パラグライダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/07 17:03 UTC 版)
安全性
道路交通事故 | 9.1×10-3 |
山登り | 5.0×10-6 |
船舶事故 | 1.4×10-6 |
モーターボート | 3.5×10-7 |
パラグライダー | 2.0×10-7 |
航空機事故 | 1.8×10-7 |
スクーバーダイビング | 7.8×10-8 |
ハンググライダー | 4.7×10-8 |
JHFによると、1994年から5年間の死亡事故は平均で年1~6件。事故の起きるタイミングは多い順に、ランディング、墜落、テイクオフである。負傷部位は、下肢、腰椎がほとんどである。キャリア10年以上の愛好家の事故も増えており、技能に習熟したとしてもリスクは解消されない状況である。
競技人口が少ないため、日本の人口当たりの事故率は他のスポーツと比較して高くないが、競技人口当たりの事故率で考えれば非常に高くなるので注意が必要。また事故が起きた場合も、重篤な受傷になる危険性がある他、結果として送電線の給電を停めさせてしまうなど、社会インフラに重大な影響を発生させる可能性もあるため事前の慎重な検討、準備が必要とされるスポーツである。
資格(日本)
パラグライダーは日本の国内法では法律上、航空機とはならず、法規制の対象外となり、国家資格は存在しない。しかし安全を管理し、フリーフライトの権利を維持継続するため、JHFによって国際的基準に基づいたライセンス制度を採用している。黎明期には多数のライセンスが乱立しその指導内容も統一性を欠く物であったが、当時の運輸省(現在の国土交通省)要請を受け財団法人日本航空協会の指導のもと1986年に国際航空連盟 (FAI)に準拠した日本ハング・パラグライディング連盟技能証に一旦集約された。しかし、法的拘束力のないものであったため、営利目的にライセンス発行事業を行う新規参入事業者のがその後も現れ1993年から1994年には、パラグライダースクール協会が2003年以降からは日本パラグライダー協会が協会独自基準によるオリジナルライセンスの発行業務を行っている。
1986年以降の新規参入ライセンス発行事業者:
- 1992年〜1994年 - パラグライダースクール協会 現在活動停止
- 2003年〜 - 日本パラグライダー協会
IPPI技能証
国際航空連盟が発行するパラグライダーの資格は「国際パイロット技能証」である。各国毎で航空法は異なり、パラグライダーも航空機の一種類と定め国家資格としている国もあれば、日本の様に統括団体を設けて民間の自主ライセンスという形式をとるこにとより間接的な指導監督を行っている国もある。海外でフライトを希望するのであれば、国際航空連盟/国際ハング・パラグライディング委員会が発行する国際パイロット技能証を取得することが望ましいとされる。国際パイロット技能証を取得すると国際航空連盟に加盟する世界100以上の国々でフライトすることが可能となる。なお、日本国で国際パイロット技能証の技能証を発行する権限を移譲されているのは統括団体であるJHFのみである。JHF技能証は国際航空連盟/国際ハング・パラグライディング委員会が定める技能証規程に基づいて発行されるため、JHFへの書類申請のみで国際パイロット技能証を取得することができる。
JHF技能証
JHFが発行するパラグライダーの資格。JHFは、このスポーツにおいて唯一国際的に有効な技能証発行機関である。JHFの技能証は国際航空連盟ハンググライディング委員会が定める技能証規程に基づいて検定が行われており、国際的に認められたライセンス証である。したがってJHFの技能証は、国際技能証と呼ばれる「IPPIカード」に書き替えることができる。また、FAIがカテゴリー1(世界選手権、ワールドエアゲームズなど)、カテゴリー2として認定する国際大会に日本代表として参加するためのスポーティングライセンス(一般財団法人日本航空協会が発行する)を得るには、JHF技能証が必須条件となる。実際の教習内容は、国際的に統一されたカリキュラムに沿って指導されており、週1日から2日のペースでパイロット証の習得までにおおむね3年程度かかるのが一般的である。
- JHF-練習生A級
- 単独にてパラグライダーの機材を扱え、指定された方向に直線飛行が出来る。機材や専門用語などについて簡単な学科検定が課される。
- JHF-練習生B級
- 単独にて左右180度旋回ができ、着陸することができる。ソアリングの練習を始められる。パラグライダーについての基礎的な理解を問う学科検定が課される。
- JHF-ノービスパイロット証
- NP証。単独にて左右360度旋回ができ、指定地(半径20m以内)に着陸することができる。ピッチング、ローリングをコントロールすることができる。パラグライダーについての理解や気象についての学科試験が課される。
- JHF-パイロット証
- P証。ソアリングできる飛行技能および、指定されたエリアルールや気象条件に適合する飛行をすることができる。パラグライダーに関連する航空法規、気象、構造を問う学科試験が課される。P証でスクールを卒業。国際技能証(IPPIカード)に書き換えることで、世界中のエリアを飛ぶことが出来る。一部を除くジャパンリーグに出場可能。
- JHF-タンデム証
- 2人乗りのパラグライダーを安全に操縦することができる。
- JHF-クロスカントリー証
- XC証航空法規に合わせ、クロスカントリー飛行をする能力を有する。クロスカントリー飛行に必要な気象、法規、航空交通などの学科試験が課される。ジャパンリーグに出場可能。
- JHF-助教員
- JHF-教員
PSA技能証
かつて、大手輸入代理店が中心になって立ち上げた“パラグライダースクール協会” が独自に発行していたパラグライダーの資格。しかし活動を停止しておりこのライセンスでフライト可能なエリアは非常に少なくなっている。
JPA技能証
特定非営利活動法人日本パラグライダー協会が独自に発行するパラグライダーの資格。詳細は特定非営利活動法人日本パラグライダー協会ウェブサイトを参照。
JHFレスキューパラシュートリパック認定証
JHFはレスキュパラシュートの正しい使用方法、ハーネスへのセッティング方法、リパック方法を普及させるためにレスキューパラシュートに関する技能認定証を発行している。技能検定会の受験資格は、JHFパイロット技能証以上の取得者で、継続的にレスキューパラシュートのリパックを実施し、過去一年以内に20個以上のリパック実績のある者とされ2010年現在で全国に100人以上の認定合格者がいる。 受験審査としてリパック実績ログの提出、試験内容としては実技検定と学科検定の二つが実施される。検定内容は国際航空連盟が定める国際レスキューパラシュートリパック規定を満たす必要がある。
- ^ 知恵蔵2015『三浦雄一郎』 - コトバンク
- ^ “2017ジャパンリーグランキング”. 2018年12月4日閲覧。
- ^ “JOC日本選手団メダリスト”. 2018年12月6日閲覧。
- ^ a b “JOC日本選手団メダリスト”. 2018年12月6日閲覧。
- ^ “PWCA”. 2018年12月5日閲覧。
- ^ “2018年ジャパンリーグランキング”. 2018年12月6日閲覧。
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