ヨドバシ梅田
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/19 09:30 UTC 版)
施設の特徴
- 関西最大のターミナル駅前に立地している。
- 駐車場はヨドバシ梅田側9階から12階に680台、ヨドバシ梅田タワー側の地下2階から地下4階に420台の計1,100台分の駐車場を設けている。
- 梅田地区の単独施設としては比較的多い約1,100台分の駐車場を設けることにより、遠方から自家用車での来客にも容易に対応できる。
- カフェ・レストラン街・ファッション衣料雑貨専門店を併設している。
- 梅田地区唯一の大型家電量販店である。
- 外国人観光客の来店に対応している。
日本一の売上
当店舗は年間売上高が1,000億円以上あり[2]、家電量販店の単独店舗の売上としては日本一である[17]。
日本一の店舗面積
ヨドバシ梅田のヨドバシカメラマルチメディア梅田店は店舗面積3万m2で日本一の大きさになっている。 (ヨドバシAkibaは2万3800m2、ヤマダ電機[注 3]LABI1日本総本店池袋店は2万3千m2)さらに2019年リンクス梅田開業に合わせて5階のフロアもマルチメディア梅田になり35600m2の売り場面積を抱えることになった。
懸念事項
ヨドバシ梅田開業前から周辺の道路、特に新阪急ホテル前付近は、大阪駅東口(御堂筋口)とも隣接することから、タクシーやバスなどで日常的に混雑していた。大阪駅の再開発工事の期間中には通行規制でさらに道路事情が悪化した。また、歩道の混雑や歩行者による信号無視なども多い。これらの道路混雑に対応するため、混雑に応じて、駐車場や駐輪場の入出庫、新阪急ホテル発着のバスやタクシーおよび歩行者の誘導のため、警備員が配備されているが、大阪シティバス、阪急バスおよび空港行リムジンバス(大阪国際空港・関西国際空港)に遅延が生じることも多い。
かつては、JR大阪駅の北側の道路(大阪市道九条梅田線)は駅に沿って福島駅近くまで一直線に延びており、中央北口から横断歩道を渡ってヨドバシ梅田(建物南西端)まで直接平面移動が可能であった。この平面移動ルートはヨドバシ梅田だけでなく、ウインズ梅田、JR西日本本社、大阪府済生会中津病院へのアクセスルートでもあったため、利用者は多かった。しかし、2011年から2013年にかけて大阪ステーションシティ(ノースゲートビルディング)やグランフロント大阪・南館の開業、および大阪駅JR高速バスターミナル(1階)の開設により同ルートが閉ざされ(市道もこれに併せてグランフロント大阪・南館を迂回するよう北側に大きく回り込む現在のルートとなった)、一旦エスカレーターまたは階段で2階アトリウム広場に上がり、約50段の階段(当初エレベーターやエスカレーターは併設されていなかった)で再度1階(地上)に下りてから横断歩道を渡らなくてはならなくなった。そのため、バスターミナル進入路付近の横断防止柵を乗り越えて市道を横断をする人が相次ぎ、事故の増加が懸念された。バリアフリーの観点からもJR西日本には障害者団体からの苦情が寄せられ、対策が検討された結果[23]、階段にエレベーター[注 4]が併設されることになり、2011年12月12日から使用開始され[24]、バリアフリーの面での問題は解消した。
さらに、2013年を目処にヨドバシ梅田と南側のノースゲートビルディング、西側のグランフロント大阪のそれぞれを結ぶ歩行者用デッキの設置が計画されていた[9][25]。2017年6月30日に大阪ステーションシティカリヨン広場と当店2階を結ぶ橋が完成し[26]、グランフロント側は同年10月25日に開通した[27]。
開業による影響
浪速区の日本橋電気街(でんでんタウン)の来客数が減少したことから多くの店舗が閉鎖し、その跡は次々とマンションになりつつある。また、メイド喫茶やアダルトグッズショップに転用される例も増加している。大阪地区の家電量販店同士の価格競争が激しくなった。
また、ヨドバシカメラのインターネット通販、「ヨドバシ ドットコム」の関西地区での利用者が増加した。後に、西日本地区での需要に応えるため神戸市(六甲アイランド)に物流拠点が新設された[28]。
店舗データ
(来客数以外は2006年3月10日の日経MJの記事による)
- 売場面積:35600m2(2019年11月までは3万m2)
- ※ヨドバシ梅田全館の売場面積は約5万m2
- 年間売上高:約1,200億円(推定。ヨドバシカメラはもちろん、日本の家電販売店で最大の売上高。ただし、家電以外のテナントの売上を含めているのかは不明。)
- 従業員数:460人(メーカー派遣販売員を除く)
- 投資額:約1,500億円(うち土地1,010億円)
- 来客数:平日8万–10万人、土曜・休日10万–15万人(ヨドバシ梅田全館)[29]
建物
かつてこの敷地にあった大阪鉄道管理局庁舎と同様に丸みを持った百貨店風の建物で、後に開業したヨドバシAkiba、京都ヨドバシ、ヨドバシ仙台第1ビルとも外壁のデザインが共通している。
広報活動
ヨドバシカメラマルチメディア梅田のCMソングが作られたのは開業から約1年後である。テレビCM(30秒版)や店内放送で聴けるほか、Yodobashi Vision(後述)でも流れている。最近では首都圏の既存店同様、電車をモチーフとしたキャラクターが登場し、こちらは「環状くん」「環状ちゃん」(大阪環状線103系がモデル)・「御堂筋くん」「みどうちゃん」(Osaka Metro御堂筋線21系がモデル)が使われている。これらのキャラクターが設定された当時は阪急電車(8000系もしくは8300系)や阪神電車(9300系)をモチーフにした「阪急くん」「阪急ちゃん」「阪神くん」「阪神ちゃん」も存在していたが、短い期間で姿を消した。2018年に入って323系をモデルとしたキャラクターが登場したが、こちらは「大阪環状君」となっている。また2019年にはおおさか東線の201系をモデルとした「おおさか東くん」、JR宝塚線の207系をモデルとした「宝塚くん」も登場した。
注釈
- ^ 国鉄清算事業団が旧国鉄用地の一部を再開発・売却するために立ち上げた子会社である。
- ^ 入札額1010億円は、ヨドバシカメラの本社や各店舗の電話番号の末尾4桁にちなむ。「本当は900億円台を考えていたが、9は(苦なので)縁起が良くない。そこで1000億円に引き上げた」「すると開発担当者がそれじゃあ面白くない。会社の電話番号(1010)と同じにしましょうというので、10億円上乗せした」(日本経済新聞:梅田発・池袋着の「ヨドバシ鉄道」、敗戦百貨店が成長源より)
- ^ a b ヤマダ電機は2020年10月にヤマダホールディングスに社名変更し、ヤマダ電機の事業は同月にヤマダデンキ(旧・ヤマダ電機分割準備会社)に継承した。
- ^ 2階アトリウム広場と高速バスターミナル北側歩道とを結ぶ階段とエレベータは仮設のものであり、大阪駅北地区「うめきた」の先行開発地域「グランフロント大阪」が完成した後、撤去された。
- ^ 阪急三番街やホワイティうめだなどの地下街含む
出典
- ^ a b c ヨドバシ梅田タワーが2019年秋竣工。地上34階で観光バス発着も - AV Watch(2016年8月31日付、同日閲覧)
- ^ a b 株式会社ヨドバシカメラ. “ヨドバシカメラの歩み”. 2011年2月26日閲覧。
- ^ 参考文献 1997年3月6日発行 日経MJ(日経流通新聞)1面「老舗に1010億円パンチ」
- ^ “梅田発・池袋着の「ヨドバシ鉄道」、敗戦百貨店が成長源”. 日本経済新聞 (2022年11月22日). 2022年11月22日閲覧。
- ^ “梅田発・池袋着の「ヨドバシ鉄道」、敗戦百貨店が成長源”. 日本経済新聞 (2022年11月22日). 2022年11月22日閲覧。
- ^ “梅田発・池袋着の「ヨドバシ鉄道」、敗戦百貨店が成長源”. 日本経済新聞 (2022年11月22日). 2022年11月22日閲覧。
- ^ “梅田発・池袋着の「ヨドバシ鉄道」、敗戦百貨店が成長源”. 日本経済新聞 (2022年11月22日). 2022年11月22日閲覧。
- ^ 大阪のヨドバシ初日、5,000人を越える異常な出足! 〜18%のポイント還元も効果か - PC Watch(2001年11月22日付、2010年4月2日閲覧)
- ^ a b ヨドバシカメラが「マルチメディア梅田」北側に新ビル建設 - 産経新聞(2011年11月11日付、2011年11月11日閲覧)
- ^ ヨドバシ梅田 一体開発(都市再生特別地区 北区大深町)事業計画の決定について - 株式会社ヨドバシカメラ(2016年8月31日付、同日閲覧)
- ^ 阪急阪神、大阪最大ホテル 梅田に19年冬 ヨドバシ新ビル、1,000室 - 日本経済新聞 2017年9月29日(2017年10月2日閲覧)
- ^ 大阪梅田エリアで最大級の約1,000室 (仮称)ヨドバシ梅田タワーにおけるホテル出店のお知らせ 2020年初春開業予定 - 阪急阪神ホテルズ 2018年8月7日(2018年8月7日閲覧)
- ^ a b 新ブランド “Hotel Hankyu RESPIRE(レスパイア)” (仮称)ヨドバシ梅田タワーにおけるホテル名称決定のお知らせ 2019年11月 開業予定 - 阪急阪神ホテルズ 2019年3月20日(2019年3月20日閲覧)
- ^ 建物名称を「ヨドバシ梅田タワー」に決定 約200店舗を集積する複合商業施設として大阪駅前に新たなランドマークが誕生 - ヨドバシホールディングス 2019年6月3日(2019年6月4日閲覧)
- ^ 商業施設名称を『LINKS UMEDA(リンクス ウメダ)』に決定 大阪・梅田の新ランドマーク「ヨドバシ梅田タワー」内の商業施設 - ヨドバシホールディングス 2019年7月19日(2019年7月19日閲覧)
- ^ 参考文献 2001年12月4日発行 日経MJ(日経流通新聞)4面
- ^ a b ヨドバシ、大阪・梅田店を2割増床 日本経済新聞
- ^ 大阪・梅田の新ランドマーク「ヨドバシ梅田タワー」内の商業施設 「LINKS UMEDA」2019年11月16日(土)グランドオープン - ヨドバシホールディングス 2019年9月30日(2019年10月29日閲覧)
- ^ ヨドバシカメラ/大阪・梅田に商業施設「LINKS UMEDA」11月16日開業 - 流通ニュース 2019年10月2日(2019年10月29日閲覧)
- ^ “大阪・梅田に誕生する地域最大級の複合商業施設「LINKS UMEDA」関西・日本初を含む約200店舗が集結!2019年11月16日(土)9:30、いよいよオープン”. ヨドバシカメラ. 2020年10月10日閲覧。
- ^ 日経クロストレンド. “大阪・梅田の新名所「リンクス梅田」 存在際立たせた意外な戦略”. 日経クロストレンド. 2020年7月17日閲覧。
- ^ “LINKS UMEDA(リンクス梅田)の新・屋上スペース「LINKS'KY GARDEN(リンクスカイガーデン)」が4月29日(木・祝)にグランドオープン。”. ヨドバシ建物. 2021年7月20日閲覧。
- ^ JR大阪駅:北側、危ない横断 障害者、妊婦にきつい50段の階段…柵越え近道毎日新聞 2011年5月21日 大阪夕刊
- ^ 11月定例社長会見 西日本旅客鉄道 2011年11月16日
- ^ ヨドバシが梅田に新ビル、15年にも大型商業施設 読売新聞 2011年11月12日
- ^ ヨドバシ梅田 「ペデストリアンデッキ先行工事」 2017年6月30日に完成いたします - ヨドバシカメラ 2017年6月14日(2017年7月10日閲覧)
- ^ ヨドバシ梅田の連絡橋開通、グランフロントと直結 JR大阪駅北側 - 産経WEST 2017年10月25日(2017年11月24日閲覧)
- ^ “ヨドバシカメラ/六甲アイランドへの家電大型物流センター進出”. 物流ニュース (2006年11月20日). 2019年3月10日閲覧。
- ^ ヨドバシAkibaのテナント募集のサイト(ヨドバシ梅田のホームページからリンクできた。現在は閉鎖)に参考資料としてヨドバシ梅田の来客数が記載されていた。
- ^ 駐車場
- ^ ヨドバシカメラ、職安法抵触の疑い ヘルパーが棚卸し asahi.com
- ^ ヨドバシカメラ:少年への有害玩具販売で書類送検 大阪 毎日新聞 2008年9月26日
- ^ ヨドバシカメラを書類送検 高校生に強力なエアガンを販売 産経新聞 2008年9月26日
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