文第2項は「原子力規制庁の職員の人事については、本法律が原子力利用における安全の確保のための規制の独立性を確保する観点から、全ての職員に原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織へのノーリターンルールを適用することとしていることに鑑み、法施行後五年以内にあっても、可能な限りその趣旨に沿った人事を行うこと。」とする。参議院決議文第6項に同旨。
- ^ 動画「そもそも総研たまペディア」20120621 原発「安全」のための規制庁が骨抜き ドサクサにまぎれて
- ^ a b “原子力規制委、「赤旗」記者の会見出席認めず”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2012年9月26日) 2012年9月26日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “赤旗記者の出席認める 原子力規制委員長の会見”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2012年10月2日) 2012年10月2日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 原子力規制委員会 3人以上の委員打合せ
- ^ [2][リンク切れ]
- ^ a b 原子力規制庁、サイトを修正
- ^ 奥村晴彦のTwitter[3]
- ^ 規制委、公文書リスト作成を3年間放置 検索不可能に[リンク切れ] 朝日新聞 2015年10月10日
- ^ 規制委、密室で指導案排除 関電原発の火山灰対策 議事録作らず 毎日新聞 2020年1月4日
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