ベルベル語派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 15:06 UTC 版)
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ベルベル語派 | |
---|---|
話される地域 | 北アフリカ(主にモロッコ、アルジェリア) |
言語系統 | アフロ・アジア語族
|
下位言語 | |
ISO 639-2 / 5 | ber |
ISO 639-5 | ber |
Glottolog | berb1260[1] |
アフロアジア語族の分布(赤色がベルベル諸語) |
概要
モロッコ、アルジェリアともアラビア語を重要視する政策をとるため、ベルベル語派の言語の話者は辺鄙な山間部の村などに多く、家庭の中でしか話さないこともある。しかし、アラビア語が広まる以前には、北アフリカで幅広く話されていた。
古代のヌミディアで使われたヌミディア語はおそらくベルベル語派に属すると言われている。チュニジア・アルジェリア・モロッコに紀元前2世紀ごろの碑文が1000以上残されているが、充分に解読されていない[2]。
モロッコで話されるベルベル語派の言語には、タリフィート(リーフ語)、タマジグト(中央アトラス・アマジグ語)、タシュリヒート(シルハ語)の3つの言語がある。タリフィートは北モロッコのリーフ地方、タマジグトは中央モロッコ、タシュリヒートは大アトラス山脈で話される。アルジェリアの主要な言語はカビル語であるが、シャウィーア語など、それ以外の言語もある。トゥアレグ語はアルジェリア・マリ・ニジェールで話される。より小さな言語がチュニジア、リビア、エジプト、モーリタニアで話されている。カナリア諸島で話されていたグアンチェ語は16世紀に消滅したが、おそらくベルベル語派の言語だった[2]。
ベルベル語派の言語の話者は「ベルベル語」という呼称を一般に好まない。これはベルベルがギリシャ語で「言葉がわからない人」を意味するバルバロイから由来することによる。今日ヨーロッパ諸国で比較的よく用いられる言い換えは、本来北モロッコで話されるベルベル語を意味するタマジグト(タマズィグト)である。特に北部ベルベル語を指すときにはこの表現が好んで用いられる。
発話例
北アフリカ諸国ではベルベル語派の言語の話者を公式の人口統計で集計していないため、正確な話者人口を知ることは困難である。ベルベル語派の言語の話者はモロッコ、アルジェリアのほか、中央アフリカ諸国、エジプト、フランスなどに住む。1952年の A. バセットの概算によれば、全世界で約550万人である。1996年のジョン・A・グライムズの推計によるとベルベル語派の主要な7言語の合計は860万人ほどである[3]。
下位分類
- ^ Hammarström, Harald; Forkel, Robert; Haspelmath, Martin et al., eds (2016). “Berber”. Glottolog 2.7. Jena: Max Planck Institute for the Science of Human History
- ^ a b John Huehnergard (2004). “Afro-Asiatic”. In Roger D. Woodard. The Cambridge Encyclopedia of the World's Ancient Languages. Cambridge University Press. pp. 138-139. ISBN 9780521562560
- ^ Berber Language Page, African Languages at Michigan State University, オリジナルの2010-04-20時点におけるアーカイブ。
- 1 ベルベル語派とは
- 2 ベルベル語派の概要
- 3 他の言語からの影響
- 4 外部リンク
- ベルベル語派のページへのリンク