交響詩篇エウレカセブン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 14:20 UTC 版)
登場人物
主要人物
- レントン・サーストン
- 声 - 三瓶由布子
- 本作の主人公。ゲッコーステイトの新メンバー。14歳の少年。
- 2039年(スカブ11990年)2月28日生まれ[2]。
- かつて大災害から世界を救った英雄アドロックの息子。生まれてすぐに母親を、程なく父親も失う。親代わりだった姉ダイアンも消息を絶ち、祖父アクセルと共に暮らしていた。趣味はリフで、愛用のボードはホランドのレプリカモデル。世の中や将来に不満を抱きつつ、どうにもならずに足掻く普通の少年である。バイタリティはあるが、後先考えずに行動してしまうことがあり、しばしば余計なトラブルを起こす。
- 空から降ってきた少女エウレカとニルヴァーシュに会ったことがきっかけでゲッコーステイトに入る。序盤では他人の操縦するLFOに同乗すると酷く不快を覚え、コックピット内で粗相をしてしまう。以来メーテルたちからは「ゲロんちょ」呼ばわりされた。整備の腕は確かだが、家族揃ってピーキーに仕上げる癖がある。
- 序盤 - 中盤では子供っぽい言動が目立ち、エウレカやメンバーに感情をぶつけることもしばしばだったが様々な経験を積み徐々に成長、ニルヴァーシュとの感応能力の高さからゲッコーステイトの重要な戦力となる。また、中盤以降は心身ともに助けが必要となるエウレカにとって大きな支えとなる。最終話の住民票(2055年(スカブ12006年)4月2日発行の模様)によればエウレカと籍を入れており、彼女が世話していた子供達を養子とすることで16歳にして三児の父になる(この世界における「その後」については『エウレカセブンAO』で語られる)。
- 漫画版ではコーラリアンに人間側の王として選ばれた存在となっている。また、異様な打たれ強さと高い戦闘能力を持つ設定が追加されている。
- エウレカ
- 声 - 名塚佳織
- 本作のヒロイン。ニルヴァーシュを操る、ゲッコーステイトのLFOライダー。年齢不詳[注 1]。元塔州連邦軍SOF所属。
- 青竹色の短髪に金色の髪留めと首輪が特徴的。スカイブルーのジャンパーミニスカートは軍所属時代の制服と色違い。SOF時代にシウダデス・デル・シエロを破壊し、大量の市民を殺戮した過去を持つ。そのとき出会った3人の孤児の母親代わりをしている。
- 正体は、スカブ・コーラルが人間と対話するために作り出した人型のコーラリアン。心情は基本的に人間の少女と同じであり、人間と異なる自分自身に対して葛藤する。
- どこか世間一般の人間からズレた所があり、通常では不可視のトラパーの流れが読めるほか、愛機ニルヴァーシュをはじめ機械の言葉が分かるという。それゆえリフボード、LFO共に操縦技術が高い。その言動や表情は感情に乏しく抑制的。
- レントンと出会い、少しずつ喜怒哀楽の感情が表れ、戸惑いつつも彼への恋愛感情を自覚していく。様々な出来事を通じて容姿が大きく変化する。住民票発効日にエウレカ・サーストンとして婚姻届を提出した。
ゲッコーステイト
- ホランド・ノヴァク
- 声 - 藤原啓治 / 少年時代 - 浅野まゆみ
- ゲッコーステイトのリーダー。29歳の男性。アマチュアリフ世界大会の歴代最年少チャンピオン。塔州連邦軍の特殊部隊SOF元エース(元SOF第1機動部隊部隊長)。デューイの実弟で王家の末裔。
- 自己顕示欲旺盛な彼の戦闘スタイルは一見派手で大味だが、その能力は白兵戦、LFO戦、戦術指揮のいずれも卓越しており、極めて冷徹かつ的確。
- いつも強気で弱音を口にしない。初期はタルホら女性陣から「第二次性徴期真っ最中の子供」と言われ、大人気ないところがあった。また、エウレカを傷つけるものには容赦なく、レントンの短絡的な言動に怒ることも多かった。タルホの妊娠を知り、精神的に成長。心が通じ合っていくレントンとエウレカのことを認めるようになる。
- 現在の恋人はタルホだが、初恋相手はレントンの姉ダイアン。かつてエウレカと共にゾーンと呼ばれる幻覚的空間に入ったことがあるらしい。
- 左腕に王の継承者を示す入れ墨があるが、チャールズは「王の金枝を受け継ぐ者がホランドでなくて残念だ」と語っていた[注 2]。
- 漫画版ではアドロックとの接点が多く追加されている一方、ダイアンとの接点が無くなっているため、タルホとの恋仲が明確に描写されている。また、原作同様に粗暴さが目立つが若干和らいでおり、良くも悪くも人間味(父性愛)のある側面が強調されている。
- タルホ・ユーキ
- 声 - 根谷美智子[注 3]
- ゲッコーステイトの創設メンバーで月光号の操舵士。26歳の女性。ホランドの恋人。元軍情報部所属。雑誌「ray=out」のグラビアモデル。
- ホルターネックのヘソ出しキャミソールにローライズのマイクロミニスカートという露出の著しい服装。美人だが性格は上品とは言えず、エウレカに過保護なホランドの態度や姿無き恋敵ダイアンに対して嫉妬心を隠さない。その反面、レントンにとっては姉(ダイアン)のような存在でもあった。軍人時代は上官であったデューイの恋人だった。
- ホランドの子を妊娠したことによる心情の変化から、それまでのギャルファッションを捨て去り、髪を切った。妊娠したことをしばらくはホランドに黙っていたが、自身の決意やお腹の子やエウレカやレントンたちを守ることをホランドに告げている[3]。それからはレントンをからかって遊ぶような子供じみたことはしなくなり、エウレカに対しても仲の良い母親のように接している。また首都襲撃以降は操舵をムーンドギーに任せ、戦場に出ることの増えたホランドに代わって艦長を代行する。
- 漫画版ではホランドとダイアンの接点が無くなっているため、ホランドとの恋仲が明確に描写されている。
- ハップ
- 声 - 山口太郎
- ゲッコーステイトの副リーダー兼金庫番[注 4]。29歳の男性。
- ホランドとは3歳から付き合いがある幼馴染[4]であり相談相手。かつてホランドに、軍を抜け反抗しようと提案した。やや小太りながらガッチリした体型で、服装はいつも短パンにTシャツ(トイレでは全裸になる)。笑顔を絶やさず、ハメを外すのも好きだが、メンバーが行き過ぎた行動に出るとそれを止める役割も担う「子供みたいな所のあるオトナ」である。普段は優しく平和主義的だが、戦闘時には冷静な判断を行う。
- ケンゴー[注 5]
- 声 - 大木民夫
- ゲッコーステイトの創設メンバー。45歳の男性。月光号の主。砲術士。
- 真面目一徹の融通が利かない軍人だったが、ホランドとの出会いで人生観が変わり、今に至る。厳つい髭と、鳥の羽をあしらったコサック帽がトレードマーク。非常時にも動揺することなく、ホランドたちに適切なアドバイスを送ることができる。
- マシュー
- 声 - 中村彰男
- 月光号のLFOライダー、前衛担当。25歳の男性。
- 黄色のランニングシャツが似合う、陽気で気さくなゲッコーステイトのムードメーカー。面倒見がよく、序盤苦悩するレントンに幾度も話しかける。ヒルダと付き合っているが、歯の浮く冗談を言っては彼女にたしなめられている。多数の12インチ盤レコードを持ち、艦内の食堂スペースで時節DJの腕を披露する。その耳は微細なノイズも聞き逃さず、そのおかげでクルーが助けられたこともしばしば。
- ヒルダ
- 声 - 浅野まゆみ
- 月光号のLFOライダー、射撃が得意な後衛担当。25歳の女性。元公務員。マシューのパートナー。
- タルホと仲が良い。真面目で明るく、メンバーの体調を気遣うなど面倒見の良いゲッコーステイトの「お母さん」的な存在。
- ムーンドギー
- 声 - 宮野真守
- ゲッコーステイトのメンバー。16歳の少年。本名ジェームズ・ダレン・エマーソン。
- 金髪で長身の美少年だが感情が高ぶると妙に言葉が秋田弁っぽく訛る[注 6]。
- 当初は月光号内で専門の役割がなく「ゲッコーステイトのお笑い役」の地位を巡ってレントンに対抗意識を燃やす。しかし、タイミングが悪く、周囲の人間を興冷めさせてしまうことも多い。レントンからは「ドギー兄さん」と呼ばれ慕われている。ギジェットとの恋愛は着実に進行中。
- リフやサッカーが得意。空船の船舶免許[注 7]を持っており、首都奇襲戦を機にタルホに代わり月光号の操舵担当となる[3]。当初は操作に無駄が多くケンゴーに一喝されている。巧みな操縦技術でゲッコーステイトの戦いに大きく貢献する。
- ギジェット
- 声 - 水沢史絵
- 月光号の通信士。15歳の少女。緊急時には索敵も担当する。ムーンドギーの恋人。
- エウレカと並ぶ月光号のアイドルで、南国風美少女。タルホとヒルダのような女同士の良き友達関係に憧れ、エウレカと女の友情を築こうとする。エウレカに初めて「恋」という感情の存在を教えた。それ以降、レントンとエウレカの関係を度々フォローしている。
- ジョブス
- 声 - 志村知幸
- 月光号の主任機関士。ハードウェア担当のメカニック。33歳の男性。
- 端整な顔立ち、レトロなサングラス、トラディショナルなスラックス&ベストに黒革のグローブ、そしてスキンヘッドという個性的でハイセンスなルックス。性格はクールでリアリスト。夢想家なウォズとは、性格が正反対でケンカをすることも多いが、仲の良い相棒。前衛的な論文を書くアーキタイプ研究者のグレッグ博士を崇拝している。
- ウォズ
- 声 - 長島雄一
- 月光号のレーダー士。ソフトウェア担当のエンジニア。33歳の男性。
- ラフでルーズなヒッピー風ファッションに首からはコンパク・ドライヴをぶら下げ、独特の四角いヘッドフォンを装着している。性格は夢想家で、正反対だがクールでリアリストのジョブスと仲が良い。
- ミーシャ
- 声 - 沢海陽子
- 月光号の専属医師。40歳の女性。グレッグ博士の元妻(研究に対する見解の相違が原因で別れた)。
- アーキタイプやエウレカを対象とする研究者。研究継続を条件に月光号に乗り移った。エウレカに対しては心身共に気遣い、優しく接している。メンバーの中では研究者らしい一歩引いた視点を有するが、確固たる思いを貫き自らの意見を述べる時もある。
- ストナー
- 声 - 松本保典
- 月光号機上フリーカメラマン。30歳の男性。
- ジャーナリストとして乗員の姿を撮影すると同時に、雑誌「ray=out」の編集に携わる。一歩引いた目線で物事の真核や根本の部分を捉え執筆活動を行なう、生粋の報道写真家である。自己のモラルに反する場面ではレンズを向けない。
- リフの心得はないが、劇中のモノローグでは文化人類学的視点からリフと1万年前に母星地球で人類が嗜んだサーフィンについて相関的に語る。自由時間中はマシューといることが多く、遊び心を欠かさない。戦災孤児であったため、親の顔を見たことがないという。
- ゴンジイ
- 声 - 石森達幸
- 月光号に乗り込んでいる謎の男性老人。
- 年齢は不明。占い師らしく、その占いはよく当たるのでメンバーには好評。神出鬼没でいつも艦内の何処かしらでお茶を淹れては飲んでいる。
- 最終話にて、正体は人間を監視するため月光号に乗船していたコーラリアンであったことが明かされる。エウレカには思うところあったため、彼女に言葉をかけている。
- 漫画版での正体は元賢人で、本名はゴン・カルマパ。また、事実上ゲッコーステイトの創設に携わった人物にもなっている。
- 小説版では名称不明の占い師(コック兼任)として登場している。
- カイル
- 小説版にのみ登場。赤銅色の胸板が厚い大男で、腕利きのリフボーダー。
- 世界中を飛び回りリフをする目的でゲッコーステイトに参加。もっぱら、危険を顧みずに生身で艦外に飛び出してリフをするパフォーマンス要員として活躍する[注 8]。
- 原作におけるハップのポジションに相当する人物で、ホランドに対しても臆せずはっきりと意見を言う。作中中盤でハップが艦を降りた後は彼のポジションを埋める活躍を見せる。
孤児
月光号に同乗する3人の孤児。人種も個性も異なる3人だが、兄弟のようにいつも寄り添い行動する。エウレカをママと呼び、彼女に気がある新参者レントンに対して過激な悪戯を仕掛けるが、徐々に打ち解けていき、物語終盤には本当の家族のような絆を築く[注 9]。最終話ではレントンとエウレカ・サーストン夫妻の子供として住民票に記載されており、全員の苗字もサーストンになっている。またアクセルを「おじいちゃん」と呼ぶ(正確には父方のひいじいちゃん)。
- モーリス
- 声 - 根谷美智子
- アジア系。5歳の男の子。
- 口数は少ない人見知りだが、洞察力が良く鋭い意見を言う。初恋の相手はエウレカで、自分の親を殺したエウレカには複雑な愛憎があった。
- メーテル
- 声 - 木川絵理子
- 白人。4歳の女の子。
- 面倒見が良くおしゃまでけたたましい。
- リンク
- 声 - 水沢史絵
- 黒人。3歳の男の子
- 泣き虫だが我慢強く、その歳にして「忍耐」の意味を知っている。
塔州連邦
- コーダ、クゼミ、ブラヤ
- 声 - 赤司まり子(コーダ)、大木民夫(クゼミ)、岩崎ひろし(ハイエボリューションでのクゼミ)、麦人(ブラヤ)
- 賢人会議のメンバー。通称「三賢人」。塔州連邦の最高権力者たち。
- 世界の危機的状況を民衆から隠すことに精神的な苦痛を感じている。コーダはデューイの復権を主導したが、彼に懐柔される。クゼミとブラヤはデューイに殺害され、生き残ったコーダは彼に全権を委任した。
塔州連邦軍
- デューイ・ノヴァク
- 声 - 辻谷耕史
- ホランドの兄で王家の末裔。塔州連邦軍最高司令官[注 10]、統幕本部アゲハ隊指揮官。中佐→大佐。36歳。
- 数年前、「アゲハ構想」を推進していたが、部下であった実弟ホランドがエウレカを連れて造反したため軍籍剥奪処分・幽閉される。しかし「アゲハ構想」の理論がセブンスウェル発生により証明され、軍務に復帰して塔州連邦軍の主導権を握る。
- かつて権力者の父を殺した過去があり、軟禁生活中はフレイザーの『金枝篇』を読んでいた。ホランドには愛憎が入り混じった感情を抱いている。
- 漫画版ではアニメ以上に彼自身の異常性が強調されており、兄弟間の愛憎を克明に描写している。また、ホランド同様にアドロックとの接点が追加されている。
- ドミニク・ソレル
- 声 - 山崎樹範
- 塔州連邦軍統幕本部情報7課所属。少尉→特務大尉。20歳の男性。デューイの腹心で、アネモネの世話係。何度かレントンと対比される。実は幼くして家族を失った戦災孤児。
- 本人に自覚はないが、整った顔立ちの二枚目。わがままでお転婆なアネモネに暴行され、罵倒されつつ、いつも彼女の身を案じる。「重度の方向音痴で地図と方角の相関概念がない」「死体を見ると吐き気を催す」など、軍人らしからぬ欠陥を持つが、頭脳明晰でその戦術眼は確かである。物語終盤ではユルゲンスらと共に連邦軍を造反し、ゲッコーステイトと共闘する。
- 漫画版ではアニメ以上に彼自身の苦悩や葛藤、成長が深く描写され、実質的な「もう一人の主人公」と呼べる人物になっている。
- アネモネ
- 声 - 小清水亜美
- ニルヴァーシュ type the ENDのライダー。様々な場面でエウレカと対比される少女。
- ピンク色の長い髪と表情豊かな切れ長の目が特徴。デューイが推し進める「アゲハ構想」の基幹を担う。金色の首輪はエウレカとお揃いのデザイン。デューイを慕う[注 11]が、陰では複雑な感情ものぞかせる。自分の世話係であるドミニクへの想いに自覚がなかったが、彼の連邦軍造反を知って取り乱す。
- 正体はエウレカの代わりとして作り上げられた人型コーラリアン。そのため、エウレカにはコンプレックスを抱き、激しい憎悪を剥き出しにする。出撃には毎次ベルセルク効果目的の薬物が投与され、それによるKLF戦闘技術はホランド駆るtypeR909を圧倒する。しばしば頭痛に悩まされるため、常人の致死量の鎮静薬が欠かせない。
- ペットとしてガリバー(声 - 杉山大)というモラー目モラー科の動物を可愛がっている[注 12]。
- ユルゲンス
- 声 - 小村哲生
- 塔州連邦軍イズモ隊旗艦イズモの艦長→ユルゲンス隊旗艦スーパーイズモ艦長。
- 物語冒頭から特命でニルヴァーシュを追い、幾度もゲッコーステイトと相見える。情報部から派遣されたドミニクとはたびたび衝突する。終盤では部下を率いて、ゲッコーステイトと共闘する。
- 昔気質の軍人で情に厚い。内戦の地ワルサワで妻子を失っている。
- マリア・シュナイダー
- 声 - 木川絵理子、小島幸子(ポケットが虹でいっぱい)
- イズモ隊旗艦イズモ副長→ユルゲンス隊旗艦スーパーイズモ副長。
- 冷静で忠実な女性副官として、最後までユルゲンスの下で戦い抜いた。
- アゲハ隊(アゲハ少年隊)
- 声 - 福圓美里、こじまかずこ、加藤英美里、峯香織、山戸恵
- 5人のエリート少年部隊。戦地ワルサワの難民キャンプで拾われた優秀な子供達。
- デューイが作戦遂行のために結成。過去の心的外傷からかデューイのことを盲信し、甚大な被害を巻き起こしながらも、玩具で遊ぶように地殻貫通弾オレンジを各所に打ち込んでスカブ中心核の位置を探る。アネモネやドミニクを見下している。
- デューイの死後、隊員の1人が、自分たちが汚い体で、デューイだけが自分たちのことを綺麗だと言ってくれたことを取り乱しながら語った。
旧SOF出身者
エウレカ、ホランドらの元同僚。ゲッコーステイト未参加の元SOF隊員。
- チャールズ・ビームス
- 声 - 小杉十郎太
- 塔州連邦軍遊撃部隊所属フリーランサー。元塔州連邦軍SOF第2機動部隊部隊長。
- 妻のレイと共に空船・白鳥号内で生活している。何事にも情熱的な、かなり「濃い」人物。フェイバリットトラックは『GET IT BY YOUR HANDS』[注 13]。
- ニルヴァーシュtype ZEROとエウレカの奪取をデューイから依頼され、傭兵として行動。偶然にも月光号を家出中のレントンと知り合い、一時的に彼と白鳥号で家族のような幸福なひと時を過ごす。レントンがエウレカを守るために月光号へ帰った後、ホランドとの戦闘で死亡する。
- レイ・ビームス
- 声 - 久川綾
- チャールズの妻。塔州連邦軍遊撃部隊所属フリーランサー。元塔州連邦軍SOF第2機動部隊隊員。
- 跳ねた前髪とキツネ目が特徴で、料理をはじめ家政婦並みの家事の腕前の他、ウィザード級のハッカーでもある。セブンスウェル現象のせいで不妊症になったと信じており、現象を引き起こしたエウレカを憎む。
- ひょんなことから家出中のレントンと白鳥号で同居し、心を通わせるうちに彼を養子にしたいと望むようになる。彼がゲッコーステイトのメンバーと発覚すると、対立する立場上、彼の新たな旅立ちを受け入れた。しかし、月光号突入作戦で未亡人となった彼女は精神の均衡を壊し、自殺同然の攻撃で月光号を襲い戦死する。
- ロジカ
- ホランドのSOF時代の部下。漫画版にのみ登場。
- ホランドが塔州連邦軍を抜けた後もSOFに残り、独自の活動をしてた。ターミナス type R505を駆ってゲッコーステイトを強襲する[注 14]際に発した台詞がエウレカの感情に揺さぶりを与えた。ちなみに、訓練生時代はKLF搭乗に必要とされる身長に届かなかったらしく、ホランドに散々からかわれたことを根に持っていた。
トレゾア技術研究所
- モリタ
- 声 - 小野健一
- トレゾア技研所長。アクセルの元部下。
- 同技研は軍の施設であるが、一技術者としてニルヴァーシュのスペックアップを引き受けた。
- ソニア・ワカバヤシ
- 声 - 山口由里子
- トレゾア技研技術開発部長。
- 以前にエウレカを調査研究していた。ミーシャとは旧知の仲。メガネの似合う白衣のお姉さんであるが、生真面目で少々ヒステリックな性格。
- グレッグ・ベア・イーガン
- 声 - 銀河万丈
- アーキタイプ研究の第一人者。ミーシャの元夫(今でも彼女を「僕のこぐまちゃん」と呼ぶ)。
- 世界中の科学者から崇拝を集める。Dr.ベアという愛称のとおり極度の肥満体型で、いつもキャンディーを食べている。ニルヴァーシュのスペックアップに際して助言する。「クダンの限界」(宇宙の崩壊)が生じるという仮説を打ち立てた。
ヴォダラク
- ノルブ
- 声 - 小山力也 / 少年時代 - 福山潤
- ヴォダラク教の高僧。シウダデス・デル・シエロでホランドにこの世界の真実を教え、ゲッコーステイト設立のきっかけを与えた。その胸にはコンパク・ドライヴが埋め込まれ、超自然的な力を持つ。ホランド達はその隠された目的を果たすため、彼の居所を探していた。40年来の風呂嫌いで、過度のマヨラー。
- 昔、聖者サクヤの世話係となるが、感情を示さない彼女を笑わそうとあれこれ気配りをするうち、彼女を一人の少女として意識するようになり恋に落ちた。
- サクヤ
- 声 - 矢島晶子
- 人型コーラリアンの少女。ヴォダラク教徒から聖者扱いされる。初めは人間らしい感情をほとんど持たなかったが、ノルブとの交流や恋愛を経て年頃の少女らしくなっていく。
- およそ40年前、2人は未知の空間へと繋がる次元の歪み、グレートウォールの突破を試みるも失敗した。現在は蓮の花に姿を変え、ヴォダラクの総本山ヴォダラ宮を結界により守護している。
- ティプトリー
- 声 - 杉山佳寿子
- ヴォダラク信者の老婆。柔らかな物腰だが、年寄りとは思えない華麗な身のこなしでゲッコーステイトと激しい追跡劇を演じた。ホランド達は軍から彼女がテロリストだと聞かされていたが、テロリストではない。
サーストン家
- アクセル・サーストン
- 声 - 青野武
- レントンの祖父。アドロックの父親。「(有)サーストン工業 ガレヱジ・サーストン」を営むメカニック屋の頑固爺。元トレゾア技研研究員。
- アドロックをもてはやす民衆や彼が死ぬ元凶となった軍を毛嫌いしている(作中序盤ではこの家から軍人を出す気はないと発言する)。レントンに対してはメカニックとして平穏に過ごしてほしいと思う一方、アミタ・ドライヴをレントンに託すなど、一枚岩ではない心境を見せる。
- 自ら多くを語らないが、メカニックの間では「サーストンといえばアクセル」と言われる程で、科学者や発掘屋たちからも尊敬されている。アクセル自身もトレゾアでの勤務経験がある。ガレヱジ・サーストンでは原動機系機械の修理依頼にはピーキーにチューンして納品するというのがポリシーらしく、その伝統はレントンにも受け継がれている。住民票の記載によると、妻ローズは11980年8月19日に死亡している。
- 序盤でアドロックの遺品といわれる謎のパーツ、アミタ・ドライヴを隠し持っていたが、孫のレントンに託す。当初は序盤のみに登場する予定だったが、声を担当した青野の演技により後半以降も登場する場面が追加された[5]。
- アドロック・サーストン
- レントンの父。民衆から世界を救った英雄とされている人物。妻のブラウはレントンを生んだ日(11990年2月28日)に死亡している。
- 軍の科学技術者だった彼はスカブ・コーラル研究に関する独自の仮説を唱え、「アゲハ構想」のレポートを残した。また、軍に入隊して間もないエウレカに様々なことを教えた。最期は世界を襲ったトラパーの異常発生に伴う大災害、サマー・オブ・ラブから命を賭して人類を救った(住民票によると11990年9月10日死亡)。
- レントンは彼のことをほとんど覚えておらず、英雄の息子として大きなプレッシャーを感じていた。彼が残した言葉に、「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん」があり、サーストン姉弟、ノヴァク兄弟、チャールズらに引き継がれている。
- 物語終盤、スカブ・コーラルでレントンと再会。娘のダイアンと共に旅立つレントンを見送った。
- ダイアン・サーストン
- 声 - 玉川紗己子
- レントンの姉。ホランドの初恋相手(元恋人)。
- 早くに両親を亡くしたレントンにとって親代わりだった。ホランドの口添えにより軍へ入隊し、父アドロックの研究を引き継ぐが、レントンが幼少の頃に突然消息を絶った。
- 物語終盤、スカブ・コーラルでレントンと再会。父のアドロックと共に旅立つレントンを見送った。
その他
- ウーノ
- 声 - 鈴木勝美、竹田雅則(ハイエボリューション)
- ワゴン車を店舗代わりにしてリフグッズを販売した男性。
- ベルフォレスト街外れで営業していたが、見ているだけで何も買わないレントン以外に客が来なかったため、他の街へ引っ越した。店では雑誌「ray=out」も販売している。
- ウィリアム・B・バクスター[注 15]
- 声 - 古川登志夫
- レントンを助けた青年。愛称は「ウィル」。
- 見渡す限り垣根のない庭先の農園は、ただ草原に種を撒いただけのよう。自然と共生していきることをモットーとし、周囲の大地一面に打ち込まれた地殻変動抑止用の巨大な杭、パイルバンカーを日々抜いている。レントンに「人間は大地に生かされている」、「強い風が吹いて大木が倒れても草木はまた立ち上がる」と説いた。
- 元軍人で、妻のマーサは戦場で出会った。マーサと結婚後に「僕の故郷を君に見せたい」として旅を始めるが、故郷は無数のパイルバンカーが林立して荒廃していた。マーサは絶望病にかかるが、ウィルはそこにマーサと共に住むことを決意し、現在に至る。
- スパッド
- 小説版にのみ登場。ホランドとハップの幼馴染で、リフ仲間。
- 現在は病院の院長を務め[注 16]、ホランドたちとの交流も続いている。彼の病院に絶望病の患者が増え始めていることが気がかりになっている。
注釈
- ^ 公式資料などでは不詳とされる。劇中に登場する住民票では16歳と記載。マシューの見立てによると、15、16歳。オリジナルシナリオ・51話『ニュー・オーダー』では14歳。小説版は世界観設定の関係上おおよその年齢が明示されている。
- ^ 劇中に「王の金枝」というアイテムは登場しない。兄のデューイは劇中で「この星で与えられる王冠は生贄の王だ」「ホランドは母を殺してこの世に生を受けた。父はそれを証と取ったようだ」と語っている。
- ^ 次回予告のナレーションも担当。
- ^ 小説版では中盤で艦を降りてしまう。
- ^ 「ケンゴー」は、エンディングのクレジット表記。BONESの公式サイトでは「ケンゴウ」、エンディング・アニメーションなどのラテン文字表記は「KEN-GOH」。
- ^ 小説版では訛りはない。原作同様レントンへの対抗意識を持ち、意図的に悪態をつく描写が所々でされている。
- ^ 期限欄には「2005年06月08日まで有効」とあり、放送日時点では既に期限が切れている。
- ^ 小説版ではムーンドギーやギジェットもカイルと同じ目的で参加し、ゲッコーステイトにはリフボーダーとして所属している。ただしアニメ同様にそれ以外の仕事もこなしている。
- ^ 小説版では1歳前後の孤児としてメーテルのみ登場。レントンとエウレカの絆を深める重要な存在となる。
- ^ デューイの当該役職への就任時期については、劇中で明確な描写がないため不明。
- ^ デューイからは陰で「アレ」と呼ばれている。
- ^ 小説版では ぬいぐるみ、『ANEMONE』ではアネモネが幼い頃から大好きな架空の創作キャラという設定になっている。
- ^ Hiroshi Watanabe a.k.a.Quadraによる本作品用書き下ろし曲。
- ^ 雑誌掲載時にはアネモネに投与されていたものに類似した薬物を自ら投与する描写があったが、単行本収録の際にカットされている。
- ^ ミドルネームのBはブランドン。
- ^ メーテルはこの病院で生まれており、母親が亡くなった後にエウレカが連れ出した。
- ^ 漫画版では最終決戦時にドミニクが搭乗。
- ^ 開発中止の理由は、高コスト化とこれ以上の機体性能の進化が望めないと判断されたため。
- ^ 『エウレカセブン NEW VISION』の機体解説では、「ホランド以外に乗りこなせる者がいないという悲運な機体」と解説されている。
- ^ 書籍『ワールドガイドエウレカセブン TR:1NEW WAVE THE MAGAZINE OF GAME ray=out』参照。
- ^ チャールズ曰く、スペック的にはニルヴァーシュを圧倒している。
- ^ アウトドア用品メーカー、パタゴニアの2004年モデル衣類製品におけるカラーラインナップ中の一色。2002年モデルのカラーに黄緑色のゲッコーグリーンがある。
- ^ この時、コンパク・ドライヴの色が通常の緑から赤へと変色する。
- ^ 「情報量子学」は劇中に登場する架空の科学分野。
- ^ a b 「BONES」は本作品の制作会社、ボンズの原作者名義での表記。
- ^ 第50話スタッフロールのみ「総作画監督」としてクレジット。
- ^ a b 本作の製作委員会「Project EUREKA」参加企業は、株式会社バンダイ、バンダイビジュアル株式会社、BANDAI ENTERTAINMENT INC.(バンダイエンターテインメント)、株式会社ボンズ、株式会社博報堂DYメディアパートナーズ。この他、テレビアニメの製作には毎日放送が加わる。協賛企業「EUREKA Partners」は、株式会社角川書店、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社アニプレックス、株式会社バンダイチャンネル、株式会社USEN。
- ^ 本作の実績を主な授賞理由として、アニメーター吉田に対して贈られた。
- ^ 名前を年長順に並べると、モーリス・メーテルリンクになるが、劇中では彼らを年長順に呼ぶことは控えられている。
- ^ 限定版の方が、先に発売された。
- ^ 1日目はテレビ東京製作アニメ作品の関連イベント。本作を含む毎日放送製作作品のイベントは2日目のプログラム。
- ^ Bivattcheeは不参加。
出典
- ^ 『ワールドガイドエウレカセブン TR:1NEW WAVE THE MAGAZINE OF GAME ray=out』、株式会社メディアワークス、2006年1月30日、3ページより。
- ^ 第50話、21分25秒頃に、住民票の登録年月日として記載されている場面がある(母親のブラウ・サーストンの死亡日付と同じ)。
- ^ a b アニメ本編34話での会話。
- ^ アニメ本編33話での会話。
- ^ 『交響詩篇エウレカセブン・コンプリートベスト』より。
- ^ バンダイビジュアル公式サイト 「トラパーって何?」
- ^ a b 『交響詩篇エウレカセブン・コンプリートベスト』付属ブックレット。岡崎の表題はビートルズの同名曲から。
- ^ a b “Psalm of Planets Eureka seveN DICTIONARY”. トルネードベース. 2010年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月27日閲覧。
- ^ “放送情報”. エウレカセブンAO公式サイト. Project EUREKA AO. 2011年12月23日閲覧。
- ^ “エウレカセブン」でわかった番宣の新しいカタチ”. (2016年3月14日)
- ^ “【アニメ漫画キャラの魅力】ヘタレな少年から大きく成長!「レントン・サーストン」の魅力『交響詩篇エウレカセブン』” 2016年3月21日閲覧。
- ^ . https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/20482+2016年3月21日閲覧。
- ^ “ハルカリ仏デビュー!パリ、カンヌでライブも”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2008年1月6日). オリジナルの2008年1月17日時点におけるアーカイブ。 2009年12月12日閲覧。
- ^ Psalm of Planets Eureka seveN DICTIONARY
- ^ コンプリートベスト付録の用語辞典より。
- ^ CDアルバム『交響詩篇エウレカセブン オリジナルサウンドトラック2』付属冊子(ライナーノート)中のインタビュー記事「a dialogue with Mr.Sato 佐藤直紀(音楽) x 佐藤大(シリーズ構成)」。
- ^ “交響詩篇エウレカセブン (5)”. ウェブカドカワ. 2007年9月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月30日閲覧。
- ^ CR交響詩篇エウレカセブン公式サイト※音量注意
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