リベリカコーヒーノキ リベリカコーヒーノキの概要

リベリカコーヒーノキ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/12 15:20 UTC 版)

リベリカコーヒーノキ
分類
: 植物界 Plantae[1]
: 被子植物門 Magnoliophyta[1]
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida[1]
: アカネ目 Rubiales[1]
: アカネ科 Rubiaceae[1]
: コーヒーノキ属 Coffea[1]
: リベリカコーヒーノキ C. liberica[1]
学名
Coffea liberica
Hiern[1]

特徴

樹高は高く、樹形は剛直である[6]。葉は肉厚である[6]。5メートルから17メートル程度にまで成長する常緑低木で、20センチから30センチほどの光沢のある葉をつける[7]。果実はひし形で他種に比べて大きく、熟すと赤や黄色になる[7][8]。気温や湿度などといった環境にも順応性が高いが、サビ病などの病害に弱い[2][5]熱帯にあるマレーシアフィリピンなどの低地で栽培されている[6]

利用

ロブスタコーヒーノキとともに19世紀末に発見され20世紀始めから生産が始まった[8]コーヒー豆としてはアラビカ種に比べて酸味がなく、苦みが強くて味が劣る[2][3][9]。果実が大きいので加工がしづらく、また、豆の凹凸のせいで乾燥にバラツキが生じてしまうのも味が落ちる原因である[10]。加えて、病害にも弱く生産性が低いため[5][8]、西アフリカの生産諸国の国内で消費されたりわずかにヨーロッパに輸出される他には研究用や交配用の種として利用される程度である[2][5][8]。しかし、2023年現在、今後温暖化が進行し、その影響でアラビカ種が栽培できなくなってしまった場合の代替として、エクセルサ種[a]とともに可能性を見出されている[10]

日本国内では静岡県静岡市葵区と千葉県船橋市にフィリピン産リベリカ種のコーヒー豆を扱う喫茶店がある。


注釈

  1. ^ a b c d e f g h Classification for Kingdom Plantae Down to Species Coffea liberica W. Bull ex Hiern.” (英語). アメリカ農務省. 2013年3月24日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 田口護 『田口護の珈琲大全』NHK出版、2003年、8-9頁。ISBN 4-14-033193-3 
  3. ^ a b 広瀬幸雄、星田宏司、柄沢照久 『コーヒー・ビギナーズ・ブック』人間の科学社、2008年、63頁。ISBN 978-4-8226-0277-2 
  4. ^ コーヒーノキ”. 宮城県薬剤師会. 2013年3月24日閲覧。
  5. ^ a b c d コーヒー豆知識”. アサヒ飲料株式会社. 2013年3月25日閲覧。
  6. ^ a b c 日本コーヒー文化学会『コーヒーの事典』柴田書店、2001年、p. 214
  7. ^ a b Coffea liberica” (英語). Ecocrop. 国際連合食糧農業機関. 2013年3月24日閲覧。
  8. ^ a b c d 山内秀文. “コーヒーのたどった道(2)”. カフェ・マニアックス. 辻調グループ. 2013年3月25日閲覧。
  9. ^ 山内秀文. “コーヒー生豆の見方(1)”. カフェ・マニアックス. 辻調グループ. 2013年3月25日閲覧。
  10. ^ a b c 温暖化がコーヒー豆の栽培にも影響、19世紀に飲まれていた「リベリカ種」は農園の“救世主”になるか”. WIRED.jp (2023年2月26日). 2023年2月26日閲覧。
  1. ^ リベリカ種の変種。やや果実が小さく加工がしやすい[10]


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