便器 水洗便器の製法

便器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/11/07 23:53 UTC 版)

水洗便器の製法

セフィオンテクトが施釉された抗菌仕様の和風便器

便器の製造は長石、陶石、粘土を水に混ぜた泥漿(でいしょう=泥水)を作り、泥漿を型に流し、成形する。

成形型は石膏製と樹脂製があり、石膏製は型の製造が容易で安値ある反面、ライフサイクルが短く、樹脂型は型の製造が高価であるがライフサイクルは非常に長く、大量に成形が可能である。主に少量生産の場合は石膏型を、大量生産の場合は樹脂型が用いられている。

成形された製品は約24時間熱風の中で乾燥させ、キズやヒビがないかをひとつひとつ肉眼で検査し検査に合格した製品は 施釉(せゆう)と呼ばれる色付けと艶を出す釉薬を吹き付けた後、焼成工程に入り、トンネル窯で、約24時間かけて焼き上げる。

陶器は焼きあがると10%ほど元の大きさから縮むことから熱による縮みと重力での変形を正確に逆算しなければならない技量が必要である。

完成した便器は出荷前検査として、擬似異物などの代用物にて洗浄不良検査、水漏れ検査など全数洗浄検査を、目に見えない傷がないかどうかは、製品をハンマーで叩き、その音で判断する検査を実施し、出荷される。

出荷時の便器のリム部には未使用品を見分ける為の封印紙が貼られ施工時や養生時、便器使用開始前の清掃時に剥がされる。(最近の製品では封印紙が省略されている場合もある)

便器のカラー

ブルー系カラーの男性用小便器 ピンク色系カラーの女性トイレの和風便器
ブルー系カラーの男性用小便器
ピンク色系カラーの女性トイレの和風便器

便器の色はは従来から概ね白色系の製品が多いが、水回りの空間のコーディネート及び男性用、女性用の性別のトイレにあわせてカラー便器が使用される場合がある。

男性用トイレのトイレではブルー色系の便器を、女性用のトイレではピンク色系の便器を使用して識別により使い分けられる場合が多く、これにあわせてトイレの内の内装の色も男性用トイレは寒色系、女性用トイレは暖色系の内装になっていることが多い。 これはトイレの内装のデザインもあるが、色分けによって識別することで間違えて異性のトイレに侵入を防ぐ効果もあることから採用される場合がある。 (男性用トイレの便器にピンク色系や女性用トイレにブルーの便器が使用される場合も僅かながら存在する)

近年のブルー系やピンク色系便器の色は淡い色の製品となっているが、以前の製品ではブルー系やピンク色系でも、かなり濃い色の製品も存在していた。

他に淡いカラーでは黄色や緑色、グレーや薄茶色の製品も生産された他に、濃色カラーではワインレッドや群青色、濃いブラウンやグリーン、黒色の便器も生産された(濃色の便器は水垢が目立つ等で数年で生産を取りやめている)

また尿の色で健康状態がわかりやすいこともある為に、尿の色で健康状態を管理する場合、白系統の色の便器が使用される場合が多い。

現在では各メーカーともにカラー便器には消極的で白やアイボリー系のカラーに集約する傾向がある。

便器の品番確認

 
便器に貼られた品番ステッカーとQRコード情報ステッカーの例

便器の品番は以前の製品では新品の状態の場合、紙製の品番シールラベルが便器内側の流水部に貼られており、施工後引き渡し時や通水検査時および使用開始前の清掃時に剥がされ(紙製の品番シールラベルに直接洗浄水や小水が掛かるため)、または故意に剥がされない場合でも汚損や便器の流水によって自然に剥がれていくことが常であったが、この場合、後日の修理や便器の交換時に便器の品番が確認できない等で特定することが出来ず、便器の形状で調べなければならない等の支障が出ることがあった。

近年の製品(1984年生産分以降の製品)では紙製の品番シールラベルに代わって便器の裾部や横部等の水が掛からない部位に品番が記載されているビニール製のステッカーが貼られており、その近くには色番が記載されたビニール製のステッカーも貼られており容易に便器の品番や色番が確認できるようになっている。同時に従来便器に焼印されていたJIS-V表示マークもビニール製品番ステッカー内に収録されるようになり、便器への焼印はメーカーロゴのみとなった(JIS-V焼印がありビニール製の品番ステッカーが無い便器は1983年以前の製品であることが解る。なお1983年以前でも一部の便器にはJIS-V焼印がない製品もある)。

これらのビニール製の品番ステッカーは粘着がかなり強固であり、無理矢理剥ぎ取らない限り通常の力では剥がれないステッカーとなっており半永久的に品番が確認できるようになっている他、悪戯で品番ステッカーを剥ぎ取って他の品番ステッカーを貼り替えられないように一度剥がすと粘着力が無くなる材質になっている。

さらに最近の製品ではQRコードが印刷されたビニール製の品番ステッカーが併せて貼られており、そのQRコードには便器の生産拠点(生産工場)、生産日、出荷日、品番、色番の情報が入っており、施工時や引き渡し時に施工業者や顧客がバーコードを読み取って登録すると施工日や施工場所、付帯機器の情報がメーカーに登録され、その後の修理やメンテナンス、果ては便器交換に至るまでのアフターサービスの向上にも役立つようになっている。

特例としては特殊品や補修品(既に廃番の製品を補修用途で特別に生産した物)に限っては旧来の紙製の品番シールラベルが貼られる場合がある。


[ヘルプ]
  1. ^ 便器は存在しないが、便宜上「壁式小便器」と呼ばれたりする。タイルやモルタルの壁のみがあり(仕切板が存在する場合もある)、その壁に尿が当たって下の溝に流れる形態である。
  2. ^ TOTOきっず:トイレなんでもアラカルト
  3. ^ ブルーノ・タウトは『タウトが撮ったニッポン』(武蔵野美術大学出版局)の中で「日本式のしゃがむトイレは優れている」と書いている。
  4. ^ Narinari.com編集部 (2010年4月19日). “和式と洋式が合体? 大手メーカーもわからない謎の「2WAY便器」を求めて。 | Narinari.com”. Narinari.com. 2013年2月14日閲覧。
  5. ^ TOTO - タンクレストイレ・ネオレスト






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