ポルトガル語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/26 13:06 UTC 版)
文法
- 名詞と形容詞は性数一致する。複数形は他の西ロマンス語と同様、語末に -s または -es をつける。ただし -al, el など l で終わるものは -l を -is に変え、 -ais, -eis などにするが、-il はその語末音節に強勢があれば -is, なければ -eis となる。また -ão は基本的に -ões になるが、-ães または -ãos になるものもある。女性形はスペイン語と同様、男性形が -o に終わるものは -a に変え、子音で終わるものは -o をつける。-ão の女性形は -ã か -ona となる。-es や -a などを付加した結果音節が増えた場合、単数形にあったアクセント記号はなくなることがある。綴字 m による鼻母音で終わる語は、-ns になる。
- ポルトガルでは2人称代名詞としての親称 tu(単数)と vos(複数)が残っているが、ブラジルでは3人称の活用になる você(s) のみにほぼ代替されている。そのため、ブラジル式で勉強する場合、動詞の活用は各時制ごとに6つではなく4つ覚えればよい。ただし、2人称目的格の te は用いるなど、同じ相手に対して(文法上の)2人称と3人称の混同使用も見られる。また、ブラジル南部の移民はアルゼンチンなまりのためしばしば2人称単数代名詞として vos を用いる。
- 英語では be + 現在分詞で表現する現在進行形を、ブラジルでは estar + 現在分詞で表す。一方、ポルトガルでは estar a + 不定詞と言う。
- 例:Sandra está cantando.(ブラジル)、Sandra está a cantar.(ポルトガル)。意味はどちらも「サンドラは歌っている」
- ラテン語になかった接続法未来が存在する(この時制は中世ガリシア語、中世スペイン語では使用されたが、現在では一部の格言などに残っているだけで、日常生活では使わない)。
- 例:Liguem-me quando vocês chegarem à França.(きみたちがフランスに着いたら電話をしてくれ)
- 不定詞に人称語尾の付いた「人称不定詞」がある。規則動詞では接続法未来と同形である。
- 例:É natural ficarmos tristes após a morte do nosso melhor amigo.(われわれの最良の友人の死をわれわれが悲しむのは当然です)
ポルトガル語の分布 | |||
ポルトガル語の話される地域 | |||
国または地域 | 母語話者 |
話者 | 人口 (2005年) |
---|---|---|---|
アフリカ州 | |||
アンゴラ[表1 1][表1 2] | 60% | 約80% | 11,190,786 |
カーボベルデ[表1 3] | 4% | 72% | 418,224 |
ギニアビサウ[表1 4][表1 5] | 不明 | 14% | 1,416,027 |
モザンビーク[表1 1] | 9% | 40% | 19,406,703 |
サントメ・プリンシペ[表1 4][表1 3] | 50% | 95% | 187,410 |
赤道ギニア[表1 4][表1 3] | 50% | 95% | 523,040 |
ナミビア[表1 4][表1 6] | 20% | 20% | 2,030,692 |
南アフリカ共和国[表1 6] | 2% | 2% | 44,344,136 |
アジア州 | |||
日本[表1 7] | 0 | 0.21% | 127,214,499 |
東ティモール[表1 4] | 不明 | 15% | 1,040,880 |
中華人民共和国(マカオを含む) | 2% | 3% | 1,395,380,000 |
ダマン・ディーウ, インド[表1 4] | 10% | 10% | 不明 |
ゴア, インド | 3-5% | 5% | 不明 |
ヨーロッパ州 | |||
ポルトガル | 100% | 100% | 10,566,212 |
ルクセンブルク[表1 6] | 14% | 14% | 468,571 |
アンドラ[表1 7] | 4-13% | 4-13% | 70,549 |
フランス[表1 7] | 2% | 2% | 60,656,178 |
スイス[表1 7] | 2% | 2% | 7,489,370 |
アメリカ州 | |||
ブラジル | 98-99% | 100% | 194,000,000 |
パラグアイ[表1 7] | 7% | 7% | 6,347,884 |
バミューダ[表1 7] | 4% | 4% | 65,365 |
ベネズエラ[表1 7] | 1-2% | 1-2% | 25,375,281 |
カナダ[表1 7] | 1-2% | 1-2% | 32,805,041 |
オランダ領アンティル[表1 7] | 1% | 1% | 219,958 |
アメリカ合衆国[表1 7] | 0.5-0.7% | 0.5-0.7% | 295,900,500 |
注釈
- ^ a b c ブラジルでは「さようなら」の挨拶としては「Tchau.」をよく用いる。「Adeus.」はポルトガルでの「さようなら」の挨拶で、ブラジルでは永遠の別れを意味するので使用は控えたほうがよい。「Passe bem.」、「Fique bem.」は「ごきげんよう」といった挨拶で、ややフォーマル。「Até amanhã.」は直訳すると「明日まで」で、次も会うことが決まっている場合。「また来週」なら「Até semana que vem.」(直訳すると「来たる週まで」)。
- ^ Cabo Verdeは本来ポルトガル語 (緑の岬 の意味)だが、スペイン語でも同じCabo Verdeである。スペイン語、ポルトガル語両方ともCaboは"岬"、Verdeは"緑色の"という意味である。
出典
- ^ 「事典世界のことば141」p459 梶茂樹・中島由美・林徹編 大修館書店 2009年4月20日初版第1刷
- ^ “東外大言語モジュール|ポルトガル語”. www.coelang.tufs.ac.jp. 2020年9月7日閲覧。
- ^ “ブラジルで話されている「ブラポル語」豆知識 | 翻訳会社アークコミュニケーションズ”. www.arc-c.jp. 2020年9月7日閲覧。
- ^ Cruz-Ferreira (1995:91)
- ^ Sobre os Ditongos do Português Europeu. Carvalho, Joana. Faculdade de Letras da Universidade do Porto. ページ 20. 引用: A conclusão será que nos encontramos em presença de dois segmentos fonológicos /kʷ/ e /ɡʷ/, respetivamente, com uma articulação vocálica. Bisol (2005:122), tal como Freitas (1997), afirma que não estamos em presença de um ataque ramificado. Neste caso, a glide, juntamente com a vogal que a sucede, forma um ditongo no nível pós-lexical. Esta conclusão implica um aumento do número de segmentos no inventário segmental fonológico do português.
- ^ Bisol (2005:122). 引用: A proposta é que a sequencia consoante velar + glide posterior seja indicada no léxico como uma unidade monofonemática /kʷ/ e /ɡʷ/. O glide que, nete caso, situa-se no ataque não-ramificado, forma com a vogal seguinte um ditongo crescente em nível pós lexical. Ditongos crescentes somente se formam neste nível. Em resumo, a consoante velar e o glide posterior, quando seguidos de a/o, formam uma só unidade fonológica, ou seja, um segmento consonantal com articulação secundária vocálica, em outros termos, um segmento complexo.
- ^ http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/7405985.stm
- ^ http://www.afpbb.com/articles/-/2704072 「ポルトガル語圏で「ブラジル式」に表記統一へ、国民は混乱」 AFPBB 2010年03月02日 2015年6月20日閲覧
固有名詞の分類
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