パウア貝 漁獲

パウア貝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/04 01:10 UTC 版)

漁獲

パウア貝は個人的な楽しみとしても、また商業目的でも採集されるが、いずれの場合にも厳密な漁獲制限が設けられている。個人で採る場合、一日あたり一人10個体が上限である。また H. iris では殻長 12.5cm、H. australis では同 8.0cm を下回る個体を採集してはならない[7]。採集方法は素潜りに限られ、スキューバなどの装備を用いることは違法となる。

パウア貝の身の採集と輸出には世界的な需要がある。パウア貝の密漁はニュージーランドの主要産業ですらあり、しばしば基準を下回る大きさの個体を含む何千ものパウア貝が違法に採られている。パウア貝の漁業権はマオリ族の習慣上の権利であるが、濫用された場合に取り締まることは困難である。漁獲制限はニュージーランド水産省(Ministry of Fisheries)と警察( New Zealand Police)との協働による巡回により厳しく実施されている。摘発されればダイビング装備やボートなどの道具類が没収され、罰金が科せられるとともに時には懲役刑の対象となる。ニュージーランド水産省によれば、2004年および2005年には1000トン近くのパウア貝が密漁され、そのうちの75%が漁獲基準を下回るサイズの個体だったという[8]

その他

パウア貝はアメリカテレビドラマである『ジーナ』において、チャクラムの装飾に使われた[9]。『ジーナ』自体は古代ギリシャを舞台とした作品であるが、撮影地であるニュージーランドに土着の素材として採用されたものである。

参考文献

関連項目


注釈

  1. ^ 一般にアワビの身として食用になる部分。世界海産貝類大図鑑 p23
  2. ^ 世界海産貝類大図鑑 p24 の記述では 14cm。

出典

  1. ^ Paua Sea Opal Jewelry and Rings Retrieved on April 27th, 2008.
  2. ^ About Paua: Some quick facts - Paua Industry Council
  3. ^ a b c Gray and Smith (2004)
  4. ^ a b Approved Fish Names List - Crustacean, Cephalopod, Mollusc, Echinoderm - New Zealand Food Satisfy Authority, Retrieved on June 3rd, 2008.
  5. ^ a b c d e 世界海産貝類大図鑑 p24
  6. ^ Wilson (1987)
  7. ^ Guidelines for gathering paua - Ministry of Fisheries Internet, New Zealand, Retrieved on June 3rd, 2008.
  8. ^ pau2-industry-association.pdf - Ministry of Fisheries Internet, New Zealand
  9. ^ Outfit, Xena - Collections Online - Museum of New Zealand Te Papa Tongarewa


「パウア貝」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パウア貝」の関連用語

パウア貝のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パウア貝のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパウア貝 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS