ハンガリー料理 ハンガリー料理の概要

ハンガリー料理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/27 15:04 UTC 版)

「グヤーシュ」スープ

目次

特徴

ショプロンで供される塩味の子牛肉入りパンケーキ、「ホルトバージ・パラチンタ(Hortobágyi palacsinta)」

ハンガリー人は特にスープデザートペイストリーと具入りのパラチンタクレープ状の薄いパンケーキ)について熱心で、同じ料理についても地方の間に激しい競争意識が見られる。例えば、ハンガリーの辛い魚のスープ、ハーラスレー (Fisherman's Soupは、ハンガリーの主要な2つの川、ドナウ川ティサ川沿岸において調理法がそれぞれ異なる。他の有名なハンガリー料理には、ノケドリ(小さなダンプリング)を添えて供されるパプリカーシュ(濃厚でなめらかなパプリカのソースで肉を煮込んだシチュー)、グヤーシュ、挽いたクルミをふりかけ、フランベしてからダークチョコレートソースを添えて供されるグンデル・パラチンタおよびドボシュ・トルテ(薄いキャラメルで覆った、チョコレートバタークリームのフィリングとの層を成すスポンジケーキ)がある。

ハンガリー料理において、地元では普通とされるものの外国人から驚かれる特有の2つの要素は、フーゼレーク(főzelék)と呼ばれる野菜のシチュー[1]と、ヒデグ・メッジュレヴェシュ(ハンガリー語: hideg meggylevesスミミザクラのスープ)のような冷たい果物のスープである。

肉のシチューキャセロールステーキローストした豚肉牛肉、家禽、ラム狩猟肉、およびハンガリー風ソーセージ(コルバース (Kolbász[1])およびテーリサラーミは、ハンガリー料理で主要な位置を占める。一つの料理に異なる種類の肉を混ぜることはハンガリー料理の伝統的な特徴である。グヤーシュ、具入りパプリカ、具入りキャベツ、ファターニェーロシュ(Fatányéros、木の大皿にのせて供するハンガリーのミックスグリル[2])には、牛肉と豚肉、あるいはマトンが組合わせられる。非常に高価な料理には、プラムアンズのような果物が肉、辛いソース、狩猟肉の詰め物、ローストや薄切り冷肉とともに調理される。また、様々な種類のやダンプリング、ジャガイモが副菜として供される。ハンガリー料理では幅広い種類のチーズが使われるが、最も一般的なチーズはトゥーロー(túró)という、クォーク (Quark (cheese)に似たフレッシュチーズクリームチーズ、ユートゥロー(juhturó、羊乳チーズ)、エメンタールチーズエダムチーズ、およびハンガリー産のトラッピシュタ(Trappista)やパールプスタイ(Pálpusztai)である。

調味料

セゲドの唐辛子

ハンガリーの食べ物はパプリカ唐辛子の使用により、辛いものが多い。ハンガリー料理がヨーロッパ生まれの最も辛い料理であることは、ほぼ間違いない。唐辛子の他に、甘口の(辛くない)パプリカもまた日常的に使われる。唐辛子、ラード、および紫タマネギの組み合わせ[3]、およびテイフル(tejföl)と呼ばれる濃いサワークリームの使用はハンガリー料理で一般的である。タマネギは生のまま、あるいは煮たり炒めてキャラメル化してから用いる。様々な種類のパプリカとタマネギの他に、一般的な風味付けにはニンニクパセリ、挽いた白または黒コショウ、粒黒コショウ、ローリエディルマジョラムキャラウェイ(粒または粉)、マジョラムタイムマスタードタラゴンセイボリーラビッジ、クリーピングタイム(ヨウシュイブキジャコウソウ)、チャービルレモンの果汁および果皮  (Zestアーモンドバニラケシの実およびシナモンが使われる。この他にワインコリアンダーローズマリージュニパーベリーアニスバジルオレガノオールスパイスホースラディッシュクローブメース、およびナツメグが使用される。

歴史

パプリカーシュチルケ・ノケドリヴェル(Paprikáscsirke nokedlivel、鶏肉のパプリカーシュ、ノケドリ添え)

ハンガリー料理は、マジャル人の歴史に影響されてきた。ハンガリーの食における肉の重要性は家畜の重要性とマジャール人の遊牧民的な生活習慣により明らかであり、グヤーシュのような、火で調理する伝統的な肉料理に反映されている(マジャル語で「gulyás」は「牧夫の(食事)」を意味する)[3]。プルクルト (Pörköltシチューや辛い魚のスープ、ハーラスレーは、伝統的に屋外で火にかけてボグラーチ(釜)で調理する。15世紀に、マーチャーシュ1世[4][5]ナポリ出身の妃ベアトリクスイタリアで興隆していたルネサンス文化に影響され、ニンニク、ショウガ、メース、サフランおよびナツメグやタマネギのような新しい調味料や香辛料[6]や、果物を詰め物に用いたり肉と一緒に調理する料理法をハンガリーにもたらした[7]。これらの香辛料のうち、ショウガやサフランは現在のハンガリー料理ではもはや使われていない[8]。これ以降、非常に多数のサクソン人ドイツ系民族)、アルメニア人イタリア人ユダヤ人セルビア人パンノニア平原トランシルヴァニアに移住した。オスマン帝国領ハンガリーの時代には、様々な古典的トルコ料理の要素が取り込まれた。トゥルクメーズ(törökméz)と呼ばれる白いヌガー[9]マルメロの菓子、ロクムハルヴァトルココーヒー、ベイグリ (Bejgliと呼ばれるケーキ、トランシルヴァニアに見られるピラフのような米料理、パドリジャーンシャラータ(padlizsánsalátaナスサラダ (Eggplant salads and appetizersドルマに影響されたトゥルトゥット・パプリカ(Töltött paprika)やトゥルトゥット・カーポスタ(Töltött káposzta、具詰めキャベツ)のような肉と野菜の料理などがこれにあたる。また、トウガラシはオスマン帝国時代に伝来した。ハンガリー料理はオーストリア=ハンガリー帝国のもと、オーストリア料理の影響を受けた。料理および調理手法がオーストリア料理から取り入れられ、またグヤーシュのようにハンガリー料理が逆にオーストリア料理に影響を与えた例もある。ハンガリーのケーキと菓子には、ドイツ/オーストリアの強い影響が見られる。現在のハンガリー料理は、古代アジアの要素にドイツ、イタリア、スラヴの要素を統合したものと言われている。ハンガリーの食文化は、ユーラシア大陸の食文化のるつぼであると考えることができる。




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  1. ^ a b c d e June Meyers Authentic Hungarian Heirloom Recipes Cookbook
  2. ^ Famous Hungarian recipes
  3. ^ a b c Gundel's Hungarian Cookbook, Karoly Gundel.
  4. ^ A magyar konyha története
  5. ^ Hotdog.magazin
  6. ^ Gourmandnet
  7. ^ Hungarian Cuisine, History, Gastronomy, Legend, Memoires, Recipes and Lore
  8. ^ [ http://www.mon.hu/engine.aspx/page/article-detail/cn/boon-news-ed07-20051022-021107/dc/im:all:health-family ]
  9. ^ a b Törökméz
  10. ^ Gundel's Hungarian Cookbook, Karoly Gundel, page34
  11. ^ a b Gundel's Hungarian Cookbook, Karoly Gundel
  12. ^ Gundel, Karoly (1992). Gundel's Hungarian cookbook. Budapest: Corvina. ISBN 963-13-3600-X. OCLC 32227400. page 100
  13. ^ Gundel, Karoly (1992). Gundel's Hungarian cookbook. Budapest: Corvina. ISBN 963-13-3600-X. OCLC 32227400. page 83
  14. ^ Quince-cheese
  15. ^ Mineral Waters of the World


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