レールガン 歴史

レールガン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/14 16:12 UTC 版)

歴史

発射速度は入力された電流に正比例する事は先に述べた通りだが、原理自体は古くから知られており、1844年にはこれに基づいた兵器利用の実用化構想もあった程で、世界各国の軍部が事ある毎に研究してきた歴史がある。第一次/第二次世界大戦当時にもドイツ日本で兵器化への研究が行われていた。しかし弾体が砲身に接触している事から生じる摩擦の問題を解決できなかったり、実際に発射できるだけの電流を生み出す電源が無いといった理由から、当時の技術ではこの問題を解消できずに研究は放棄され、実用化に到らなかった(高射砲一門だけのために、専用発電所が二つ必要という試算さえあった)。

1960年代に、前出のリチャード・マーシャルらのグループが単極発電機英語版Homopolar generator)の発生させる電流を用いて、従来火器よりも遥かに速い速度で弾丸を射出する事に成功、次第にその威力が現実的な物として考えられるようになり、1980年代にはアメリカ合衆国スター・ウォーズ計画(SDI計画)により、多額の研究資金を得て、大きく発展した。

特に宇宙空間では空気抵抗が無いために、高速で運動する物体の破壊力(運動エネルギー)は発射から命中までの間、ほぼ無期限に保存される事、また電源として大気越しではない太陽光が利用できる事から、レーザーと並んで宇宙兵器の有力候補に挙げられている。

だが今日では、SDI計画自体が国際情勢の変化に合わせて計画縮小され、実用性においては実績のある既存の火薬を燃焼させて発射する兵器と比較し、巨大な電源装置を必要とする等の点で問題の多い上に、実績も無いレールガンの兵器化研究は進んでいない。

その一方で、1990年代頃から技術開発や研究方面での利用も進み、様々な分野で開発・利用されている。

日本では宇宙科学研究所で、デブリ衝突などの模擬実験用に研究と同時に実用に供されていた。

なおレールガン開発の歴史は、レールガン本体の改良よりも、むしろ電源開発の歴史と述べた方が適切とされており、SDI計画においても、単極発電機の小型化が最重要課題とされていた。今日各方面で利用されているレールガンにおいては、フライホイールに(運動エネルギーの形で)蓄電された物やコンデンサに蓄電した物が利用されるなどしている。


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  1. ^ a b 防衛省:我が国の防衛と予算-平成27年度概算要求の概要- - 防衛省(PDF)
  2. ^ 最新科学論シリーズ15『最新宇宙飛行論』(1991年)学研(P.153 - 155)
  3. ^ a b 「ハイテク兵器の物理学」 防衛技術協会 ISBN4-526-05644-8
  4. ^ ジャパン・ミリタリー・レビュー『軍事研究』2007年7月号P.66参照
  5. ^ 米国海軍研究局 - Electromagnetic Railgun: An Innovative Naval Program
  6. ^ 米国海軍研究局 - 2008年01月31日発表報道資料- U.S. Navy Demonstrates World’s Most Powerful Electromagnetic Railgun at 10 MJ
  7. ^ Technobahn - 米海軍研究所、10メガジュールの本格的レールガン発射実験に成功
  8. ^ WIRED.COM - Navy’s Mach 8 Railgun Obliterates Record
  9. ^ “米海軍、レールガンを2016年に洋上テストへ 「これはSFではない」”. ITmedia. (2014年4月18日). http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1404/08/news069.html 
  10. ^ 米国海軍 - 2014年04月07日報道資料 - Navy to Deploy Electromagnetic Railgun Aboard JHSV


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