三菱・ミニカ 三菱・ミニカの概要

三菱・ミニカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/25 13:28 UTC 版)

三菱・ミニカ
8代目 後期型
概要
製造国 日本
販売期間 1962年-2011年
ボディ
ボディタイプ 2ドアノッチバックセダン/セダン(初代、3代目-4代目)
3ドアハッチバック(2代目、4代目-8代目)
4ドアハッチバック(6代目)
5ドアハッチバック(5代目-8代目)
3ドアライトバン(2代目)
3ドア軽トールワゴン(6代目-7代目)
4ドア軽トールワゴン(7代目)
駆動方式 FR/FF/4WD
系譜
先代 三菱・360
後継 三菱・i[1]
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概要

初代は1962年三菱自動車(当時は新三菱重工業、後の三菱重工業)初の軽乗用車として登場する。最終型(2011年6月まで販売)は1998年に軽自動車規格改正を受けてフルモデルチェンジされた8代目にあたり、2007年7月乗用車登録となるセダンタイプが廃止され商用車貨物車)登録となるバンタイプのみとなった。乗用モデルは軽乗用車の商標として最も長命で8代45年を誇る車種であった。また、2011年5月現在の時点において現存する軽自動車全体では1960年初代発売のダイハツ・ハイゼット[注釈 2]1961年初代発売のスバル・サンバーに次いで3番目の長寿車種となっていた。

利便性に優れた軽トールワゴンタイプ全盛の時代においても、良い意味で昔ながらの運転のしやすく軽量なボディ形状と低価格[注釈 3]により、主婦高齢者層のセカンドカーとしてだけではなく、法人ユーザーの営業用としても需要があった。しかし、晩年においてその需要はセミトールワゴン型のeKシリーズやミッドシップエンジンを用いたトールボーイハッチバックセダンi(アイ)に移行して、販売は専ら商用モデルが中心となり、最終的には販売不振のため乗用モデルそのものが廃止され、そのおよそ4年後には残された商用モデルも廃止され名実共にミニカの商標は終焉となった。

また、本稿では以下のモデルについても便宜上記述する。

  • ミニカバン
    • ミニカエコノ
  • 以下、2ストロークエンジン搭載専用モデル。
    • ミニカ70
      • ミニカ73
  • 以下、4ストロークエンジン搭載専用モデル。
    • ミニカF4
      • ミニカ5
      • ミニカアミ55
      • ミニカアミL
  • ホットハッチ
    • ミニカエコノZEO
    • ミニカDANGAN

なお、派生車については派生車から当該項目を参照のこと。

初代(1962年-1969年)LA20/21/23型

三菱・ミニカ(初代)
LA20/21/23型
中期型
後期型 デラックス
概要
販売期間 1962年 - 1969年
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 2ドアノッチバックセダン
駆動方式 FR
サス前 前:ウィッシュボーン+横置きリーフスプリング独立懸架 後:半楕円リーフスプリング・固定軸
サス後 前:ウィッシュボーン+横置きリーフスプリング独立懸架 後:半楕円リーフスプリング・固定軸
車両寸法
ホイールベース 1,900mm
全長 2,995mm
全幅 1,295mm
全高 1,345mm
車両重量 490kg
その他
ベース車 三菱・360
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1961年に登場した軽ボンネットバン三菱・360をベースにほぼ共通のドライブトレーンやプレスを使いつつ、車体後部構造とグリルのデザインを変えることで、4人乗り軽乗用車に仕立てられたものである。安易で凡庸な成り立ちでありデザインも武骨なものであったが、堅実で信頼性は高かった。

三菱・360のセンターピラーから後ろをノッチバックスタイルに変更。リアウィンドウを垂直に立てることで後席ヘッドルームをかせぎ、4人乗り乗用車ととして成立させた。 またリアエンジンが一般的だった当時の軽自動車の中で、ミニカはベースモデルと共通のフロントエンジン・リアドライブを採用。これにより最も広いトランクを備えることがセールスポイントであった。エンジンはME21型2ストローク空冷直列2気筒・359ccで最高出力は17馬力を達成し、実用上支障ない性能を確保していた。

1964年11月
マイナーチェンジ。エンジンがME24型となる。リードバルブ管制方式および3Lの独立したオイルタンクを備えた分離給油方式(オートミックス)の採用によりエンジンの出力が18馬力へとアップ[2]
1966年12月
「スタンダード」追加。従来型は「デラックス」と呼称。
1967年5月
マイナーチェンジ。エンジンがME24Dの出力を21馬力へと向上。
1968年10月
2G10型2サイクル水冷直列2気筒359ccエンジン搭載車「スーパーデラックス」が追加。最高出力は23馬力だった。

初代の生産台数は16万2575台[3]


注釈

  1. ^ 1970年5月までは三菱重工業
  2. ^ ただしトラックでの場合。バン(のちのカーゴ)の場合は1961年に初代が発売されている。
  3. ^ ブランド末期のバン最廉価モデル「ライラ」はエアコン・パワステ付きにもかかわらず60万円を切っていた。
  4. ^ 従来型のミニカ73 / ミニカバンのみ引き続き2サイクルを搭載。
  5. ^ 2代目ベースのため、車体幅は拡大されていない。
  6. ^ 但し、商用仕様のために若干ディチューン。
  7. ^ 後部ドアの開閉方式にセダンのアミLは今までと同じガラスハッチを装備。バンのエコノはバンパー上部から開くテールゲート。
  8. ^ H型のシフトパターンを採用しており、シフトブーツも装備されていた。
  9. ^ ミニカターボの登場で三菱は大型トラックから軽自動車までの「フルライン・ターボ」戦略を完成させ、乗用車ではデボネアを除く全車種にターボモデルの設定があった。
  10. ^ ミニカでは最初で最後の存在、後にエコノにも追加。
  11. ^ マイナーチェンジでカタログモデルに昇格した。
  12. ^ 当時賀来は、パジェロでのラリー参戦で三菱に関与していた、夏木陽介の事務所「夏木プロダクション」に所属していた。
  13. ^ 1984年(昭和59年)にダイハツ・ミラにウォークスルーバンが発売されている。
  14. ^ エコノのティコMはエアコン付で発売当時の4速MT車で598,000円。
  15. ^ ミニカ初のパワーウインドウ・集中ドアロックを装備。エンジンは34馬力でエアコンを装備すると110万円程度となった。
  16. ^ 後に2代目日産・プレセア(前期型)のCMに出演。
  17. ^ 自然吸気エンジンも有。燃料供給はシングルキャブレターECIマルチ = 電子式燃料噴射が混在。μ(ミュー)シリーズは全てこのエンジン。
  18. ^ RVRと同じく助手席側が5ドアタイプ・運転席側が3ドアタイプの非対称ドア配置。
  19. ^ これにより、2024年1月現在製造されているSUV、トールワゴン等を含む軽乗用車全般において一時ブランド休止した車種(例・スズキ・セルボマツダ・キャロルスバル・R2ホンダ・ライフホンダ・バモスダイハツ・コペン等。不正事件等により生産・販売を停止した車種は含まれない)を除き最も歴史の長い商標トップ10は
    スズキ・アルトシリーズ(乗用シリーズとしてはワークスやラパン等の派生・横展開モデルを含め7代34年。商用シリーズを含めると通算9代44年。また2024年現在におけるアルトシリーズの基本形は無印アルトとなる)
    ダイハツ・ミラシリーズ(乗用シリーズ全体としてはイース含め通算8代34年(以下、ランクインされているダイハツ車全車(OEM車種含む)は不正事件により現在販売停止中)。貨物車時代を含めると通算9代43年。また2024年現在におけるミラシリーズの基本形はミライースとなる)
    スズキ・ワゴンRシリーズワゴンRスマイル等の派生・横展開モデルを含め6代30年。また2024年現在におけるワゴンRシリーズの基本形は無印ワゴンRとなる)
    ダイハツ・ムーヴシリーズムーヴキャンバス等の派生・横展開モデルを含め6代28年。また2024年現在におけるムーヴシリーズの基本形は2024年現在は既に販売終了となったがムーヴ全体がブランド休止となった訳ではない。)
    スズキ・ジムニー(乗用シリーズとしては3代26年。貨物車時代を含めると通算4代53年)
    スバル・プレオプレオプラス含め4代25年)
    スズキ・エブリイワゴン(乗用シリーズとしては3代24年。商用シリーズを含めると通算6代41年。更に源流となったキャリイバンを含めると通算12代61年)
    マツダ・スクラムワゴン(乗用シリーズ単体としては3代24年。商用シリーズを含めると通算5代34年)
    三菱・eKシリーズeKクロスekスペース等の派生・横展開を含め4代22年。また2024年現在におけるekシリーズの基本形はekワゴンとなる。ただし、燃費不正事件により約3ヶ月間の販売停止期間あり。)
    ダイハツ・タント(4代20年)
    番外として、かつては乗用で販売されていたが現在は貨物車として販売している車種
    ダイハツ・アトレー(貨物・乗用モデルを合算して6代42年。乗用単体としては2代22年に幕。更に源流となったハイゼットバン(現在はカーゴ)を含めると通算11代63年)
    となり、12年以上のリードを保っているミニカの記録は破られていない。

出典

  1. ^ a b デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第73号21ページより。
  2. ^ 360cc軽自動車のすべて―'50ー'70年代の軽自動車総集編!. 三栄書房. (2013). pp. 51. ISBN 9784779618963 
  3. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第21号23ページより。
  4. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第33号21ページより。
  5. ^ 360cc軽自動車のすべて. 三栄書房. (2013). pp. 110. ISBN 9784779618963 
  6. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第39号21ページより。
  7. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第52号25ページより。
  8. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第60号23ページより。
  9. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第58号23ページより。
  10. ^ デアゴスティーニジャパン 週刊日本の名車第70号21ページより。
  11. ^ デアゴスティーニ・ジャパン 週刊日本の名車第77号21ページより。





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