ブルベ ブルベの概要

ブルベ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 19:27 UTC 版)

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ブルベのスタート風景。ブリーフィング中
長時間におよぶブルベでは夜間走行が伴う

ACP(Audax Club Parisien)が規定するBRM(Brevets de Ranndonneurs Mondiaux)というブルベが最も有名であるが、他にもUnion des Audax Français(UAF)が規定するBrevet UAF(BUAF)など、様々のブルベが存在する。

概要

ブルベカードへの記入例(左)、チェックポイントに指定されたコンビニエンスストア(右)

参加者は事前に公表されている通常200kmから1400kmのルートに従って走行し、指定されたPCと呼ばれるチェックポイント[注釈 1]を通過してゴールを目指す[3]。タイムは計測されるが、順位は公表されない[4]。制限時間は、努力は要するものの無理のない、おおよそ平均時速15km程度で走れるように設定されている[5]。途中で休憩したり、宿泊したり、観光したり、寄り道をするのも自由であるが、各PCには通過時間が設定されており、それよりも遅くても速くても認定を受けることは出来ない。PCの通過証明には、コンビニエンスストアのレシートや、地名が記された看板の写真などが使用される[6]

規定の距離を制限時間内に走るなどの基準をクリアするとコース完走の認定を受けることができ、更に任意で認定メダルを購入する事ができる[1]。メダルのデザインはPBPに合わせて、4年毎に変更される[3]。また、体力の問題やマシントラブルなど何らかの理由で棄権する場合は、DNF[注釈 2]を宣言できるが、その場合も主催者による回収はないので、自力で何らかの手段を取って帰宅する必要がある[7]。走行中の事故や受傷についても自己責任となり、主催者は基本的にボランティアでイベント開催に関する責任は負わない[8]。そのため参加費用も安価に設定されている[8]

スタートする時間は通常指定されており、通常その時間より30分以内にスタートできない場合は非認定となるが[3]、通年設定されたパーマネントコースではスタート時間が任意のこともある。任意スタートでない場合、スタート直前に車検が実施され、安全装備などが確認される[3]

他の参加者とスピードを競う必要はない。しかしチェックポイントやゴールの制限時間は決まっているので、体力だけでなく、途中の休憩や仮眠の取り方、機材の使いこなし、トラブルへの対処など、知識と経験も重要な要素になる[9][10]。夜間の走行、過酷な環境での走行、睡魔との闘いなど、非日常を楽しむことができ、そこにブルベの魅力があるとされる[9][11]

組織と用語

  • RM(ランドヌール・モンディオ) - ブルベの世界組織
  • ACP(オダックス・クラブ・パリジャン) - パリの自転車組織、BRMを創設。RM加盟組織。PBPを開催。
    • BRM(ブルベ・ド・ランドヌール・モンディオ) - ACPが規定するブルベ
  • ブルベ・ジャポン実行委員会 - オダックス・ジャパン(AJ)の前身の1つ。「ルート・エヌ」「BRM」を取り扱っていた。年度ごとに企画されるイベントカレンダー単位で組織され「ブルベ・ジャポン2003実行委員会」を最後に活動を終了して、RJ/AJへと移行した。
  • スターバイクジャパン - 日本へのブルベを導入を計った中心人物たちが所属していたサイクリング事務所。「とれとればいく」「ルート・エヌ」「PBPブルベ(BRM)」などを企画主導した。日本で初めてBRMを運営したのはブルベ・ジャポン及び継承団体であるRJだが、実際にフランスに出向いてACPと契約していたのはスターバイクジャパンであったため、対外的には日本のACP Representativeはスターバイクジャパン代表であった。ブルベ・ジャポンのRJ移行時にその他の国内BRM運営陣と決裂し、BRMとの関わりを失った。
  • RJ(ランドヌール・ジャポン) - オダックス・ジャパンの前身の1つ。「ルート・エヌ」は取り扱わず「BRM」を専門に取り扱った。内部分裂により一部がオダックス・ジャパンに移行。日本の開催認定権はRJ代表からAJ会長に移譲された。
  • AJ(オダックス・ジャパン) - RM加盟組織。日本国内のBRM執行責任を負うACP Representativeの選出を行う(AJ会長)。AJ会長の所属組織として、ACPに認証されたBRMの日本開催を統括、あるいは自ら主催し、ACPが認定を行う。実際は日本からAJとACPに登録している主催クラブの認定仲介団体である。2019年現在、最初期にブルベ・ジャポン実行委員会がBRMを直接運営していた例があるのみで、BRMをAJが自ら主催したことはない。(諸外国では統括組織の直営BRMも実施されている国もある)
  • ACP Representative(オダックス・クラブ・パリジャン レプレゼンタティブ) - ACPと契約を交わした各国代表。当該国のすべてのBRMに対して統括する権限と責任を負う。原則として各国に1名のみ置かれ、あとから別契約が交わされると前任者は退任になる。任期は無期限だが、日本の場合は一般社団法人オダックスジャパンの代表理事(AJ会長)が就任する取り決めになっているため、日本の法律の定めにより2年ごとの理事改選の結果、代表理事が交代するとACP Represetativeも自動的に交代する。
  • 主催者/主催クラブ/Organizer(オーガナイザー) - BRMを実際に開催するクラブまたはその代表者。必ずしも毎年開催する必要はなく、BRM以外のイベントを実施していることもある。BRM以外のイベントのために別の連盟にも加盟しているクラブもある。BRM開催をやめてしまったクラブ、また再開したクラブも存在する。全世界すべての主催クラブは自国のACP Representativeを通じてACPに認定を受けることで、BRM認定を取得する。ACPもAJも主催クラブの1つでもある。

注釈

  1. ^ 英語のCheck Pointであれば略称はCPだが、ブルベはフランス発祥なのでフランス語のPoint de Controle(ポワン・ド・コントロル)の略称PCが用いられる。
  2. ^ Did Not Finish、完走せず(途中棄権)の意味。
  3. ^ 当時ACP自体に新規参加のルールが規定されていなかったため。特別扱いとは言え同年のSR資格取得は必要とされた

出典

  1. ^ a b ランドヌール Vol.1 P.8
  2. ^ a b c d e 銀輪、躍る北関東400キロ 4市に休憩地、名産を堪能 “ブルベ”走行会 /群馬県 朝日新聞 2015.05.24 東京地方版/群馬 27頁 群馬全県 写図有(全1,180字)
  3. ^ a b c d e f ランドヌール Vol.1
  4. ^ a b 長距離走るサイクリング競技*「ブルベ」の魅力広めたい*有志が愛好団体設立*11、12日300キロ走行しPR 2004.09.03 北海道新聞 朝刊地方 31頁 札C(全730字)
  5. ^ a b ランドヌール Vol.1 P.9
  6. ^ a b c d 自転車の長距離ツーリングに認定制度が発足 時間は参加者が自己申告 読売新聞 1995.10.27 東京朝刊 21頁 写有(全1,236字)
  7. ^ ランドヌール Vol.4 P.11
  8. ^ a b c d e ランドヌール Vol.4 P.5
  9. ^ a b c 潮流 報道部長・下山克彦 「ブルベ」の魔力 2014年08月14日 中国新聞 朝刊 広場(全748字)
  10. ^ ランドヌール Vol.4 PP.14-18
  11. ^ a b c d e サイクリングで長距離走破 4年5000キロ世界認定 三田の弓場さん 日本では71人のみ 神戸新聞 2013年02月26日 朝刊 30頁 淡路W(全792字)
  12. ^ ランドヌール Vol.1 P.10
  13. ^ a b c d e f g シクロツーリスト Vol.6 P.76
  14. ^ a b ランドヌール Vol.3 P.8
  15. ^ ランドヌール Vol.3 P.16
  16. ^ ランドヌール Vol.3 P.18
  17. ^ a b ランドヌール Vol.3 P.42
  18. ^ a b ランドヌール Vol.1 P.11
  19. ^ Audax Japan : Fleche Japon 規定
  20. ^ Tony Farrelly (2009年4月22日). “London-Edinburgh-London: Britain's toughest bike ride needs your help!”. road.cc. 2016年1月4日閲覧。
  21. ^ 1001miglia 公式ページの参加リスト
  22. ^ MGMの公式ページ
  23. ^ CYCLE SPORTS(サイクルスポーツ) 2017年12月号 2017年10月20日発売 八重洲出版





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