マロン酸 マロン酸の概要

マロン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 10:05 UTC 版)

マロン酸
一般情報
IUPAC名 プロパン二酸 (propanedioic acid)
分子式 C3H4O4
分子量 104.1
形状 無色の固体
CAS登録番号 141-82-2
SMILES OC(=O)CC(=O)O
性質
密度 1.6 g/cm3, 固体
水への溶解度 139.0 g/100 mL (22 ℃) [1]
融点 135 °C
出典 ICSC 1085

性質

マロン酸は酢酸マロン酸経路を構成する物質の1つ。などの極性溶媒によく溶ける。

マロン酸のジエステル活性メチレン化合物で、塩基によってメチレンプロトンを引き抜き、簡単にカルバニオンを発生させることができるため、炭素炭素結合の形成に使用される。

生化学

マロン酸は構造がコハク酸 () によく似ているため、生物体内のクエン酸回路においてコハク酸デヒドロゲナーゼの活性部位に(誤って)結合してしまう。そのため本来の基質であるコハク酸の代謝を阻害し(競合阻害)、細胞呼吸を妨害する。

病理学

マロン酸値の上昇にメチルマロン酸値の上昇が伴う場合、代謝性疾患である複合マロン酸およびメチルマロン酸尿合併症(CMAMMA)の可能性がある。血漿中のマロン酸とメチルマロン酸の比率を計算することで、CMAMMAは古典的なメチルマロン酸尿症と区別することができる。[2]

脚注


  1. ^ Record 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース
  2. ^ de Sain-van der VeldenMonique G. M.; van der HamMaria; JansJudith J.; VisserGepke; PrinsenHubertus C. M. T.; Verhoeven-DuifNanda M.; van GassenKoen L. I.; van HasseltPeter M. 著、MoravaEva; BaumgartnerMatthias 編『A New Approach for Fast Metabolic Diagnostics in CMAMMA』 30巻、Springer Berlin Heidelberg、2016年、15–22頁。doi:10.1007/8904_2016_531ISBN 978-3-662-53680-3PMC 5110436PMID 26915364http://link.springer.com/10.1007/8904_2016_531 


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