ボツワナ
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地理
国土面積は世界44位。なお、国土の約17%が政府により指定保護区とされ、開発から手付かずで残されており、世界各国から観光客や研究者が訪れる。
ボツワナは南部アフリカの内陸に位置し、周縁を高地で囲まれ、海から数百キロメートル以上も隔たった内陸国であり、見渡す限りの平原が広がる盆地の中央部にある。また、位置は南緯18~27度であり、大部分が熱帯に属するが、海抜1000メートル前後と高いため、年平均気温は20~23度と温帯並みである。しかし、気温の変動幅は大きく、夏には酷暑日があるが、冬には氷点下まで下がる日がある。季節は、夏の雨季と冬の乾季とに二分される。雨季は11月に始まり、次の年の3月まで続く。乾季は5月から始まり9月まで厳しい乾燥の日が続く。このうちの6~8月が冬であり、晴天の日が続き、日中は暑く、夜は気温が急激に下がり、氷点下になることもある[17]。
北部にはサバンナ気候のためサバンナが覆うが、サバンナにもまばらに低木と草が茂って生えてるところがある。中西部の大半がカラハリ砂漠に覆われており、北には沼地地帯が広がる。多少の降雨があり、多くはステップ気候に分類される。南部はほぼ砂漠になっており、リンポポ川とモロポ川が南アフリカとの国境になっている。
なお、首都のハボローネをはじめとする都市部はオフィスビルも多く、各種交通やITなどのインフラストラクチャーが整っているものの、政府の自然保護政策を受けて多くの緑が残されている。
政治
共和制
ボツワナは政体に共和制を採用する立憲国家である。両院制の国会を持ち、現行憲法は1966年9月30日に公布された。
国家元首である大統領は、同時に行政府の長も兼ねる。議院内閣制をとっており[18]、大統領は国会により選出され、任期は5年。3選は禁止されている。副大統領および閣僚は大統領により任命される。首相職はない(独立前のベチュアナランド自治政府には1965年から1966年にかけて設置されていたが、独立とともに廃止された)。
議会
議会制民主主義が施行されており、立法府は一院制の国民議会である。63議席あり、57議席が国民の直接選挙、4議席が与党、2議席は大統領と司法長官により任命され、任期は5年である。なお、国民議会の諮問機関として、15議席の首長会議が設置されている。任期の定められていないツワナ族の伝統的な首長たち8名のほか、副首長などが5年任期で7名任命される。首長会議にはあくまで諮問機関としての権限しかなく、立法権は国民議会に存在する。
政情
ボツワナはアフリカでは数少ない、政情が継続して安定している国の一つである。複数政党制に基づく民主主義制が機能しており、独立以来クーデターや内戦は一度も起きたことがない。
1966年の独立以来、最大政党ボツワナ民主党(BDP)が政権を保っているが、ボツワナ国民戦線 (BNF) やボツワナ会議党 (BCP) といった右派、左派、中道の各政党が国民議会に議席を持ち、実質を持った野党として活動している。選挙制度は単純小選挙区制を建国以来採用している[19]。
国家安全保障
ボツワナ国防軍は陸軍と空軍によって構成されており、他に準軍事組織として警察の機動隊が存在する。徴募制度は志願制。内陸国の為海軍は保有しておらず、河川、湖沼を哨戒する軍事的組織も保有していない。3つの組織を合わせた総兵力は10,500人。
ボツワナは、軍事に関する公式の予算書の入手が困難な国である。2018年11月、ストックホルム国際平和研究所はサハラ砂漠以南地域のアフリカ諸国における軍事費の透明性について報告したが、ボツワナは「フランスやスイスから武器を購入して軍事費が急増しているが、国家としての防衛政策や武器調達に関する政府の情報が欠落しており、透明性が悪化している」と報告している[20]。
- ^ a b “UNdata”. 国連. 2022年8月19日閲覧。
- ^ a b c d e “World Economic Outlook Database, October 2021” (英語). IMF (2021年10月). 2021年11月2日閲覧。
- ^ a b c d e f g h ボツワナ基礎データ | 外務省
- ^ “ボツワナ共和国|東京都立図書館”. 東京都立図書館. 2023年9月30日閲覧。
- ^ 浦野義人「考古遺跡――今を生きる文化遺産」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、192-197頁。
- ^ 池谷和信「首長国の誕生と変貌――19世紀のツワナ人」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、202-206頁。
- ^ 池谷和信「アフリカーナーの移住とハンシーの牧場――カラハリ砂漠の白人マイノリティ」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、213-216頁。
- ^ 北川勝彦「植民地化と鉄道建設――植民地分割に翻弄される内陸国」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、207-208頁。
- ^ 北川勝彦「植民地化と鉄道建設――植民地分割に翻弄される内陸国」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、208-209頁。
- ^ 北川勝彦「植民地化と鉄道建設――植民地分割に翻弄される内陸国」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、209頁。
- ^ 北川勝彦「植民地化と鉄道建設――植民地分割に翻弄される内陸国」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、210頁。
- ^ 北川勝彦「植民地化と鉄道建設――植民地分割に翻弄される内陸国」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、210-211頁。
- ^ 星昭、林晃史『アフリカ現代史I──総説・南部アフリカ』 山川出版社〈世界現代史13〉、東京、1988年8月20日、初版第三刷、238頁。
- ^ 星昭、林晃史『アフリカ現代史I──総説・南部アフリカ』 山川出版社〈世界現代史13〉、東京、1988年8月20日、初版第三刷、238-239頁。
- ^ 鈴木哲夫/沼田安功「ボツワナにダイヤモンドあり――世界に誇るダイヤモンド生産国」『ボツワナを知るための52章』池谷和信編著、明石書店〈エリア・スタディーズ99〉、東京、2012年5月31日、初版第1刷、244-248頁。
- ^ 星昭、林晃史『アフリカ現代史I──総説・南部アフリカ』 山川出版社〈世界現代史13〉、東京、1988年8月20日、初版第三刷、239頁。
- ^ 門村浩「暑くて寒い気候」/ 池谷和信編著『ボツワナを知るための52章』 明石書店 2012年 28–29ページ
- ^ 「民主主義対民主主義 多数決型とコンセンサス型の36カ国比較研究(原著第2版)」p93 アレンド・レイプハルト著 粕谷祐子・菊池啓一訳 勁草書房 2014年6月20日原著第2版第1刷発行
- ^ 「民主主義対民主主義 多数決型とコンセンサス型の36カ国比較研究(原著第2版)」p113 アレンド・レイプハルト著 粕谷祐子・菊池啓一訳 勁草書房 2014年6月20日原著第2版第1刷発行
- ^ “サハラ以南アフリカ諸国、軍事費の透明性拡大”. 『産経新聞』. (2018年11月19日) 2018年11月26日閲覧。
- ^ a b c On the scene 現場を旅する(38)Caborone ハボローネ、国債格付け上位の国の現実『朝日新聞GLOBE』2013年1月6日~19日号(8面)。
- ^ ボツワナ発言を撤回、陳謝/平沼経産相四国新聞ニュース(2002年6月18日配信)2019年3月30日閲覧。
- ^ 『朝日新聞』2012年11月7日朝刊24面
- ^ 在ボツワナ日本国大使館, 『日本経済新聞』2010年4月30日夕刊1面
- ^ Yonhap News Agency (2002). North Korea Handbook. Seoul: M. E. Sharpe. p. 967. ISBN 076-563-523-2 (英語)
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- ^ “World Economic Outlook Database, October 2018” (英語). IMF (2018年10月). 2018年12月13日閲覧。
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- ^ a b “World Development Indicators Online (September 2018)” (英語). 世界銀行 (2018年9月). 2018年12月13日閲覧。
- ^ a b ジェームズ・カーバイ (2016年9月29日). “ボツワナ独立50年──アフリカ型成功モデルの終焉?”. 『ニューズウィーク』 2018年11月4日閲覧。
- ^ 1109カラットのダイヤモンドがなぜ売れなかったか GIAホームページ(2016年7月15日)2017年3月20日閲覧
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- ^ 『アフリカを知る事典』、平凡社、ISBN 4-582-12623-5 1989年2月6日 初版第1刷 p.379
- ^ 「データブック オブ・ザ・ワールド 2018年版 世界各国要覧と最新統計」p285 二宮書店 平成30年1月10日発行
- ^ a b c Botswana, The World Factbook, CIA, last updated on March 4, 2010. ISSN 1553-8133
- ^ http://www.avert.org/professionals/hiv-around-world/sub-saharan-africa/botswana
- ^ What’s in a Female Doctor’s last name?, Weekend POST, 22 Jan, 2018.
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