保安基準の緩和 通行条件

保安基準の緩和

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 16:08 UTC 版)

通行条件

通行許可の取得の際に道路管理者へ申請書を提出し、道路管理者による審査によって通行に必要な条件を提示の上、許可が発行される。この条件を通行条件という。

通行条件は主に、A.B.C.Dの四段階に分けられていて、更に寸法と重量によっても条件が変わる。

具体的には、


区分記号 重量についての条件 寸法についての条件
A 条件なし 条件なし
B 徐行及び連行の禁止 徐行
C 徐行、連行禁止、前後に誘導車を配置 徐行、前後に誘導車を配置
D 徐行、連行禁止、前後に誘導車を配置し、
2車線以内に他車(対向車、並走車)がいないように通行する
-

許可期間は、

事業区分等 通行期間 具体例
旅客自動車運送事業の用に供する車両で路線を定めている車両 2年 連節バスを用いた路線バス
自動車運送事業用車両で路線を定めていない車両 2年以内
但し、一定の寸法または重量を超える車両は1年以内
実運送を行う運送会社の単車トレーラー連結車など
第二種利用運送事業用車両 第二種利用運送業者が使用する、単車やトレーラー連結車
自動車運送事業用車両および第二種利用運送事業用車両以外の車両で通行経路が一定し、
これらの経路を反復継続して通行する車両
車庫と現場の間を反復して自走するクレーン車など
その他の車両 必要日数、但し1年以内 低床トレーラーによる重機や重量物輸送など

が許可される。

脚注

関連項目

  • 道路運送車両法
  • 車両制限令 - 道路法第47条第1項に基づき通行出来る車両の制限を定めた政令
  • 特殊車両 - 道路法及び道路運送車両法の一般制限事項に抵触する車両
  • 特殊車両通行許可 - 道路法及び車両制限令にもとづき特殊車両が公道を通行するにあたり必要となる許可。通称「特車」。

外部リンク


  1. ^ あるいは特殊車両と呼称する
  2. ^ 主に総重量、軸重、隣接軸重、輪荷重、全幅、全長、全高、接地圧、最小回転半径などに該当。
  3. ^ 主に総重量、軸重、隣接軸重、輪荷重、全幅、全長、接地圧、オーバーハングなどに該当。
  4. ^ 主に接地圧、全幅で該当。ブルドーザーにおいては最大安定傾斜角度の緩和を受けている場合があり、また走行装置がカタピラ等道路を損傷する恐れがあるため、「運行速度(あるいは回送速度、制限速度等文言の振れがある)は5km/h未満とする」といった但し書きが後部に記載されている場合がある。なお、ブルドーザーや原動機付自転車のうちのモペッドなどの構造上平地での最高速度が20キロ毎時以下となる車両においては、尾灯方向指示器の装備義務が無い為に車両背面は非常にシンプルな様態となる。
  5. ^ 主に総重量、軸重、隣接軸重、全幅、全長、全高などに該当。
  6. ^ 前者「主に離島や地場に使用の本拠を置く」については○○島内専用車、後者「高速道路等を走行しない」については「高速道路不走行車」として車検証および車両の見やすい位置にステッカー等による記載がなされる。なお、速度抑制装置を搭載したり、オーバードライブギアとなるギア段を無効化したり、ファイナルギアのギア比を変更することで、最高速度100km/h以下となるような改造が定められている。
  7. ^ 主に座席、座席シートベルト等に該当。また車両によってはABS、乗車定員等に該当する場合もある。当該車両は車両の前後面および運転席に高速道路を60キロ毎時以下で運行する旨を記載し、60キロメートル毎時を超える速度で作動する速度警報装置を備え、その警報が運転者及び旅客が確認できることと定められている。
  8. ^ 東京空港交通の運行するリムジンバスについては、路線バスとしながらも起点終点間での乗降が少なく、降車設備等の設置を行わない為に緩和措置が取られている。
  9. ^ 連接バスは全長、全幅も該当することもある。シターロについては軸重も10tを超える。
  10. ^ 主に全幅、全長、軸重、オーバーハングに該当。なお除雪一括緩和による緩和申請が可能。
  11. ^ 点滅灯火の緩和。点滅灯火は制限区域内でのみ使用可能であり、制限区域内での車両の運用が終了した場合、即座に緩和申請の取り消しが必要。
  12. ^ 点滅灯火の緩和。装備できる個数は車体の上部の見やすい位置に2個(発光部の数)以下。
  13. ^ 点滅灯火の緩和。装備できる個数は車両の上部の見やすい位置に1個(複数の照明部を有し、構造上一体となっているものを含む)。ただし、二輪自動車および側車付二輪自動車は誘導車として使用できない。
  14. ^ ABSまたは被害軽減ブレーキの緩和。ABSにおいては運転者席において当該装置の作動状態を確認できる作動灯などの装置を備え、かつ、当該装置を道路以外の場所でのみ使用する旨の表示が必要。ABS、衝突軽減ブレーキの緩和事項を車両前後面および運転席に表示することと定められている。
  15. ^ 保安基準の緩和による基準緩和により、既存の軽自動車と同等の衝突安全基準を満たしているとみなしナンバープレートの交付を受けている。なお、超小型モビリティは車両の前後に様の保安基準緩和標章を掲示しなければならない。
  16. ^ 主に全長、全幅、総重量、軸重、隣接軸重、輪荷重、接地圧に該当。
  17. ^ 保安基準の緩和により既存の小型特殊自動車および原動機付自転車と同等の走行性能、および保安基準を満たしているとみなしてつくば市発行のロボットナンバープレートの交付を受けている。
  18. ^ 小型特殊自動車及び原動機付自転車のうちの特例小型原付としての取扱いとなる。構造としてはこの項目を参照のこと。前者小型特殊自動車扱いのキックスケーターは産業競争力強化法に基づく特例電動キックスケーターに限る。法的要件及び制限事項等は当該項目を参照のこと。また後者原動機付自転車扱いのキックスケーターは最高速度20キロ毎時以下のものの場合に保安基準の緩和項目が存在する。法的要件及び制限事項等は当該項目を参照。
  19. ^ 外装突起物規制に対する緩和。
  20. ^ 当該自動車を特定地に定置(展示、メンテナンス含む。)して使用し、そのための運行が一時的な片道限りのもの。
  21. ^ 長さ21mを超える場合。バン型フルトレーラであり、特定の運行経路を走行し、ABS車線逸脱警報装置などの安全装置を有し、危険物等以外を積荷とし、定められた経験や安全教育を受けた乗務員が運転し、追い越し禁止、縦列走行の禁止等の条件を受ける。
  22. ^ 例えばメルセデス・ベンツ・ゼトロス東日本大震災の際に緊急輸入され供されたが、この車両は全幅が保安基準より0.05メートル広い2.55メートルであるため、全幅の緩和を受けている。また、適合する排気ガス規制が欧州規制であるユーロ5であり、国内のポスト新長期規制に適合していない。
  23. ^ PTOを用いてトラクタ本体に作業機を取り付けて走行する場合、及びトレーラ型作業機を取り付けて牽引する場合。
  24. ^ 冬季閉鎖中の公道を走行するためのカタピラを有する二輪様態の大型特殊自動車などの特殊車両や、改造により車両届出時の主要諸元から著しく変化の激しい車両など
  25. ^ 備考欄コード一覧-自動車登録関係コード検索システム
  26. ^ 普通車、及び大型特殊自動車等の場合。軽自動車、及び小型自動車の場合一辺が12cm以上
  27. ^ 緩和事項が速度抑制装置、ABS、座席、座席シートベルト、乗車定員等の車両は車両前後面および運転席。
  28. ^ 道路運送車両法施行規則第54条 第19号様式による標識(制限を受けた自動車の標識)
  29. ^ 道路運送車両法第43条 地方運輸局長は、勾配、曲折、ぬかるみ、積雪、結氷その他の路面の状況等により保安上危険な道路において主として運行する自動車の使用者に対し、当該自動車につき、第四十条の規定による同条各号についての制限、第四十一条第一項の規定による走行装置、制動装置、灯火装置若しくは警報装置についての制限又は前条の規定による乗車定員若しくは最大積載量についての制限を付加することができる。
  30. ^ 道路運送車両法第43条
  31. ^ 道路運送車両法第54条
  32. ^ 自動車検査証の備考欄に臨時乗車定員を記載。保安上の制限を付した場合の通知は、個々の車両に対してでなく包括的に行う。自動車運送事業等運輸規則の一部を改正する省令及び道路運送車両の保安基準の一部を改正する省令の施行について -運輸省国総第二四六号 自動車局長
  33. ^ 基準の制限などにより上限値または下限値が定められているものにおいては、当該の数値を限度とする。
  34. ^ 車両総重量50トン以上の被けん引自動車をけん引するものを除く。
  35. ^ 保安基準緩和認定申請等様式・要領・公示 -北海道運輸局
  36. ^ 資料により農耕作業用トレーラの語による説明あり。以下トレーラ型作業機として説明する。
  37. ^ 作業機の前後両端へ反射材を取り付ける必要がある。
  38. ^ 幅1.7mを超える場合には作業機の前後両端へ反射材を取付け、機体左側へサイドミラーを設置する必要がある。
  39. ^ 幅2.5mを超える場合には、作業機両端へ反射材及び灯火器並びに外側表示板を設置し、全幅の表示を車体後面及び運転席へ表示し、国道、都道府県道、市町村道を走行する場合には特殊車両通行許可申請を行う必要がある。
  40. ^ 運行速度15キロメートル毎時以下の表示を車体後面及び運転席へ表示する必要がある。
  41. ^ 国道、都道府県道、市町村道を走行する場合には特殊車両通行許可申請を行い、外側表示板を設置し、全幅の表示をトレーラ後面に表示する必要がある。
  42. ^ 運行速度15キロメートル毎時以下の表示をトレーラ後面及び運転席へ表示する必要がある。
  43. ^ 長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下(安全キャブ及びフレームを有する車両で、それら装置を除き高さ2.0mを満足する場合には高さ2.8m以下)
  44. ^ 小型特殊自動車の寸法に収まる農耕用特定小型特殊自動車(最高速度15km/h以下のトラクタ)でトレーラ型作業機をけん引する場合は牽引免許は不要。(トレーラ型作業機の車両総重量の制限無し)警察庁丁運発第195号





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「保安基準の緩和」の関連用語








8
16% |||||


10
12% |||||

保安基準の緩和のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



保安基準の緩和のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの保安基準の緩和 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS