マンボウ マンボウの概要

マンボウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/04/14 14:03 UTC 版)

マンボウ
Mola mola.jpg
マンボウ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: フグ目 Tetraodontiformes
亜目 : フグ亜目 Tetraodontoidei
: マンボウ科 Molidae
: マンボウ属 Mola
: マンボウ M. mola
学名
Mola mola
(Linnaeus1758)
シノニム

Tetraodon mola
Linnaeus1758

英名
Ocean sunfish

ウオノタユウ(瀬戸内海)、ウキ、ウキギ、ウキキ(浮木)(以上東北地方)、マンザイラク(神奈川)、マンボウザメなど多数の地方名で呼ばれる。英語名はオーシャンサンフィッシュ (ocean sunfish) だが、ブルーギルなどを含むスズキ目サンフィッシュ科とは関係がない。

特徴

最大で全長3.3 m、体重2.3 t にもおよび、世界最大の硬骨魚のひとつである。からだは円盤型で左右に平たく、背びれと尻びれがそれぞれ体の上下に突き出している。尾びれと腹びれを持たない。体の後ろには平たくなったひれのような部分があり、舵びれあるいは橋尾とも呼ばれている。これは尾びれではなく、背びれと尻びれの一部が変形したものである[1][2]。泳ぐときは背びれと尻びれをパタパタとはばたかせ、体の後ろのひれで舵をとる。このとき、背びれと尻びれを同調させ、対称に動かしている[3]フグ類に共通する丸い目と小さな口を持つ。また腹ビレ、肋骨がない、鳥のくちばしのような板状の歯を持つ、小さな穴状のエラ穴を持つという点もフグ類と共通している。皮膚は厚く粘液で覆われるとともに、おびただしい量の寄生虫が付着している[4]

分布

水面下に体を横たえるマンボウ
マンボウの稚魚。体に多数のとげを持つ

全世界の熱帯温帯の海に広く分布する。外洋の表層で浮遊生活をしていると考えられてきたが、近年の研究によりマンボウの生息の場は深海にまで及んでおり、海上で見せる姿は生態の一部にすぎないことがわかってきた。発信機をつけた追跡調査で、マンボウは生息水深を一定させず、表層から水深800m程度までの間を往復していることが明らかにされている[5]。25%程度の時間を表層で過ごす個体がいる一方、別の個体は水深200m以深の深海にいる時間が長かった。水温の変化に影響を受けている可能性が考えられているが、外洋に生息する魚だけに生態はまだ謎が多く、詳しい調査が待たれる。

生活様式

マンボウはクラゲ動物プランクトンを食べるということは知られているが、胃内容物からは深海性のイカエビなどの残骸も発見されている。これまでマンボウは海中を受動的に漂っているだけと考えられることが多かったが、これらの餌を捕食するにはある程度の遊泳力が必要となる。近年、音響遠隔測定による調査で、マンボウは海流に逆らって移動し得るだけの遊泳力を持つことが示されている[4]

時折海面にからだを横たえた姿のマンボウが観察されることがあり、丸い体が浮かんでいる様が太陽のようであることから sunfish という英名がついた。この行動はカモメなどの海鳥に寄生虫を取ってもらうため、あるいは日光浴による殺菌が目的ではないかと考えられている。マンボウは勢いをつけて海面からジャンプすることもあり[6]、これも寄生虫を振り落とすためである可能性がある[4]

マンボウのメスが一度に産むの数は3億個に達するともいわれ、最も多く卵を産む脊椎動物とされる。卵は親に保護されることもなく海中を浮遊しながら発生するため、ほとんどが他の動物に食べられてしまい、成長できるのはごくわずかである。孵化した稚魚は全身にとげがあり、成魚とは似つかない金平糖のような姿をしている[7]。一時的にとげが長くなりハリセンボンのようにもなるが、成長するにつれとげは短くなり、マンボウ独特の姿に変わってゆく。

また、全長40cm程度の若いマンボウが群れを作ることも報告されている[8]


  1. ^ 『日本の海水魚』、p.718。
  2. ^ 矢野衛 「魚類の多様性と系統分類」『脊椎動物の多様性と系統』、p.52。
  3. ^ Watanabe, Y; Sato, K (2008). “Functional dorsoventral symmetry in relation to lift-based swimming in the ocean sunfish Mola mola. PloS ONE 3 (10): e3446. doi:10.1371/journal.pone.0003446. http://www.plosone.org/article/info:doi/10.1371/journal.pone.0003446. 
  4. ^ a b c Mola mola program: life history”. Large Pelagics Research Lab. 2011年8月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月28日閲覧。
  5. ^ Mola mola program: research results”. Large Pelagics Research Lab. 2011年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月28日閲覧。
  6. ^ 学者によれば「大きなマンボウなら確実に1m以上はジャンプできる」という。
  7. ^ 『動物分類学』、p.27。
  8. ^ Abe, Takuzo and Sekiguchi, Keiko and Onishi, Hiroji and Muramatsu, Kota and Kamito, Takehiko (2012). “Observations on a school of ocean sunfish and evidence for a symbiotic cleaning association with albatrosses”. Marine biology 159 (5): 1173-1176. http://www.oceansunfish.org/fulltext.pdf. 
  9. ^ Mola mola program: fishery”. Large Pelagics Research Lab. 2011年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月28日閲覧。
  10. ^ a b 村井貴史 「マンボウの飼育展示」『以布利 黒潮の魚』、pp.36-37。


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