化石 化石の概要

化石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/07/25 15:51 UTC 版)

珪化木(木の化石)
植物の化石

多くは、古い地層の中の堆積岩において発見される。化石の存在によって知られる生物のことを古生物といい、化石を素材として、過去の生物のことを研究する学問分野を古生物学という。

資料としての化石は、1.古生物として、2.堆積物として、の二重の性格を併せもっている。

でき方と産出状況

モールド状(左)とカスト状(右)のウニ化石
ティラノサウルスの骨格標本

化石は、過去の生物の遺骸や遺跡が、何らかの形で地層の中から発見されたものである。

遺骸が地層にとじ込められたのち、などの軟質部は通常、化学変化により失われる。したがって化石には動物のなどの固い組織の部分を主として、それらが鉱物に置換されて残っているものが多いが、木の恐竜をはじめとする動物の皮膚羽毛の型が残っているもの、などの内部が鉱物で充填されたものもある。形状的には、凸型(雄型、石膏型形状)のものを「カスト」、凹型(雌型、鋳型形状)を「モールド」と呼ぶ。また、軟体性生物あるいは生物における軟質部が酸素の少ないに閉じ込められたバージェス頁岩のような例もまれに見つかる。

また、鉱物に置換されていない例として、炭化した植物、琥珀(こはく)に取り込まれた昆虫シベリアで発掘された生体に近いマンモス、新しい時代では貝殻がそのまま化石になるなどの例もある。2005年アメリカティラノサウルス大腿骨から柔軟性を残した血管骨細胞が発見され、どのくらい組織が残されているか注目されている[1]

二足歩行の足跡が見つかったエチオピアの「ルーシー」(レプリカ)
完全な頭部ののこる始祖鳥の化石(ベルリン標本)

生物体それ自体だけでなく生物活動の跡(遺跡)も生痕化石といわれ、化石の一種とされる(足跡、這い跡、穴など)。生痕化石は、生物本体の化石よりも重要ではないと考えられるかもしれないが、必ずしもそうではない。生物体化石だけでは判らないことが、生痕化石から判断できる場合も多い。発達した生物が多く現れる古生代カンブリア紀の始めを示すのは這い跡の生痕化石であり、恐竜の行動様式が判るのは足跡の研究の成果である。タンザニアでは、360万年前のアウストラロピテクスの足跡の化石が見つかっており、そこでは親子が並んで二足歩行していることが実際に確かめられている。動物の排泄物の化石(糞化石)も、その動物の消化器官の様子や、餌にしていた生物を知る重要な手がかりとなる。また、恐竜の卵の化石は一箇所に集中して大量に見つかることが多く、マイアサウラのように、ある種の恐竜は子育てをしたのではないかと推論される証拠も見つかって、このような例から動物たちの多様な行動様式を知ることができる。

いずれにせよ、化石としてのこる生物は偶然に左右され、その身体の部位、条件、その他きわめて限られた場合だけである。たとえば、鳥類については他のものより出土量は少なく、始祖鳥と現世鳥類を結ぶ進化の過程には未解明な点が今なお多い。また、化石から分かる情報もそれなりに限られたものである。しかし、過去の生物を直接目にすることは、化石を通じてしかありえない。それゆえ、進化という考えの起源の一つが化石研究であったのは当然である。とはいえ、化石から生物界のすべての情報を引き出せるわけではない。生物界全体を見渡せば、化石から系統進化にかかわる知識を汲み出せるのは動物界植物界だけにほぼ限られると言ってよい。菌界原生生物界細菌古細菌の化石の出土も少なくないが、微化石として多産するもの以外については、通常、断片的な知識しか得ることができない。

ただし、原核生物など極めて情報量の乏しい生物群でも、他生物の化石と細胞内共生やLGTなどを利用して関連付けることで系統樹に関する情報を得ることができる場合がある。分類群特有の成分も分子化石として産出する場合がある[2]

化石の分類

古生物遺体(遺骸)としての化石は、生物学上の分類にしたがって動物化石、植物化石などのように分類されるが、上述のように遺骸か遺跡か、また遺存の状況や程度によっても分類が可能である。表にまとめると以下のようになるが、あくまでもこれは代表的でわかりやすい事例をかかげたにすぎない。

分類 遺体(遺骸) 遺跡生痕化石
実体のあるもの(軟質部ものこるもの) バージェス動物群エディアカラ生物群澄江動物群 バージェス動物群、エディアカラ生物群、澄江生物群
実体のあるもの 貝殻琥珀にふくまれる昆虫など、炭化植物 穴、はい跡、足跡、胃石病気
岩石や鉱物で置換されたもの 貝殻、骨、の幹 食物
岩石にのこされた印象 貝殻、木の葉 食性、交尾
変形・変質したもの 石油天然ガス石炭 リン、琥珀

[ヘルプ]
  1. ^ 6800万年前の恐竜化石から細胞・血管 米で発見(朝日新聞2005年3月25日)
  2. ^ これにより少なくとも27億年前までには3ドメインが成立していたと推定されている
  3. ^ ハンソンは、「進化の研究にたいして特殊の寄与をする資料」としてと化石とを掲げている。


「化石」の続きの解説一覧





固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

化石に関係した商品

「化石」に関係したコラム

  • CFDの天然ガス相場の見方

    天然ガスは、石油や石炭と同じく化石燃料の1つです。次の図は天然ガスの生産量をグラフに表したものです。ロシアやアメリカ合衆国、カナダなどでの生産量の多いことがわかります。※BP Statistical ...

辞書ショートカット

カテゴリ一覧

全て

ビジネス

業界用語

コンピュータ

電車

自動車・バイク

工学

建築・不動産

学問

文化

生活

ヘルスケア

趣味

スポーツ

生物

食品

人名

方言

辞書・百科事典

すべての辞書の索引

「化石」の関連用語

化石のお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング

画像から探す

減価償却

化石

移動式海洋掘削装置

ローラー

TFL ツールス

粒度試験

ディシジョン・ツリー

圧密





化石のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの化石 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2015 Weblio RSS