人月の神話 人月の神話の概要

人月の神話

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/01/23 17:15 UTC 版)

人月の神話
著者 フレデリック・P・ブルックス Jr.
原書名 The Mythical Man-Month: Essays on Software Engineering
翻訳者 山内正弥、滝沢徹、牧野祐子、宮澤昇
原書の言語 英語
主題 ソフトウェア工学ソフトウェアプロジェクト管理
出版年 1975年1995年
出版年(日本語訳) 1977年1982年1996年2002年
ページ数 321ページ(2002年版)
ISBN 978-4-89471-665-0(2002年版)

概要

ブルックスの考察は、自身がIBMOS/360 というオペレーティングシステムを開発に携わったときの失敗に基づいている。 プロジェクト管理者ソフトウェアプロジェクト管理において繰り返し何度もこのような誤りを犯すという傾向があるため、ブルックスは自分の本について次のような皮肉を述べている。

この本は「ソフトウェア工学のバイブル」と呼ばれている。なぜなら、誰もがこの本を読んでいるが、誰もこの本で述べていることを実践しないからである。

最初に刊行されたのは1975年である。1995年に20周年記念版として再刊された。 20周年記念版では、『銀の弾などない——ソフトウェアエンジニアリングの本質と偶有的事項』という論文 (エッセイ) と著者による解説が、収められている。 1977年に出版された日本語訳の書籍では『ソフトウェア開発の神話』という書名であった。 1996年、2002年に出版された日本語訳の書籍では『人月の神話 狼人間を撃つ銀の弾はない』の書名であった (ISBN 978-4-89471-665-0) 。

本書の表紙と第1章「タールの沼」には、タールの沼と複数の獣たちの絵が描かれている (参照: #問題の所在—表紙とタールの沼) 。 また、本書の二十周年記念版で新たに追加された第16章「銀の弾などない」の扉には、狼人間の絵が描かれている。

本書の目次

2002年に出版された日本語訳の書籍より目次を記す。 なお第16章から第19章は、二十周年記念版で新たに追加された章である (初版には無かった章である) 。

人月の神話——狼人間を撃つ銀の弾はない

問題の所在—表紙とタールの沼

本書の表紙には、タールの沼と複数の獣たちの絵が描かれている。

 太古の昔から、タールの沼に落ちた巨大な獣が死にもの狂いで岸に這い上がろうとしている光景ほど、鮮烈なものはない。恐竜やマンモス、それにサーベル・タイガーが、タールに捕らえられまいとしてもがく様が目に浮かぶ。激しくもがけばもがくほど、タールは一層絡みつき、どんなに力強い獣でも、また賢く器用な獣でも、ついには沈んでいってしまう。
 大規模システムプログラム開発は、過去十年以上もの間そうしたタールの沼のようなものだった。そして、多くの強大な獣たちが、その中へ乱暴に突き落とされてきた。たいていは稼働システムを作り、這い上がってきたものの、目標とスケジュール、それに予算にかなったものはほとんどなかった。
 規模の大小、また大量動員あるいは少数精鋭であろうとも、開発チームは次から次へとタールでがんじがらめになってしまう。問題を引き起こす原因は、一つだけではないように思われる。原因が一つだけなら、足のどれか一本くらいはタールから抜けるはずだ。だが、同時かつ相互に影響し合う要因が重なり合っているのなら、動きがどんどん遅くならざるをえない。この問題が執拗でやっかいなのは、誰にとっても驚異であり、その本質を理解することは困難である。しかし、問題を解決しようというならば、理解するように努めなくてはならない。

フレデリック・P・ブルックス Jr.、滝沢徹、牧野祐子、宮澤昇、2002年、p.4




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