医療機器 医療機器の概要

医療機器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/27 06:03 UTC 版)

用語

日本では、医療機器という用語のほか、医用機器、医療機などと称されることもある。日本における医療機器規制の法規である薬機法及び品質マネジメントシステム規格であるJIS Q13485[1]では「医療機器」が使用される。医療機器のうち電気機器のものは、医用電気機器、あるいは医用機器と呼称されることもあった。

定義

医療機器の定義は、定義づけをしている国・地域の法令や規格によって異なり、一意ではない。

日本EUアメリカ合衆国カナダオーストラリアによって構成されている医療機器規制国際整合化会議(Global Harmonization Task Force。1993年発足)は、「あらゆる計器・機械類、体外診断薬、物質、ソフトウェア、材料やそれに類するもので、人体への使用を意図し、その使用目的が、疾病や負傷の診断、予防、監視、治療、緩和等、解剖学または生物学的な検査等、生命の維持や支援、医療機器の殺菌、受胎の調整等に用いられるもの」と定義しており、GHTFによる医療機器の定義は、医療機器の規制目的の品質マネジメントシステム規格であるISO 13485の第3項において、医療機器の定義として位置付けられている。

GHTF構成国である日本では、医療機器の規制を薬事法(当時)によって行ってきた。2002年改正の薬事法第2条第4項は、「この法律で「医療機器」とは[注釈 1]人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であつて、政令で定めるものをいう。」とし、政令(同法施行令)で類別を定めている。体外診断薬(薬事法では「体外診断用医薬品」)は、GHTFの定義では医療機器になるが、日本では医薬品扱いになっている点である。ただし、体外診断薬は、医療機器同様の認証制度が導入されているほか、ISO13485を導入した日本規格である厚生労働省令第169号(医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令)が適用され、規制はGHTFの定義にあわせて医療機器同様に扱われている。

GHTF非参加国における定義は、当該国の医療機器規制による。例えば大韓民国は、2003年に医療機器法を制定し同法によって医療機器(의료기기)を行っている。同法における定義は「人又は動物に単独又は組み合わせて使用される器具・機械・装置・材料又はこれと類似の製品であって次の各号の1に該当する製品をいう。ただし、韓国の薬事法による医薬品及び医薬部外品及び障害者福祉法第55条の規定によるリハビリテーション用器具のうち義肢・補助器を除く。1.病気の診断・治療・軽減・処置又は予防の目的で使用されるもの/2.負傷・障害の診断・治療・軽減又は補助の目的で使用されるもの/3.構造や機能の検査・代替の目的で使用される製品 4.受胎調整の目的で使用されるもの」としており、GHTFの定義と類似する。

GHTF(Global Harmonization Task Force) と IMDRF(International Medical Device Regulators Forum)

 2011年2月、IMDRF(International Medical Device Regulators Forum)国際医療機器規制当局フォーラムが成立した。これは、『GHTF(Global Harmonization Task Force)における強固な基盤作業を土台とする、世界各国の医療機器規制当局による任意の活動』(独立行政法人医薬品医療機器総合機構ホームページより)となっている。世界保健機関(WHO)が本組織に関与している。

分類

医療機器の種類は広範にわたっているが、その使用目的から大きく分けると治療機器群と診断機器群、分析機器群などに分類可能である。診断機器群には、本来の生理検査機器群のほか、生体情報モニタなどのモニタ機器群が含まれる。これ以外にも設備機器類や衛生用品、家庭用医療機器などもある。また、従来から心電計などの医用電気機器と呼ばれていたものはスモールME(Medical Electronics)、最近のCTやMRIなどに代表される大型機器をラージMEと分類することがある。GHTFルールに基づき各国・地域において、リスクによるクラス分類がされている。


注釈

  1. ^ 本改正により、従来医療用具としてきた用語が「医療機器」に改められた。法改正の詳細は薬事法の歴史#承認・許可制度等に係る大改正(2002年改正・2005年施行)を参照。

出典

  1. ^ JIS Q 13485日本産業標準調査会経済産業省
  2. ^ Medical device makers are stepping up manufacturing on the mainland, raising safety concerns
  3. ^ 野口康男 (2005), AED普及協会設立趣旨書, AED普及協会 (2005-05-18発行), http://www.aedjapan.com/seturitushushisho.pdf 2009年3月4日閲覧。 
  4. ^ 新型コロナウイルス感染症について”. www.mhlw.go.jp. 2021年6月22日閲覧。
  5. ^ がんという病気について:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]”. ganjoho.jp. 2021年6月22日閲覧。


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