亜塩素酸ナトリウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/31 14:59 UTC 版)
用途
また、有機合成化学では、アルデヒドをカルボン酸へ変換する酸化剤として用いられる(式)。この反応の活性種は亜塩素酸 (HClO2) である。
反応は多くの場合、リン酸緩衝液などで pH を微弱な酸性に保った状態で行われる。さらに、系中で発生する次亜塩素酸 (HClO) など、副反応を誘発する塩素化合物を捕捉するために、2-メチル-2-ブテンなどの捕捉剤(スカベンジャー)が添加される。
この反応は、収率や化学選択性が高く、後処理が簡便であるため、カルボン酸の合成法として非常に重要である。1級アルコールをカルボン酸に変換する場合でも、強い酸化剤を用いてアルコールを1段階で直接カルボン酸に変えようとするよりも、スワーン酸化やTPAP酸化によりアルコールをいったんアルデヒドに変え、それから上式の手法でカルボン酸とするほうが、収率や選択性が上回る場合が多い。全合成などで多用される手法である。
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