マルチコア マルチコア・プロセッサの歴史

マルチコア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/22 22:47 UTC 版)

マルチコア・プロセッサの歴史

1999年IBMは商用サーバ向けプロセッサでデュアルコアのPOWER4を発表し、CPUのマルチコア化をリードした。2004年5月にはインテルが従来のPentium 4の高速版でシングルコアCPUの開発コード「Tejas」の開発中止を決定したことが伝えられた。同じ頃、AMDも同社の計画から次世代のK9・K10などシリーズ以降の高速版CPUの開発を全て中止した。なお現在[いつ?]では、K8シリーズをマルチコア化の強化という新たな方向性で製品化したものをK10としている。

2005年になって、AMDは当初から消費電力を抑えマルチコア化を見越したK8アーキテクチャの設計を行い、デュアルコア製品の提供を開始した。製品名はDual-Core OpteronAthlon 64 X2(のちにAthlon X2に改称)である。インテルは、マルチコアCPUの市場投入の出遅れをカバーするために、単純に2つのCPUのダイ (die) を1つのパッケージに封入したマルチコア・マルチダイ形式をとり、マルチコア・チップを早く出荷するというアプローチを取った。製品名ではPentium Dなど。近年[いつ?]では逆にAMDが設計の単純なマルチダイのOpteronチップを出荷する一方で、IntelはCPUコアのモジュール化によって派生ダイの製造を容易にし、リングバスの導入によりコア数の増減を容易にしているため、マルチダイの手段を取っていない。 また同じ2005年にはサン・マイクロシステムズはサーバ向けプロセッサUltraSPARC T1で8コアを実現した。

このほかPower Architecture系では、2006年リリースのCellが8コア[2]2010年リリースのPOWER7が8コアである。


  1. ^ a b インテル、メニーコア化への取り組みなど、研究活動に関する説明会を開催[リンク切れ], マイコミジャーナル, 2005年11月09日
  2. ^ 設計上は9コアが存在するが、うち1コアは歩留まり向上のための予備であり、出荷前に無効化されている。
  3. ^ Energy Aware Scheduling — The Linux Kernel documentation
  4. ^ ローカル・キャッシュを共有し合う機構とは、コアローカルなL2キャッシュとダイ共有のL3キャッシュの関係で、通常はスヌープしてローカルなL2キャッシュ間のコヒーレンシを確保する仕組みである。自分のコアのL2でmissして他のコアのL2にあれば、L3ではなく他のコアのL2をアクセスする仕組みを指す。コア数が増えるとダイ共有のL3では対応し切れなくなるためと推測される[独自研究?]
  5. ^ 製品仕様 インテル® Xeon Phi™ プロセッサー


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