ヴィパッサナー瞑想
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方法
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さまざまな流儀のものが存在するが、共通するのは「今という瞬間に完全に注意を集中する」ということである。何をしていても「今・ここの自分」に気づいていく。この「気づき」(巴: sati, サティ、梵: smṛti, スムリティ、英: mindfulness、漢語「念」)が、この瞑想のもっとも大切な技術である(したがって、「気づきの瞑想」とも呼ばれることがある)。このようにして自分を客観的によく観ていく実践によって、心を成長させることを目指すのである。
また、特にマハシ系では、「気づき」を言葉によって確認(「ラベリング」)し、「実況中継」していくという方法がとられる。ヴィパッサナー瞑想に入る前に、「慈悲の瞑想」がサマタ瞑想として行なわれる。
ゴエンカ系ではヴィパッサナーに入る前段階として、集中力(定)を養うことを目的に、「アーナーパーナ・サティ」(安般念)と呼ばれるサマタ瞑想の一つをまず練習する。「アーナーパーナサティ」(安般念)を重視する思想はパオ系においても同じである。これら二派においては、マハシ系のような言葉による「ラベリング」は行われない。
座る瞑想では特に呼吸に集中することが基本となる。この点は、北伝仏教でも広く用いられる「数息観」と大きな違いはないとも言えるが、数息観とは、あくまで「アーナーパーナサティ」(安般念)の一部であって、二つを同一視することはできない。呼吸に集中することに関しては、南伝仏教の教義の枠内においても、「サマタ瞑想」と大きく区別されるわけではないという点が指摘されている。
注釈
- ^ 毘婆奢那、毘鉢舎那と音訳され、「観」と翻訳されるサンスクリットのヴィパシュヤナー [vipaśyanā] に相当するパーリ語。
- ^ 閑静で僧の修行に適した場所のことを指す阿蘭若(あらんにゃ、サンスクリットの araṇya の音写)は、もとは森林の意であった[9]。
- ^ 四禅と四果を自分で分別することができないにもかかわらず、自分が四禅を得たのを「四果を得たのだ」と推し量って、師を離れて阿蘭若に独処する比丘の増上慢について、道元は十二巻『正法眼蔵』の第十「四禅比丘」で言及している[10]。
- ^ サイトの名称とURLが変わる前の状態はこちら。変わった後の状態はこちらから閲覧できる。いずれもアーカイブサービスによる保存結果。
- ^ ラリー・ローゼンバーグは、タイの瞑想指導者アーチャン・ブッダダーサの弟子である[20]。
出典
- ^ マハーシ・サヤドー 『ヴィパッサナー瞑想』 星飛雄馬訳、サンガ〈サンガ文庫〉、2017年、145頁。
- ^ 岩本 2010, p. 186.
- ^ 佐々木慈瞳「ヴィパッサナー瞑想の実践による自己認知・他者認知と対人関係様式の変容プロセス -ブッダの説く「而二不二」の実践として-」『人間科学研究』第23巻第1号、早稲田大学人間科学学術院、2010年3月、93-93頁、CRID 1050282677478458496、hdl:2065/38298、ISSN 1880-0270。
- ^ ウ・ジョーティカ 2016, p. 1.
- ^ 箕輪顕量 『仏教瞑想論』 春秋社、2008年、23頁。
- ^ a b c d e 岩本 2010, p. 204.
- ^ 別冊サンガジャパン1 2014, pp. 15–16.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 島岩 「ゴエンカとヴィパッサナー瞑想法」『聖者たちのインド』島岩・坂田貞二(編)、春秋社、2000年。
- ^ “阿蘭若(あらんにゃ)とは - コトバンク”. 朝日新聞社. 2017年6月7日閲覧。
- ^ 道元著・水野弥穂子校注 『正法眼蔵』(四) 岩波書店〈岩波文庫〉、1995年4月、340-344頁。
- ^ 山下良道 『青空としてのわたし』 幻冬舎、2014年5月、p.230。
- ^ 水源 『水源禅師法話集 1 (PDF) 』 2009年5月、p.8。
- ^ “佛身山真功寺 HP”. Shinzenho. 2018年3月10日閲覧。
- ^ パオ森林僧院(Wayback Machine、2015年9月28日) - http://paauk.jp/bio_mk.html/[リンク切れ]
- ^ a b c 別冊サンガジャパン1 2014, p. 360-362.
- ^ 別冊サンガジャパン1 2014, p. 374.
- ^ a b 別冊サンガジャパン1 2014, p. 332.
- ^ パオ森林僧院(archive.today、2015年9月27日) - http://paauk.jp/bio_mk.html/[リンク切れ]
- ^ “GBTalk 46 「いま、原始仏教を生きる。」20180106 - YouTube”. 2018年2月22日閲覧。
- ^ 別冊サンガジャパン1 2014, p. 143.
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