ログハウス ログハウスの概要

ログハウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 06:39 UTC 版)

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本来はこの建物のように丸太(ログ)を交差部にはノッチを使って組み上げた「丸太組工法」家屋・建築物を指す(日本)。
カナダやアメリカでは、初期にログとログの隙間を粘土などで埋めたチンキング工法が発達した(カナダ)。
北欧で発達した製材された角材を組上げたログハウス。日本では通称「マシンカット」「角ログ」などと呼ばれる(フィンランド)。

日本の建築基準法では丸太組工法と呼ばれる[1]地震の多い日本では、さらに通しボルトやダボを入れることにより、耐震性を確保する。奈良正倉院校倉造りは丸太組工法と同様の構造で組まれており、日本最古のログハウスと呼ばれることがある。

英語圏ではログホーム (log home) またはログキャビン (log cabin) と呼ばれることが一般的。

概要

日本の建築基準法では2002年5月までは丸太組で2階まで組み上げることができないため、2階はロフト(小屋裏利用)となっていた。このため2階の居住空間を確保するためドーマーを付けることが多かった。2002年5月、丸太組構法の新しい告示が施行され、それまではロフトしか認められていなかったログハウスの総2階建てが可能になった。しかし、現在でもコストなどの関係でハンドカットログによる本格的な2階建てはほとんどなく、角ログメーカーに2階建てを積極的に採用しているメーカーが数社ある程度である[2]。多くのログハウスでは一階は丸太組でも、2階はドーマーなどと組み合わせた木造軸組構法(在来工法)である。ハンドカットログは非常に高価であるが、一見丸太に見える製材した丸ログや 角材(角ログ)を使用したもの、丸太はにのみ使用してには漆喰モルタルなどを使用する「ポストアンドビーム」工法と呼ばれる、いわゆる丸太を使った木造軸組構法も「ログハウス」と業界では呼んでいる。

17-18世紀には北アメリカに伝播し、西部開拓の象徴として広まった。日本に、西洋の様式のログハウスが導入されるようになったのでは1970年後期である。

日本古来の校倉造正倉院、あるいは長野県の農村で見受けられる伝統的な板倉「せいろう倉」は、断面が三角形や四角形の木材を組み上げて作られており、 実はこれらも英語の「log house ログハウス」に分類されうると考えてよい[注 1]

ログハウスの特徴として、湿度の調整がとても優れており、木の断熱性の高さから夏は涼しくて冬は温かいということが挙げられる。また、コンクリートなどに比べて感触が良く、木の温もりを感じることができるなどの特徴もある。ログハウスによく使われる樹種としては、ベイスギベイマツトウヒ、フィンランドパインなどが代表的である。

近年、原油価格の高騰に伴う輸送費の増大により、輸送マイレージの短い国産材の利用も拡大している。

外見


注釈

  1. ^ なお、西洋では中世以降、建物は北欧など森林資源の豊富な地域を除いて石材を用いた壁構造が基本であり、ヨーロッパ人には家屋は石造が常識だった。そのため、木造建築は珍しいものとして特に呼び分ける必要が感じられた。一方、日本では木造建築が基本であり、歴史を通じて、柱や梁に樹木の形を活かして用いている部分が多く、英語の「log house」に相当する建物が多い。日本では逆に石造りの家のほうが珍しく、わざわざ「木の家」などと呼び分けなくても、基本的に「家」と言えば木(しかも英語でlogに相当するような状態のもの)で造るものだった。日本で石やコンクリートを主たる材料に用いた建築物が増えたのは、明治以降である。

出典



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