ブルベ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 19:27 UTC 版)
装備
- 自転車
- 車種は、公道の走行に法的な問題がなく、人力のみを動力とするものであれば何でも良い[14]。殆どのサイクリストはロードバイクかランドナーのようなツーリングバイクを使用するが、リカンベントやベロモービル、タンデム自転車による参加も見られる[3]。
- 前照灯
- 夕方から明け方まで点灯可能なもので、走行距離が400km以上になる場合は2つ以上の設置が義務[14]。
- 尾灯
- 夕方から明け方まで点灯可能で、常時点灯タイプのもの[15]。
- ベル
- 道路交通法においても、軽車両に分類されることから装着が義務[16]。
- ヘルメット
- ヘルメットはフランスの道路交通法上必須とされていないので、BRMとしては必須装備ではない。しかし、日本のローカルルールとしてヘルメットの装備を必須とされている。400km以上の場合にはヘルメットに尾灯の装着も義務になり、車体の尾灯に関しては点滅は認められていないが、ヘルメットの尾灯の場合には点滅も認められている[17]。
- 反射ベスト
- すべての走者は反射ベスト、反射たすき、反射肩掛けベルトなど、前後の見えやすい位置に反射素材がついた同等のものを着用することが義務となる[17]。
走行距離と認定
ACP管轄のBRMにおける距離ごとの制限時間は、次の通りである[5]。
- 200km:13.5時間
- 300km:20時間
- 400km:27時間
- 600km:40時間
- 1000km:75時間
伝統的なBRMの距離は200km、300km、400km、600kmである[3][9]。
シューペル・ランドヌール
Super Randonner(SR)(シューペル・ランドヌール(仏))。フランス語であり、英語圏ではスーパー・ランドナーと呼ばれる。SRと省略されることが多い。1年度内(11月から翌年の10月までの期間)にBRMの200km, 300km, 400km, 600kmを完走した者に与えられる称号。SRはあくまでも称号であり認定ではないが、SRになった記念としてメダルを購入することができる。パリ・ブレスト・パリ(後述)に参加するための必須条件でもあり、パリ・ブレスト・パリに参加するためには、開催年度の11月から6月までの期間中にSRに準じた認定を受けなければならない[18]。
ランドヌール5000
4年間に合計5000kmの認定を受けるとACPによって「ランドヌール5000」(Randonneur 5000)に認定される[11]。5000kmの中には、フレッシュ、PBP、200-300-400-600-1000kmのBRMが、コンプリートで含まれている必要がある。2013年1月の時点で、世界で1961人が認定を受けている。うち71人が日本人である[11]。
ランドヌール10000
ランドヌール5000の認定が設けられて50年を記念してACPによって創設された認定で、6年間で10000kmの距離を認定された方を特別表彰するもの。10000kmとして当てることができるサイクルイベントは、細かく取り決めがある。ただし、その期間内に下記の条件を満たす必要がある。
- 200km、300km、400km、600km、1000kmの認定BRMを各2回以上出場し認定されていること(長距離のブルベを短距離のブルベの認定に充当することはできない)。
- PBPの1200kmを走り認定されること(PBPは4年毎なので、6年間に開催される回数は1回ないし2回)。
- PBP以外のRM(Randonneurs Mondiaux)認定の1,200km以上のBRMを1回
- Fleche Velocio(日本の場合は、Fleche Japon)に参加し認定されていること。
- シューペル・ランドネ600のランドヌール部門の認定を受けていること。
その他のブルベ
ルート・エヌ
日本に最初に本格的に導入された日本独自のブルベ。シューペル・ランドネなどと同じく一種の常設(パーマネント)ブルベであったが、当時は現在のAJのような永続的に存在する事務局があるわけではなく、各年度ごとに実行委員会が立ち上げられ、事務局に申し込むスタイルだった。
日本にBRMが導入されていく時期、当初の事務局はBRMとルート・エヌ双方を扱っていたが、RJ立ち上げの際にBRMのみを専門に扱ったため、ルート・エヌ取り扱いの事務局が分離、ルート・エヌは衰退して自然消滅した。
フレッシュ
チームで走行するブルベ。フレッシュはフランス語(Flèche)で「矢」を意味し、英語圏では同じく矢を意味する「アローズ」という。国によって細則が異なるが、日本では3台以上5台以下の自転車で出発し、24時間以内に360km以上を走行しなければならない。ゴールできた台数が3台未満だと、そのチームは失格となる。コースはチームによって自由に設定できるが、各チェックポイント間は最短距離で結ばなければならず(例えばルート上に急峻な峠があっても迂回することができない)、また22時間目から24時間目までの2時間で25km以上走行しなければならない。出発地点、スタート時間もまちまちであるが、ゴール地点は同じ地域に設定される。ゴール後に完走できたメンバーが集まり、再会を祝ったのがそもそもの始りであり、それに倣ってゴール後はパーティーが開催される[19]。
シューペル・ランドネ600
Super Randonnées600(SR600)と呼ばれる常設(パーマネント)山岳ブルベ[8]。通年で設定されている全長600kmのコースを、好きな日時・時間に走行する事が出来る。コースには難易度を含めて設定の基準があり、主催者か考えたルートがACPによって認定される。獲得標高も10000m以上が要求される。50時間という制限時間が設けられている「ランドヌール部門」と、制限時間がない「ツーリスト部門」に分かれている[8]。スタート地点、チェックポイント、ゴールは無人であり、多くの場合はモニュメントと自転車を一緒の写真に撮るなどの指定された方法で通過の確認が行われる[8]。
AJ Permanent
AJに登録している団体が実施し、AJが認定するAJ内のローカルブルベ。
シューペル・ランドネなどと同じ常設(パーマネント)ブルベだが、その他のブルベと異なりAJ会員登録しないと参加申込できない。
注釈
出典
- ^ a b ランドヌール Vol.1 P.8
- ^ a b c d e 銀輪、躍る北関東400キロ 4市に休憩地、名産を堪能 “ブルベ”走行会 /群馬県 朝日新聞 2015.05.24 東京地方版/群馬 27頁 群馬全県 写図有(全1,180字)
- ^ a b c d e f ランドヌール Vol.1
- ^ a b 長距離走るサイクリング競技*「ブルベ」の魅力広めたい*有志が愛好団体設立*11、12日300キロ走行しPR 2004.09.03 北海道新聞 朝刊地方 31頁 札C(全730字)
- ^ a b ランドヌール Vol.1 P.9
- ^ a b c d 自転車の長距離ツーリングに認定制度が発足 時間は参加者が自己申告 読売新聞 1995.10.27 東京朝刊 21頁 写有(全1,236字)
- ^ ランドヌール Vol.4 P.11
- ^ a b c d e ランドヌール Vol.4 P.5
- ^ a b c 潮流 報道部長・下山克彦 「ブルベ」の魔力 2014年08月14日 中国新聞 朝刊 広場(全748字)
- ^ ランドヌール Vol.4 PP.14-18
- ^ a b c d e サイクリングで長距離走破 4年5000キロ世界認定 三田の弓場さん 日本では71人のみ 神戸新聞 2013年02月26日 朝刊 30頁 淡路W(全792字)
- ^ ランドヌール Vol.1 P.10
- ^ a b c d e f g シクロツーリスト Vol.6 P.76
- ^ a b ランドヌール Vol.3 P.8
- ^ ランドヌール Vol.3 P.16
- ^ ランドヌール Vol.3 P.18
- ^ a b ランドヌール Vol.3 P.42
- ^ a b ランドヌール Vol.1 P.11
- ^ Audax Japan : Fleche Japon 規定
- ^ Tony Farrelly (2009年4月22日). “London-Edinburgh-London: Britain's toughest bike ride needs your help!”. road.cc. 2016年1月4日閲覧。
- ^ 1001miglia 公式ページの参加リスト
- ^ MGMの公式ページ
- ^ CYCLE SPORTS(サイクルスポーツ) 2017年12月号 2017年10月20日発売 八重洲出版
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