再生可能エネルギー 再生可能エネルギーの概要

再生可能エネルギー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/05 03:08 UTC 版)

世界の再生可能エネルギーへの新規投資額[1]
世界の発電設備容量と発電量の変化に占める再生可能エネルギーの割合[2]
住宅用太陽光発電設備

太陽光風力、波力・潮力、流水・潮汐、地熱バイオマス等、自然の力で定常的(もしくは反復的)に補充されるエネルギー資源より導かれ[7][8]発電給湯冷暖房輸送燃料等、エネルギー需要形態全般にわたって用いる[7][9]。電力系統はスマートグリッドが主流となりつつある。

有限な地下資源・枯渇性資源の欠乏・価格高騰や地球温暖化を防止する目的だけでなく、「新たな利点を有するエネルギー源等」として近年利用が増加している[10][11]、2010年時点では世界の新設発電所の約1/3(大規模水力を除く)を占める[2][注 2]。年間投資額は2110億ドルに達している[1](右図及び#利用状況と見通しを参照)。スマートグリッド事業が呼び水となっている。

定義

再生可能エネルギーとは本来、「絶えず資源が補充されて枯渇することのないエネルギー」、「利用する以上の速度で自然に再生するエネルギー」という意味の用語であり、日本の法令で定義されている新エネルギーは、再生可能エネルギーの一部である。具体例としては、太陽光、太陽熱、水力、風力、地熱、波力、温度差、バイオマスなどが挙げられる。ただし、詳細な定義や、法規や統計にどのようなものを含めるかについては、個別の資料・団体・法規などにより下記のように差異が見られる。欧州連合のように、性能次第で範疇に含めるかどうかを分ける例もある。なお、石油などの化石燃料は定義を満たさない[7]。 なお、水力発電には注意が必要である。水力発電のうち、大型のダムを用いるものについては環境破壊の少ないマイクロ水力発電と区別され、統計上再生可能エネルギーとは別扱いされることがある(例えばREN21[12]では、出力10MWを境に区別している (Table1))。また揚水発電は発電ではなく、発電調整のための蓄電・放電である。

  • IPCCの再生可能エネルギーと気候変動に関する特別報告書 (SRREN) では、「太陽・地球物理学的・生物学的な源に由来し、自然界によって利用する以上の速度で補充されるエネルギー全般」と定義される[7]
  • 国際エネルギー機関の発行する統計「Renewables Information」[13]では、「絶えず補充される自然の過程に由来し、様々な形態のうち太陽から直接供給される光や地球内部で発生する熱、太陽や風や海洋や水力やバイオマスや地熱資源から発生した熱や電力、そして再生可能資源に由来するバイオ燃料と水素」と定義している。「REInfo」によるとヒートポンプによる熱(地中熱、大気熱等)は別記している[14]
  • 欧州連合の2009年5月の指令では「廃熱利用、水熱利用、空気熱利用」を定義に含む[15]ヒートポンプについては「出力が投入したエネルギーより大きいもののみ統計に含めるべき」としている[16]
  • 日本の法令上は、「再生可能エネルギー」について、端的に「永続的に利用することができると認められるエネルギー源」[17]と定義する例や、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」[18]とした上で、同施行令により「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「太陽熱」「大気中の熱その他の自然界に存する熱[19]」「バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるものをいう[20]。)」と列挙定義される例がある[21]

同義語・類義語・対義語

以下の同義語・類義語がある。

自然エネルギー
英訳すると"Natural Energy”であるが、天然ガス("Natural Gas")や天然資源("Natural Resource")から考えれば、化石資源も含むことになり、学術的にはほとんど利用されない。
グリーン・パワー
アメリカ合衆国環境保護庁は大規模水力以外の再生可能エネルギーによって発電された電力を「グリーン・パワー」[22]と定義する[23]
新エネルギー
日本の法令における「新エネルギー」とは、その利用について、「非化石エネルギーを製造し、若しくは発生させ、又は利用すること及び電気を変換して得られる動力を利用することのうち、経済性の面における制約から普及が十分でないものであって、その促進を図ることが非化石エネルギーの導入を図るため特に必要なもの」と定義され(新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法2条)、政令で10種類の「新エネルギー利用」が列挙されている(同施行令1条)[24][25]。列挙される10種は、バイオマス、太陽熱、雪又は氷、地熱、風力、小規模水力、太陽電池の利用などである。
代替エネルギー
日本国外では主に再生可能エネルギー、特に「新再生エネルギー」[26]を指す。日本国内では「石油代替エネルギー」を指し、石炭ガス化・天然ガス・原子力等の枯渇性エネルギーを含む[27]

対義語は枯渇性エネルギーで、化石燃料石炭石油天然ガスオイルサンドシェールガスメタンハイドレート等)やウラン等の地下資源を利用するもの(原子力発電等)で、有限である資源を指す。




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注釈

  1. ^ 日本語の「再生可能」という語は、英語の「renewable」を翻訳してつくられた語である。日本語の「再生」には「リサイクル」の意味もあるため、「renewable」を「再生」と翻訳したことについて疑問を呈する者もいる[3][4][5]。しかし、原語の語に「リサイクル可能」の意味は無く[6]、その訳である「再生可能」も「リサイクル可能」の意味ではない。「森が再生する」のように、(自然環境等が)「更新できる、復活できる」等の意味で用いられる[6]
  2. ^ 再生可能エネルギーの割合を増やし、資源が偏在する化石燃料への依存を減らす事は安全保障の観点からも望ましい。
  3. ^ 機器が稼働できる状態の割合。実際に稼動する状態の割合を示す設備稼働率とは異なる。

出典

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  4. ^ 編集長インタビュー: 鎌仲ひとみ氏 - Alterna
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  16. ^ a b c DIRECTIVE 2009/28/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 23 April 2009 p19 (31)
  17. ^ 株式会社日本政策金融公庫法施行令12条4号。
  18. ^ エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)2条3項。
  19. ^ 「前二号に掲げるものを除く。」として、「地熱」と「太陽熱」以外の自然熱である。
  20. ^ 「法第2条第2項に規定する化石燃料を除く。」として、「化石燃料(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される燃料(その製造に伴い副次的に得られるものであって燃焼の用に供されるものを含む。)」を除いている。
  21. ^ なお、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法2条4項各号のように、「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。)をいう。)」「前各号に掲げるもののほか、原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品以外のエネルギー源のうち、電気のエネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」として、政策的な理由から、限定的に列挙定義する例もある。
  22. ^ : green power
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  28. ^ a b 再生可能エネルギーとは?、産業技術総合研究所
  29. ^ ここでいう「事実上」とは、地球が、生物(特に現生人類型の生物)が生存できる環境を保っている期間のことを指す。地球上から生物が生存できる環境が失われてしまうということは、エネルギーを利用する主体が消滅することと同義であり、そもそもエネルギー利用を云々すること自体が無意味になってしまうからである。こうした期間を正確に算定することは不可能であるが、10億年から数十億年程度であると考えられている。この期間は、太陽が現行のような形とエネルギーの放出を保っていられる期間と関連する
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