プロメーテウス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/16 06:47 UTC 版)
プロメーテウス(古代ギリシャ語: Προμηθεύς、Promētheús [ pro.mɛː.tʰeú̯s])は、ギリシア神話に登場する男神で、ティーターンの一柱である。イーアペトスの子で、アトラース、メノイティオス、エピメーテウスと兄弟[1][2]、デウカリオーンの父[3]。ゼウスの反対を押し切り、天界の火を盗んで人類に与えた存在として知られる。また人間を創造したとも言われる[4]。日本語では長音を省略してプロメテウスと表記するのが一般的である。ヘルメースと並んでギリシア神話におけるトリックスター的存在であり、文化英雄としての面を有する。
注釈
- ^ 肉と内臓を胃袋で包み皮の上に置いたとも[12]。
- ^ 『神統記』では、ゼウスはプロメーテウスの考えを見抜き、不死の神々にふさわしい腐る事のない骨を選んだことになっている[12]。
- ^ ヘーリオスの戦車の車輪から火を採ったともいわれる[13]。
- ^ このことから「プロメテウスの火」はしばしば、原子力など、人間の力では制御できないほど強大でリスクの大きい科学技術の暗喩として用いられる。 これに関連して、1975年にアメリカの小説家、トーマス・N.スコーシアとフランク・M.ロビンソンが『プロメテウス・クライシス』("The Prometheus Crisis")を著した。
- ^ ただし刑期については諸説ある
出典
- ^ a b ヘーシオドス『神統記』507行-511行。
- ^ a b アポロドーロス、1巻2・3。
- ^ アポロドーロス、1巻7・2。
- ^ アポロドーロス、1巻7・1。
- ^ アイスキュロス『縛られたプロメーテウス』210行。
- ^ 『イーリアス』14巻295行への古註(カール・ケレーニイ『プロメテウス』p.61、99)。
- ^ 『オデュッセイア』10巻2行への古註。
- ^ ヘーシオドス断片5(『オデュッセイア』10巻2行への古註)。
- ^ アクーシラーオス断片33(『オデュッセイア』10巻2行への古註)。
- ^ アイスキュロス『縛られたプロメテウス』560。
- ^ ヘーシオドス断片3。『名婦列伝』1巻(ロドスのアポローニオス『アルゴナウティカ』3巻1086行への古註)。
- ^ a b 『ヘシオドス 全作品』126頁。
- ^ a b フェリックス・ギラン『ギリシア神話』青土社新装版1991年、36頁。
- ^ ヒュギーヌス、31話。
- ^ 高津春繁『ギリシャ・ローマ神話辞典』岩波書店、1960年、224頁。全国書誌番号:60006167。
- ^ 里中満智子『マンガ ギリシア神話1 神々と世界の誕生』 中央公論新社 1999年、160,163頁。
- ^ 芝崎みゆき『古代ギリシアがんちく図鑑』 バジリコ、56頁。
- ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』225頁。
- 1 プロメーテウスとは
- 2 プロメーテウスの概要
- 3 概説
- 4 系図
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