ヴェネツィア派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/02 15:40 UTC 版)
絵画の特徴
初期ルネサンス
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盛期ルネサンス
ティツィアーノによって下塗りされたキャンバスの上に最初から絵具で描くやり方も使われるようになった。これは構図の大幅な変化や動きを生み出す効果を与えた。そのようなことから、ティツィアーノが油彩画の可能性を一代で極めてしまったとも言われる[9]。
- 流動的な形
フィレンツェ派が遠近法や線の曖昧さの排除によって正確な形を捕え、平面の上で立体を表現し、そこから人間中心主義を絵画の中で発揮しようとしたことに対し、ヴェネツィア派の絵画は流動的な形や線の曖昧さで人物を他の物と等しく、空間の構成要素として全体の脈絡を保たせた[10]。
- 色彩的な絵画
光の投射による明暗諧調を色彩で表現し、色彩は絵画の伝統の誕生のきっかけとなった。これはラヴェンナのモザイク技術やビザンティンのイコンなどの色彩の影響もみられる[11]。
- 題材の選択
フィレンツェ派と比べて多々違いがあるが、いくつかの特徴を以下に列挙する。
- 肖像画[12]
- イエス・キリストを自らになぞらえたものなどが挙げられる。これは彼らのナルシシズムが影響していると考えられている[13]。
- 難解なアレゴリーを含む神話画[12]
- 例として、当時富裕になったヴェネツィアでは人口が増加し、それによってコルティジャーナと呼ばれる高級娼婦たちが増えることとなった。彼女たちもまた画家のモデルとなり、ローマ神話の神々に例えられて描かれた[14]。
- 風景画
- 画面そのものを環境自然として、人物や物語を中心から外している[12]。
- 画材の選択
- ヴェネツィア地方では湿気が多いためフレスコが使えない。そのため、キャンバスを壁に貼り付ける方法が使われた[15]。また、あるエッセイストはこれが切っ掛けでティツィアーノは油絵の導入を行ったとしている[16]。油彩絵具の導入によって試行錯誤を重ねながら制作することが可能となったが、一方で研究者にとっては主題の特定を困難にするという問題も発生した[17]。
18世紀
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注釈
- ^ ジェンティーレとの師弟関係は確実ではない。確かなのはカルパッチョは、 ジョヴァンニ・ベリーニやアントニオ・ヴィヴァリーニなどとともに、ラッザロ・バスティアーニの弟子であったこと。
出典
- ^ ブリタニカ国際大百科事典小項目事典, 2010.
- ^ 美術出版社, 美術出版社編集部, 藤原, 高階, 2008, p 229.
- ^ Humfrey, 高橋, 2006, p 112.
- ^ Humfrey, 高橋, 2006, p 9.
- ^ 京都市美術館, 日本美術協会上野の森美術館, 産業経済新聞社, 石鍋真澄, 2006, pp. 12-17.
- ^ Brown, 1997, pp.33-34.
- ^ 元木, 森, 石鍋, 2008, pp. 176-180.
- ^ 中山, 佐々木, 1985, pp.179-180.
- ^ 樺山, 森田, 1992, p 93.
- ^ 樺山, 森田, 1992, pp.11-12.
- ^ 樺山, 森田, 1992, pp.12-13.
- ^ a b c 樺山, 森田, 1992, p 13.
- ^ 樺山, 森田, 1992, pp.74-75.
- ^ 樺山, 森田, 1992, pp.34-36.
- ^ 美術出版社, 美術出版社編集部, 藤原, 高階, 2008, p 75.
- ^ 山下, 2005, p 159.
- ^ Humfrey, 高橋, 2006, p 120.
- ^ a b Art Encyclopedia "Venetian Drawing"
- ^ Art Encyclopedia "Colorito"
- ^ 松井, 2013, p 39.
- ^ a b c d e The J. Paul Getty Museum
- ^ a b c d ロマネッリ, 2011, pp. 8-15.
- ^ Michel, 小林, 巖谷, 松田, 深田, 田代, 越川, 2012, p 16.
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