バブル景気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/05/18 16:29 UTC 版)
また、米国の2003年以後の住宅と金融を中心にした資産価格の高騰、景気拡大期を米国バブルなどと呼称する。
実体経済から乖離して資産価格が一時的に大幅に高騰し、その後急速に資産価格の下落が起こる様子が中身のない泡が膨れて弾ける様子に似て見えることからこのように呼称する。また、その景気後退期を「バブル崩壊」などという。 バブル崩壊、即ちバブル景気の終焉時期については、1991年(平成3年)2月の他にも、1990年(平成2年)3月など諸説ある。
ここではかつて日本で起きた事象について説明する。
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概要 [編集]
日本では1986年12月-1991年2月までの株式や不動産を中心にした資産の過度な高騰、経済拡大期間を指すことが主である。1980年代後半には東京都の山手線内側の土地価格でアメリカ全土が買えるという算出結果となるほど日本の土地価格は高騰し、日経平均株価は1989年12月のピーク時には高値38,915円を付けるなどし、資産価格のバブル化が起こっていた。このことを指して「バブル経済」と呼ばれる。
バブル経済とは総じて結果論として語られることが多く、その過剰な拡大期間の中では単に「好景気」といわれる。バブル景気による過剰な経済拡大期があり、その後にはその反動としてバブル崩壊による大幅な資産価格下落や金融収縮などが起こり経済問題が多数噴出することとなる。結果として過去のその経済状況を否定的意味あいでバブルなどと呼称する。
日本の景気動向指数でみる景気循環における第11循環の拡大期に当たる。指標の取り方にもよるが、おおむね、1986年12月から1991年2月までの4年3か月(51か月)間を指すのが通説である。これは、2002年2月から2008年2月まで73か月続いた長景気(仮称:いざなみ景気、かげろう景気など)や1965年11月 - 1970年7月の4年9か月の57か月続いたいざなぎ景気に次いで第二次世界大戦後3番目に長い好況期間となる。
現在イメージされる、ワンレン・ボディコンの若い女性たちがジュリアナ東京で羽根付扇子を振って踊り、日本中に札束が乱舞し金満社会になっていたという、極端にステレオタイプ化されたバブル景気のイメージがしばしばテレビや雑誌で流されるが、ジュリアナ東京が開店したのはバブル崩壊後の1991年5月のことであった[1](但しその頃はまだバブルの余韻はあった[2])。また後者の金満社会のイメージは1988年ころにかたちづくられたものである。
それ以前の1985年のプラザ合意の直後は円高不況と称された深刻な不況であり、輸出産業が大打撃を受け、東京や大阪などの町工場には倒産が続出していた。当時の日本のGDPに占める製造業比率は高く、円高が輸出産業、強いては日本経済に与えたダメージは現在と比較にならないほど大きく、製造業の海外流出もこの時期に本格化した。円高不況という文字がメディアから消え、多くの一般の人がいわゆるバブル景気の雰囲気を感じていたのは1988年春頃から1991年秋頃までの数年である。
また資産価格の高騰による好景気というように、株式や土地といった資産をもった人(持つ者)に恩恵がもたらされたのであり、資産をもたない多くの人(持たざる者)に恩恵が及んだわけではなく、彼らにはバブル景気は無縁だった。しかも当時は今のようにインターネットも普及しておらず、株式等のトレードに簡単に手を出せたわけではない。そこでニューリッチとニュープアによる資産格差の拡大が叫ばれ始めてもいた。
日本のバブル崩壊による深刻な経済問題が表面化するまでには数年の時間を要し、当初は一時的な景気後退として楽観論が大勢を占めていた。1992年には政治的に宮沢喜一などが公的資金投入による早期の不良債権処理を言及しているが、官庁、マスコミ、経済団体、金融機関などからの強い反対に遭い実行に至らなかった。
過度な投機熱による資産価格の高騰(バブル経済)によって支えられ、その崩壊とともに急激に後退。同時に1973年より続いてきた安定成長期は終焉を迎え、その後10年以上に亘る長期不況(失われた10年)などの引き金となった。
経済学者の高橋洋一は「バブルも行き過ぎは良くないが、1970年から世界では130回ものバブルが起きており、珍しい話ではない。日本で起きたたった一回の大規模なバブルは、その130回のうちの平均程度だ」と述べている[3]。
名称の由来 [編集]
「バブル景気」という語は1987年に命名されたとされる。基になった「バブル」という語自体は1700年代のSouth Sea Bubble(南海泡沫事件)を語源とし、1990年にはすでに「バブル経済」という言葉が流行語大賞の流行語部門銀賞を「受賞者:該当者なし」(だれが最初に使い、はやらせたのか分からないため)で受賞している。しかし、この語が広く一般に、実感を伴って認知されたのはバブル経済が崩壊したあとである。
もともと「バブル」は「泡」を意味する語なので、泡沫景気(ほうまつけいき)と呼ばれることもある。1990年代初期からは、「平成景気」と呼ばれた。
野口悠紀雄は1987年11月に「バブルで膨らんだ地価」という論文を『週刊東洋経済・近代経済学シリーズ』に掲載しており、「私の知る限り、この時期の地価高騰を「バブル」という言葉で規定したのは、これが最初だ」と述べている[4]。
一方で景気の後退のさまは「バブル崩壊」といわれる。
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- ^ バブル時代を象徴するディスコは1989年11月オープンの芝浦ゴールドと、その頃の高級ディスコブームを牽引していたマハラジャだった。
- ^ 「バブル崩壊と失われた10年」(奈良産業大学経済学部講師 山本英司)によると、地価のピークは1991年9月であり、同年5月の段階ではまだはっきりバブルが崩壊したとは言い切れない[1]。
- ^ 2012年インタビューFNホールディング
- ^ 野口悠紀雄 『戦後日本経済史』 新潮社〈新潮選書〉、2008年。ISBN 9784106035968。
- ^ 日本銀行の金融政策(1984年~1989年)-プラザ合意と「バブル」の生成-, 黒田晃生, 明治大学社会科学研究所紀要
- ^ 最近における短期金融市場の動向について, 日本銀行調査月報:1986年2月号
- ^ 消費者物価指数 (CPI), 総務省
- ^ 香西泰; 白川方明; 翁邦雄 『バブルと金融政策 :日本の経験と教訓』 日本経済新聞社、2001年。ISBN 453213224X。
- ^ プラザ合意と円高、バブル景気, 中澤正彦・吉田有祐・吉川浩史, 財務総合政策研究所
- ^ サラリーマンが購入できる住宅の価格は年収の5倍と言われ、首都圏では、その様な地域は山梨にまで遠ざかった
- ^ 1986年に遺書を残して生徒が自殺した中野富士見中学いじめ自殺事件が起きた。葬式ごっこを行い教師3人も色紙に寄せ書きしていたことから、メディアが注目した最初のいじめ自殺事件になった。
- ^ 『「まじめ」の崩壊―平成日本の若者たち』(サイマル出版会、1991年)。
- ^ 「噂の真相」は「タカ派精神科医小田晋」(1997年7月号)において、「小学生時代はいじめられっ子で、青春時代は精神医学研究に明け暮れ、初体験は40過ぎまで叶わなかった。」などの小田氏の生育歴に触れた上で、「そういう小田氏は自分のことを何て診断するのだろうか。」「甲高い声でこういうだろう。『オタッキーの典型的なパターンです。』と。」として、そんな彼もオタクの枠に入るのではと疑問を呈した。
- ^ TM NETWORKの小室哲哉がプロデュースしたヤマハ・EOSシリーズなど。
- ^ 『フェラーリを1000台売った男』榎本修・著 清水草一・編 ロコモーションパブリッシング刊
- ^ 携帯電話は当時殆ど普及しておらず、まともな収入がない学生が手にすることは不可能であった。
- ^ 勘違いされることが多いが、マハティール・マレーシア首相の唱えた「ルックイースト政策」は、バブル景気の10年前である。
- ^ 『まんが 八百長経済大国の最期』 (ベンジャミン・フルフォード, 光文社ペーパーバックス, 2004年)
- ^ JR福知山線脱線事故で事故を起こした運転手は採用再開後の大量採用期に入社した若手社員であり、人員構成の歪みによって十分な教育や適材適所の人員配置ができなくなっていたことが事故原因と一つとして指摘されている。
- ^ 利益を上げても「(国際)競争力の確保」を名目・大義名分として、人材・設備への投資を極力行わず、株主への配当もせず、結果として内部留保がひたすらに積み上げられていく企業さえ見られる
- ^ 当時の法律では銀行・保険・証券の間で業務の範囲が厳密に峻別され、銀行が顧客の保険契約にかかわることは戒められた。
- ^ a b 朝日新聞、2010年3月23日、東京版夕刊、9面。
- ^ BS-TBS スポーツ偉人列伝~今語られる伝説の瞬間~ 第四伝 仰木彬~命を懸けてパリーグを救った男
- ^ /article_12.html プロレスバブルは起こるのか?・・・・SWSの再来は。
- ^ プラザ合意と円高、バブル景気 財務省広報誌「ファイナンス」2011年10月
バブル景気に関連した本
- 浮かれバブル景気から衰退させられる日本 副島 隆彦 徳間書店
- 不動産バブルと景気 井出多加子 日本評論社
- 景気循環の読み方―バブルと不良債権の経済学 (ちくま新書) 大瀧 雅之 筑摩書房
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