プリインストール プリインストールソフトとパソコン本体価格

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プリインストール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/04 15:58 UTC 版)

プリインストールソフトとパソコン本体価格

各プリインストールソフトの価格は、市販ソフトの体験版など例外もあるが、基本的にパソコンの本体価格に上乗せされているため、販売価格が割高になる。特に、OSやオフィススイートの種類(グレード)は価格を大きく左右する。

直販メーカーが販売するパソコン製品や(場合によっては自作パソコンも)大手メーカー製と比較して安価なのは、プリインストールソフトが少ないことと、キーボードマウスディスプレイプリンターなどの周辺機器を別売としていることも理由の一つである(パソコンの動作に最低限必要なOSとデバイスドライバのみのインストールで済ませる機種もある)。

大手メーカーでも、プリインストールするソフトウェアを大幅に削減し、価格を抑えたモデルを販売する例がある。例えばIBMが1995年より発売していた家庭向けパソコンブランドのAptivaシリーズは、プリインストールのみならず同梱ソフトウェアを大量(最盛期の1996年には50タイトルを超える)に付属することで、他社製品にない付加価値と利便性をアピールしたが、やがてパソコンがコモディティ化と共に低価格競争に突入、またユーザーの指向もインターネット接続の端末とする形の利用が定着すると、不要なソフトウェアの存在が他社製品との競争で不利になったため、次第にプリインストールを切り捨てる形でコストダウン、最終モデルでは7-8タイトルにまで減らされた[2]という。

ビジネスモデルとプリインストール

法人向けとして販売されている、いわゆる「ビジネスモデル」と呼ばれる機種では、本体価格をできる限り低価格に抑えるため、また業務で使う他のアプリケーションとの競合を回避したり、セキュリティポリシー上で利用が制限されるソフトウェアも出るなどの理由から、プリインストールソフトウェアは極力省かれる傾向にある。

これらの機種ではOSと必要最低限のソフトウェア(デバイスドライバ・オフィススイートアンチウイルスなど)しかインストールされていない機種が主流で、また、印刷媒体のマニュアル(取扱説明書)は管理責任者のみが参照する必要性しかないため、各々の本体には電子マニュアルやオンラインヘルプおよびサポート資料が電子データとしてプリインストールされるのみである。この電子マニュアル類は閲覧にAdobe ReaderなどPDFビュアー(表示ソフトウェア)を必要とするため、これも標準的にプリインストールされているものも多い。

なお、オフィススイートなど業務で求められるアプリケーションソフトウェアについては「一企業・一団体の範囲で、一定の台数までインストールを認める」ボリュームライセンスといった一括導入形式でのライセンス(ソフトウェアの利用権)購入してあることが多く、この場合には各々にライセンスが付属しているプリインストールソフトウェアのほうが割高となる傾向もあり、その意味でもユーザーが何を求めるかも様々に異なる関係で、プリインストールソフトウェアは邪魔となる傾向がある(コストダウンとオープンドキュメントへの対応から、OpenOffice.orgLibreOfficeなどで代用することもある)。

数十台以上の一括導入を行うようなユーザーで、OSのボリュームライセンス権を持つユーザーの場合は、ハードウェアだけを調達し、PXEを使用したネットワーク経由でのOS・アプリケーションの展開を行う場合もある。

特に企業ユーザーでは、最新のソフトウェアに可能性として存在するセキュリティホールを忌避する関係から、ある程度「枯れた」(製品としては古いが、問題が出きってあらかた改善されている)古いバージョンのソフトウェア製品をセキュリティポリシーから選択する場合もあり、この部分もビジネスモデルに潤沢なプリインストールソフトウェアが求められない一因となっている。

クラップウェア

プリインストールソフトウェアは、製品であるコンピュータを使うユーザーに何がしかの利便性を与えたり、またアプリケーションソフトウェアメーカーが提供する試供品的な宣伝媒体ともなりうるが、その一方でユーザーが望まない、あるいは導入されていることでユーザーに不便(マシンリソースを浪費したりブートに時間が掛かるようになったりする)を強いるものも存在する。これらは、一種の宣伝として機能するため、コンピュータメーカーに(ソフトウェアメーカーからの)収入が発生するために導入されているという[3]

これらの不要なソフトウェアはクラップウェア: crapware・意訳すると「ごみウェア」とも[4])と呼ばれ、プリインストールの形で、ともすればオペレーティングシステムに深く組み込まれた形でメーカー製パソコンなどに含まれているが、この中にはスパイウェア的な挙動でユーザーに不信感を与えるものすら存在する[5]

こういったソフトウェアは、従来パソコンなどに顕著な問題であったが、近年では高度化しアプリケーションソフトウェア実行環境を備えるスマートフォンにも広まりを見せている[6]。スマートフォンにおいては、システム組み込みで容易に除去できず、アンインストールの手段が十分に提供されていないため、問題視されている。




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