バトルフィーバーJ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 05:47 UTC 版)
音楽
主題歌
第2話まではオープニングとエンディングの両方にクレジットされたが、第3話以降はエンディングにのみクレジットされる。
- オープニングテーマ「バトルフィーバーJ」
- 作詞:山川啓介 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:MoJo、コロムビアゆりかご会、フィーリング・フリー
名乗りから戦闘シーンにかけての挿入歌としても使われている。初期はバトルフィーバーロボの発進から戦闘シーンにかけても使われた。
当初録音されたものが「やや軽い感じになってしまうから」という理由でNGとなり、フィーリング・フリーによるスキャットを減らす形で再録音された[44][注釈 38]。ただし、NGバージョンは予告編音楽として使われたほか、挿入歌としての使用例もある。NGバージョンは音源が行方不明になっていた時期があったが、1997年に音源が発見され、『バトルフィーバーJ〜オルターネートヴァージョン〜』のタイトルで、『東映戦隊ヒーロー バトルミュージックコレクション』(COCC-14061 日本コロムビア)に収録された。この他キングレコードからは、たいらいさおが歌うカバー版が存在する。
- エンディングテーマ「勇者が行く」
- 作詞:八手三郎 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:MoJo
当初は「明日の戦士たち」がエンディングテーマとなる予定だったが、同曲がNGになったため急遽製作された。テレビサイズはイントロが短く、終わり方がフルサイズと異なる。エンディングの映像は第3話からバトルフィーバーロボの戦う姿を映している一方、第2話まではバトルフィーバー隊が富士山の麓で乗馬をした後、伝正夫から順に特技をしている姿が登場する。白石謙作ではスキーをする姿が映され、これは『ザ・ボディガード』第10話「グランドキャニオンの殺人者」で主人公が滑走するシーンを流用しており、千葉真一が吹き替えではなく、自らカリフォルニア州に聳えるマンモスマウンテンのバックカントリーをスキーで滑走しているフィルムである[注釈 39]。この映像は1974年5月6日のドキュメンタリー『千葉真一 4,000メートルのマンモスマウンテンを滑る』(東京12ch)で全編が放送され、『ザ★ゴリラ7』のオープニングや合同酒精「ワリッカ」のCMでも使用されている[注釈 39]。
挿入歌
- 「バトルフィーバー大出撃」(第23話、24話、26話、31話、35話)
当時発売された音源ではテンポが変わる部分に水木一郎のセリフが被せられているが、このセリフがないバージョンも音源として残されており、劇中で使われている。
- 「バトルフィーバー讃歌」(第23話)
- 作詞:保富康午 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:水木一郎、こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会
- 「明日の戦士たち」(第22話、40話、46話、47話、49話、52話)
- 作詞:山川啓介 / 作曲・編曲:渡辺宙明 / 歌:MoJo、こおろぎ'73
前述のように本来はエンディングテーマとして作られた歌のため、テレビサイズも録音されている。劇中では中盤以降物語のクロージングとして多用されたが、放送当時は発売されず、1996年に発売された『バトルフィーバーJ MUSIC COLLECTION』で初商品化となった。
劇伴
本作品の劇伴曲は、シリーズでは初めてレコード化を前提としてステレオで録音された。楽曲は複数の曲を繋いで1トラックとする組曲形式で録音され、『組曲バトルフィーバーJ』のタイトルで発売された。曲がクロスフェードしている箇所もあり、単純に曲ごとに切り離しただけでは映像に合わせるのに不都合が生じてしまうため、映像では各トラックを曲ごとにトラックダウンし直し、モノラルに変換したものを使用している[124]。ただし、組曲に含まれない曲は従来通りモノラルで録音されている。
組曲形式で録音する都合上、楽曲がトラックごとに一つの流れを作る形にしなければならないという作曲上の制約があり、そのため楽曲の絶対数が不足してしまうという事態が発生した。組曲に含まれない曲を加えても曲数の不足を補いきれず、また不足分を補うための追加録音も行われなかった。
そのため、渡辺宙明が過去に作曲した楽曲を流用することで不足分を補っている。このようなケース自体は当時は珍しくなかったが、本作品ではペンタフォース(人造人間キカイダー M-51)やクロスフィーバー(五番目の刑事 M-25)、電光剣・唐竹割り(イナズマン M-12T2、同作品の予告編用楽曲)といった必殺技のテーマ曲がことごとく過去作品からの流用である点が特徴になっている。巨大ロボット戦の描写として『大鉄人17』からも多くが流用されている。
本作品の歌曲は、一部の曲に存在する別バージョンを除く全5曲とシリーズ中最少であり、また放送当時は作品単体でのアルバムには収録されなかったが、「明日の戦士たち」を除く挿入歌2曲は主題歌を含めたシングル盤として発売された。
また本作品より、大泉音映の前身である東映大泉撮影所録音部の阿部作二が効果技師として参加、以降20年以上にわたってスーパー戦隊シリーズの効果音を手掛けた。
注釈
- ^ 東映プロデューサーの吉川進は、作品として優れた部分は踏襲しつつも『ゴレンジャー』を引き継いだ企画ではなかったと述べている[3]。
- ^ 吉川は、映像でダンスを活かすことは難しかったと述べている[3]。
- ^ 『スパイダーマン』の商業的成功を踏まえ、本作品での商品展開の主軸はバトルフィーバーロボやバトルシャークに置かれていた。ヒーローキャラクターの商品化を前提として、スポンサーであるポピーがデザインするのは次作『デンジマン』からである。
- ^ 例外として『光戦隊マスクマン』は企画当初、本作品を踏襲したマスクが検討され、試作マスクも制作されていたが、最終的には採用されなかった。X1マスクの造形はこの試作マスクを流用し、新造されたマフラーを装着していることもあり、本作品の戦士と近似したものとなっている。
- ^ 村上は、ロボットの登場は渡邊からの提案であったとも証言している[10]。
- ^ 初期企画『キャプテンジャパン』では、『スパイダーマン』のレオパルドンと同様に戦艦からロボットへ変形するという設定であった[11][8]。
- ^ 当時は技斗と表記。
- ^ この手法は、2012年の『特命戦隊ゴーバスターズ』でも使用されている。
- ^ 映画『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』で四郎が変身した際には、バトルスーツが装着される瞬間に全身が光に包まれるという演出が加えられた。
- ^ 第22話におけるゼロワンの台詞[ep 3]。
- ^ 神役の伴大介が『キカイダー01』に出演していたことによる。ただし、伴が演じていたのはイチローではなく、『人造人間キカイダー』の主人公・ジローであり、ジローの所持楽器はギターである。
- ^ 優勝したのは物語の2年前。
- ^ これは渡辺宙明にテーマ曲の発注が来た時点でスペインがモチーフだった名残である。その後、フランスに変更となったが、同国の音楽は戦闘にそぐわないため、スペイン風テーマのままでいくと割り切られた[44]。
- ^ 『海賊戦隊ゴーカイジャー』以降に登場するミスアメリカのスーツは桃色が濃いものとなっている。
- ^ 書籍『スーパー戦隊大全集』では名称をブレスレットと記述している[59]。
- ^ 書籍によっては戦棍と紹介している[47][62]。
- ^ それぞれの名称は、書籍『スーパー戦隊大全集』ではバズーカ砲タイプ・五角形タイプ[59]、書籍『東映スーパー戦隊大全』ではタイプA・タイプB[60]、書籍『スーパー戦隊画報』『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1979 バトルフィーバーJ』ではペンタフォース(ロケット砲)・ペンタフォース(ブーメラン)[61][58]、書籍『30大スーパー戦隊超全集』ではペンタフォース(バスーカタイプ)・ペンタフォース(ブーメランタイプ)[64]と記述している。
- ^ ジャパンがバトルフィーバーロボに搭乗している場合を除く。
- ^ ただし射程に限界もありダイアン=アメリカが不在の時にバトルシャークに搭乗させ呼び寄せた例もある。
- ^ 資料によっては「ナイフ」[68][69]、「手投げナイフ」[34]と記述している。
- ^ 資料によってはビッグベーザー[出典 22]やビッグベイサー[76]と表記している。
- ^ a b 放送開始時は名称はなく、児童誌用につけられた名称である[62]。
- ^ 書籍『スーパー戦隊大全集』では、名称を後部ミサイルとも記述している[59]。
- ^ 書籍『スーパー戦隊大全集』では、名称を側面ミサイルとも記述している[59]。
- ^ 映画『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』に登場した際にもこのシーンが活用されている。
- ^ 資料によっては、名称をスティックランサー[59][83]、スティックランス[85]と記述している。
- ^ 資料によっては「8,000トン」[72](書籍『超世紀全戦隊大全集』では、「ロボを含む」と注記[76])と記述している。
- ^ マグネット怪人とハイド怪人のみ、各自誕生時にコンピューターの音声とテロップで「身長190センチメートル」(マグネット)[ep 21]、「身長2メートル・体重200キログラム」(ハイド)[ep 22]と明記されている。
- ^ 書籍『全怪獣怪人大事典 上巻』では、邪心流と記載している[92]。
- ^ 女性怪人の場合は「王女様」と呼ばれる場合もある。
- ^ 書籍『全怪獣怪人大事典 上巻』では「大型ナイフ」[92]、書籍『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀 1979 バトルフィーバーJ』では「短剣」[87]と記述している。
- ^ 『ゴレンジャー』当時は伊藤幸雄。
- ^ 第31話と第43話はクレジットされているが、実際は登場していない。第36話と第37話はクレジットも登場もなかった。なおこれら4本のうち、第36・37話は36話で「戦略の生ぬるさにより謹慎処分」とされ、代わりにサロメが指揮を執るという描写があった[103]。
- ^ コウモリ怪人の人間体と記載する資料があるが[104][105]、真相は映像でも脚本でも明確になっていない[106]。彼女の暗殺活動の後にコウモリ怪人誕生の描写があるので、少なくとも「コウモリ怪人が彼女に化けて活動していた」わけではない。『東映スーパー戦隊大全』の第1話のガイド(P56)では「おそらく決戦前にコウモリ怪人に改造されたと解釈するのが妥当」としている。
- ^ 回想シーンのみ。
- ^ 『冊映画秘宝 特撮秘宝vol.8』(2018年10月18日発行、洋泉社)での小牧・喜多川・小野寺の座談会(P278 - 283)によると、第14話の撮影が第13話より先に行われており、第14話のアクションシーンは小牧が演じたとのこと。
- ^ 資料によっては第17話よりとされているが[117]、小野寺えい子自身は、書籍「東映ヒーローMAX」のインタビューで第13話より演じたと明言しており[118]、同書の作品リストでも小野寺の発言に合わせて第13話以降が小野寺と明記している。
- ^ 『バトルフィーバーJ MUSIC COLLECTION』(日本コロムビア、1996年)のライナーノーツには「スキャット以外は同じ」という記述があるが、実際はMoJoのボーカルも異なり、『東映戦隊ヒーロー バトルミュージックコレクション』(日本コロムビア、1997年)の楽曲解説で言及されている。
- ^ a b 『ザ・ボディガード』『ザ★ゴリラ7』のDVD-BOXでそれぞれ視聴できる。
- ^ 資料によっては「バラロボ」[127]」と記述している他、本編でも「バラロボ」と呼称している。
- ^ a b 資料によっては、名称を'ゼロ1・ゼロ2と表記している[出典 43]。
- ^ ドグウロボット・ギンガロボット・スポーツロボットの3体。資料によっては再生悪魔ロボ[133]、再生ロボット[126]と記述している。
- ^ 第1・5・24・33・50・52話。
- ^ テレビシリーズのブローアップ版自体は、本作品以降も『超新星フラッシュマン 大逆転!タイタンボーイ』(1987年3月14日公開)が存在するが、同作品は複数のエピソードを再編集したものである。
参照話数
出典
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