ピリジン 物性

ピリジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/04 18:23 UTC 版)

ピリジン
識別情報
CAS登録番号 110-86-1 
PubChem 1049
ChemSpider 1020 
UNII NH9L3PP67S 
EC番号 203-809-9
KEGG C00747 
ChEMBL CHEMBL266158 
特性
化学式 C5H5N
モル質量 79.1 g mol−1
外観 無色の液体
密度 0.9819 g/cm3, 液体
融点

-41.6 °C, 232 K, -43 °F

沸点

115.2 °C, 388 K, 239 °F

への溶解度 混和性
蒸気圧 18 mmHg
酸解離定数 pKa 5.25,[1][2] (C5H5NH+ の酸性度)
屈折率 (nD) 1.50920 (20 °C)
粘度 0.88 mPa s
双極子モーメント 2.2 D[3]
危険性
EU分類 Flammable (F)
Harmful (Xn)
NFPA 704
3
3
0
Rフレーズ R20 R21 R22 R34 R36 R38
引火点 21 °C , 294 K
関連する物質
関連するアミン ピコリン
キノリン
関連物質 アニリン
ピリミジン
ピペリジン
出典
ICSC
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ピリジン (pyridine) は化学式 C5H5N、分子量 79.10 の複素環式芳香族化合物のアミンの一種である。ベンゼンに含まれる6つの C−H 構造のうち1つが窒素原子に置き換わった構造をもつ。融点 −41.6℃、沸点 115.2℃。 腐り果てた魚のような臭いを発する液体である。

石油に含まれるほか、誘導体(ピリジンアルカロイド)が植物に広範に含まれる。ニコチンピリドキシンなどもピリジン環を持つ。酸化剤として知られるクロロクロム酸ピリジニウム (PCC) の原料として重要。また有機合成において溶媒として用いられる。

消防法による危険物(第四類 引火性液体、第一石油類(水溶性液体)(指定数量:400L))に指定されており、一定量以上の貯蔵には消防署への届出が必要である。

人間の皮膚と接触するとメラニンと反応を起こし黒く色素沈着を残すため保護手袋での取り扱いが必要である。

物性

瓶に入ったピリジン

ベンゼンとよく似た構造を持ち、ピリジンの窒素原子はsp2混成している。窒素原子は芳香族π共役系に 1電子を提供しており、炭素から提供された 5電子をあわせると 6電子となりヒュッケル則を満たすため、芳香族としての性質を示す。

ピリジンはベンゼンと同じように無極性溶媒に容易に溶けるが、極性溶媒であるにも溶ける。これはピリジンの窒素原子が水と水素結合を形成して溶媒和するためである。 窒素は炭素と比べて電気陰性度が高いため、分子内で窒素原子がわずかに負電荷を、残りの部分は陽電荷を帯び極性が生じていることも、極性溶媒に溶ける大きな要因である。

ピリジンはアミン類と同様に塩基性を示す。しかしその塩基性はアミンと比べてきわめて弱い。これは窒素原子の混成の差によるものである。

反応

ピリジンは酸と反応して塩を作る。これはピリジニウム塩と総称される。塩化水素とは以下のように反応し塩化ピリジニウムとなる。





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