ユーロ紙幣 印刷工程

ユーロ紙幣

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/05/16 16:13 UTC 版)

印刷工程

7種のそれぞれの額面の紙幣には、印刷情報が特定できるような6文字の小さな印刷コードが記載されている。

この印刷コードは、先頭はアルファベット、続いて3桁の数字、アルファベット1文字、1桁の数字で構成されている(例:G013B6)。

先頭の文字は印刷所を示している。たとえば「G」はオランダのヨハン・エンシェーデのコードである。続く3桁の数字は紙幣の印刷版の版数を示している。例の「013」はその印刷所で作成された13番目の印刷版で印刷したということを示す。5桁目にあるアルファベットと6桁目の数字はそれぞれ印刷版の縦と横の位置を示しており、「B6」は縦の2段目、横の6列目を表している[15]

紙幣は複数のものがつながったシートの形で印刷されるが、印刷所によってシートの大きさが異なっている。これは額面が高くなるにつれて紙幣が大きくなるためで、同じ大きさのシートであれば作成される紙幣の枚数は少なくなる。たとえばドイツの2つの印刷所では1枚のシートで5ユーロ紙幣を60枚(縦10段、横6列)印刷するが、10ユーロ紙幣であれば54枚(縦9段、横6列)、20ユーロ紙幣であれば45枚(縦9段、横5列)が印刷される。

印刷所コードは国別コードと一致させる必要はなく、ある国が発券した紙幣が別の国で印刷されるということがある。紙幣を印刷する工場には国有のもののほかに民間のものがあり、それらの工場はユーロ以前にはそれぞれの旧通貨を印刷していた。紙幣を発券する国にはそれぞれ1か所ずつ、国有の(あるいは国有だった)印刷所があるが、ドイツについては、旧東ドイツ旧西ドイツのそれぞれの印刷所があり、これらは両方ともが現在はユーロ紙幣を印刷している。またフランスも民間のフランソワ=シャルル・オーベルテュールとフランス銀行印刷所の2か所がある。現在はユーロを印刷していないものの、イギリスも民間のデ・ラ・ルーイングランド銀行印刷所の2か所がある[14]

印刷所コード
コード 印刷所 所在地 所在国 発券中央銀行
(A) (イングランド銀行印刷所) (ラウトン) (イギリス) --
(B) 未使用
(C) (トゥンバ・ブルク) (トゥンバ) (スウェーデン) --
D セテック ヴァンター フィンランド L(フィンランド)
E フランソワ=シャルル・オーベルテュール シャンテピー フランス H(スロベニア)、L(フィンランド)、P(オランダ)、U(フランス)
F オーストリア紙幣保安印刷社 ウィーン オーストリア N(オーストリア)、P(オランダ)、S(イタリア)、T(アイルランド)、Y(ギリシャ)
G ヨハン・エンシェーデ ハールレム オランダ L(フィンランド)、N(オーストリア)、P(オランダ)、V(スペイン)、Y(ギリシャ)
H デ・ラ・ルー ゲーツヘッド イギリス L(フィンランド)、M(ポルトガル)、P(オランダ)、T(アイルランド)
(I) 未使用
J イタリア国立印刷造幣局 ローマ イタリア S(イタリア)
K アイルランド中央銀行 ダブリン アイルランド T(アイルランド)
L フランス銀行 シャマリエール フランス U(フランス)
M 王立スペイン造幣印刷局 マドリード スペイン V(スペイン)
N ギリシャ銀行 アテネ ギリシャ Y(ギリシャ)
(O) 未使用
P ギーゼッケ アンド デブリエント ミュンヘンライプツィヒ ドイツ L(フィンランド)、M(ポルトガル)、P(オランダ)、U(フランス)、V(スペイン)、X(ドイツ)、Y(ギリシャ)
(Q) 未使用
R 連邦印刷局 ベルリン ドイツ P(オランダ)、X(ドイツ)、Y(ギリシャ)
(S) デンマーク国立銀行 コペンハーゲン (デンマーク) --
T ベルギー国立銀行 ブリュッセル ベルギー U(フランス)、V(スペイン)、Z(ベルギー)
U ヴァローラ - ポルトガル銀行 カレガード ポルトガル M(ポルトガル)
  • A, C, S のコードはユーロ紙幣未発行の印刷所に割り当てるために未使用となっている。
  • 上記一覧で、ある印刷所が特定の1つの国に対して紙幣を印刷していると表記されている場合は、そこで印刷される金種は1種類であるか、あるいは7種類すべてのいずれかであるということを示している。各国の中央銀行の中にはさまざまな額面の紙幣を複数の印刷所から調達するところもあり、また単一の金種の紙幣を複数の印刷所から調達しているところもある。前者の例として、ギリシャが5か所の印刷所から調達しており、後者の例にはオランダが2009年3月までに5ユーロ紙幣を5か所の印刷所から調達している。紙幣を発券している各中央銀行は公認されている印刷所から自由に紙幣を調達することができ、またその枚数もさまざまなものとなっている。2008年6月の時点で、ユーロ紙幣の印刷所・署名・発券国・額面の組み合わせは133通りとなっており、今後もこの組み合わせは増えていくことになる。



  1. ^ Euro Banknotes” (英語). European Central Bank. 2009年8月30日閲覧。
  2. ^ PRESS KIT Euro banknotes and coins (PDF)” (英語). European Central Bank. 2009年8月30日閲覧。
  3. ^ a b Banknotes” (英語). European Central Bank. 2009年8月30日閲覧。
  4. ^ Banknotes” (英語). European Central Bank. 2009年8月30日閲覧。
  5. ^ Banknotes” (英語). European Cenral Bank. 2009年8月30日閲覧。
  6. ^ Schmid, John (2001年8月3日). “Etching the Notes of a New European Identity” (英語). New York Times. 2009年8月30日閲覧。
  7. ^ Murdoch, Steven J.. “Software Detection of Currency” (英語). Computer Laboratory, University of Cambridge. 2009年8月30日閲覧。
  8. ^ Police seize 11 million fake euros in Colombia” (英語). Reuters (2008年8月29日). 2009年8月30日閲覧。
  9. ^ ギリシア語ラテン翻字: Ellada
  10. ^ Kypros
  11. ^ Slovenian notes, serial number H” (英語). EuroBillTracker. 2009年8月30日閲覧。
  12. ^ Banknotes and coins production” (英語). European Central Bank. 2009年8月30日閲覧。
  13. ^ ギリシア語: Κύπρος, ギリシア語ラテン翻字: Kyprosトルコ語: Kıbrıs で、いずれも K が先頭となる。
  14. ^ a b Sohier, Guy (フランス語). Les eurobillets 2002-2007. Editions Victor Gadoury. ISBN 978-2906602304. 
  15. ^ Dinand, Jean-Michel (1996年5月8日). “The preparation of euro banknotes” (英語). Ecu-Activities. 2009年8月30日閲覧。
  16. ^ The life cycle of a banknote” (英語). De Nederlandsche Bank. 2009年8月30日閲覧。
  17. ^ Monthly bulletin: 10th anniversary of the euro (PDF)”. European Central Bank. 2009年8月30日閲覧。
  18. ^ 来年から新ユーロ紙幣”. 産経新聞. 2012年11月9日閲覧。
  19. ^ Greece presses demand for one-euro notes” (英語). EUbusiness.com (2007年3月27日). 2009年8月30日閲覧。
  20. ^ European Parliament declaration on the introduction of 1 and 2 euro banknotes” (英語). European Parliament (2005年10月25日). 2009年8月30日閲覧。






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