ノーベル賞
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候補者の予想
2017年以降、クラリベイト・アナリテイクスは、同社が運営する代表的なサイテーションインデックス(学術文献引用データベース)のWeb of Scienceの情報に基づいて、ノーベル賞の有力候補者の予想としてクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞を発表している。2011年のノーベル賞においては、自然科学系の3賞と経済学賞の受賞者9人全員が、過去にトムソン・ロイター引用栄誉賞(現・クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞)で候補に挙げられていた[43]。
賞に関する記録
- ノーベル賞を2度受賞した人・団体
- マリ・キュリー(1903年に物理学賞、1911年に化学賞)
- ライナス・ポーリング(1954年に化学賞、1962年に平和賞)
- ジョン・バーディーン(1956年と1972年に物理学賞)
- フレデリック・サンガー(1958年と1980年に化学賞)
- 国際連合難民高等弁務官事務所(1954年と1981年に平和賞)
- バリー・シャープレス(2001年と2022年に化学賞)
- ノーベル平和賞を3度受賞した団体
- 赤十字国際委員会(1917年、1944年、および1963年)
- 夫婦でノーベル賞を受賞した組
- 夫婦で共同受賞した組
- ピエール・キュリーとマリ・キュリー(1903年物理学賞)
- フレデリック・ジョリオ=キュリーとイレーヌ・ジョリオ=キュリー(1935年化学賞)
- カール・コリとゲルティー・コリ(1947年生理学・医学賞)
- マイブリット・モーセルとエドバルド・モーセル(2014年生理学・医学賞)
- アビジット・V・バナジーとエスター・デュフロ(2019年経済学賞)
- 親子でノーベル賞を受賞した組
- ピエール・キュリー、マリ・キュリーとイレーヌ・ジョリオ=キュリーの親子
- ジョゼフ・ジョン・トムソンとジョージ・パジェット・トムソンの父子
- ヘンリー・ブラッグとローレンス・ブラッグの父子
- ニールス・ボーアとオーゲ・ニールス・ボーアの父子
- マンネ・シーグバーンとカイ・シーグバーンの父子
- アーサー・コーンバーグとロジャー・コーンバーグの父子
- ハンス・フォン・オイラー=ケルピンとウルフ・スファンテ・フォン・オイラーの父子
- スネ・ベリストロームとスバンテ・ペーボの父子
- 親子で共同受賞した組
- ヘンリー・ブラッグとローレンス・ブラッグ(1915年物理学賞)
- 兄弟でのノーベル賞を受賞した組
- 叔父-甥の関係でノーベル賞受賞
- チャンドラセカール・ラマンとスブラマニアン・チャンドラセカール
- 最年少ノーベル賞受賞者
- マララ・ユスフザイ(2014年に17歳で平和賞受賞)
- ローレンス・ブラッグ(1915年に25歳で物理学賞受賞)
- フレデリック・バンティング(1923年に32歳で生理学・医学賞受賞)
- フレデリック・ジョリオ=キュリー(1935年に35歳で化学賞受賞)
- ラドヤード・キップリング(1907年に42歳で文学賞受賞)
- エスター・デュフロ(2019年に46歳で経済学賞受賞)
- 最年長ノーベル賞受賞者
- ジョン・グッドイナフ(2019年に97歳で化学賞受賞)
- アーサー・アシュキン(2018年に96歳で物理学賞受賞)
- レオニード・ハーヴィッツ(2007年に90歳で経済学賞受賞)
- ドリス・レッシング(2007年に88歳で文学賞受賞)
- ペイトン・ラウス(1966年に87歳で生理学・医学賞受賞)
- カール・フォン・フリッシュ(1973年に87歳で生理学・医学賞受賞[注 4])
- ジョセフ・ロートブラット(1995年に87歳で平和賞受賞)
- (受賞の決め手となる功績から)最短記録
- (受賞の決め手となる功績から)最長記録
- ノーベル賞とオリンピックのメダルを両方受賞した人
- フィリップ・ノエル=ベーカー(1920年アントワープオリンピックの陸上競技1500m走で銀メダル受賞、1959年平和賞受賞)
- ノーベル賞とイグノーベル賞を両方受賞した人
- アンドレ・ガイム(2000年イグノーベル物理学賞受賞、2010年ノーベル物理学賞受賞)
ノーベル数学賞がない理由
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ノーベル賞に数学部門が存在しない理由として、スウェーデンの著名な数学者ヨースタ・ミッタク=レフラーがノーベルの妻を奪ったことを根に持ったためだとする俗説があるが[44]、そもそもノーベルは生涯独身であった。
しかし、数学賞がない原因がミッタク=レフラーとの確執にあるという噂は、文献による証拠がないものの事実である可能性がある[44]。
実際、1890年にミッタク=レフラーがソーニャ・コワレフスカヤへの資金的援助をノーベルに頼んだとき、ノーベルはこれを断っている[44]。またノーベルの1883年の遺書には自身の遺産の一部をミッタク=レフラーのいたStockholms Högskola(のちのストックホルム大学)にも渡すように書いていたが、1896年に最終版の遺書を書いたときにはこの記述を削除した[44]。Högskolaの学長を勤めたオットー・ペテルソンとスヴァンテ・アレニウスの推測によれば、ノーベルの遺書からこの記述が削除されたのは、ノーベルがミッタク=レフラーを嫌っていたためである[44]。
当時の人々によるミッタク=レフラーの性格に関する評価は肯定的なものではない[44]。
数学者のフィールズも2人の確執はありそうな話だとしている[44]が、フィールズ自身はミッタク=レフラーと親しく、このことがフィールズ賞の設立につながったのではないかとする意見もある[44]。
このような経緯があったにもかかわらず、ミッタク=レフラーはマリ・キュリーのノーベル物理学賞受賞に貢献している。女性への偏見が強かったフランス科学アカデミーは彼女のノーベル賞への推薦を意図的に削除したが、ミッタク=レフラーが彼女を強く推したため、彼女はノーベル賞を受賞する運びとなったのである。詳細はマリ・キュリー#女性としてを参照。
注釈
- ^ また、平和運動についても、考えるようになった。ノーベルは本来は土木工事の安全性向上を目的としてダイナマイトを発明したのであり、それが戦争に用いられたのはその意志に反していたという風聞があるが、実際にはノーベルにとってダイナマイトが戦争目的で使われることは想定内であった。むしろノーベルは、ダイナマイトのような破壊力の大きい兵器が使われること自体が戦争抑止力となることを期待した。死の商人として糾弾されたことは、ノーベルにとってダイナマイトが戦争抑止力として機能しなかったことに対しての衝撃であった[6]。
- ^ 但し、ワトソンが売却したメダルは後に落札者であるアリシェル・ウスマノフの意向により、返還された[34]。
- ^ 朝日新聞社編 『100人の20世紀(上)』 朝日文庫 p237-「山極勝三郎」。ただし、科学ジャーナリストの馬場錬成はその著書『ノーベル賞の100年』(中公新書)の中で、3回にわたるノーベル財団への取材経験から、ノーベル賞選考における日本人差別は「100パーセントないだろう。」と指摘している。また、2004年に(山極が候補となった)1926年の医学生理学賞の選考書類を再調査した文献でもそのような指摘はない(山極の項目を参照)。また、この時すでにインドのタゴールがノーベル文学賞を受賞している。
- ^ それぞれが受賞した年の授賞式の日(毎年12月10日)時点で比較すると、ラウスのほうが約1ヶ月年長。
- ^ 自然科学分野では、ヨハネス・ベドノルツとカール・アレクサンダー・ミュラーが、酸化物高温超伝導体の発見の論文発表から約1年後の1987年に受賞したのが最短記録。
出典
- ^ “ノーベル賞 オフィシャルサイト” (英語). NobelPrize.org. 2020年10月9日閲覧。
- ^ “The Sveriges Riksbank Prize in Economic Sciences in Memory of Alfred Nobel”. 2016年5月5日閲覧。
- ^ Not a Nobel Prize, “Nomination and Selection of Laureates in Economic Sciences”, Nobelprize.org 2016年10月16日閲覧。
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- ^ ノーベル賞授賞式、今年はロシアとベラルーシの大使を招待 - ロイター 2023年9月1日
- ^ ノーベル賞式典、ロシア大使も招待 スウェーデン首相「困惑させる」 - 朝日新聞デジタル 2023年9月1日
- ^ ノーベル財団、ロシアやベラルーシ、イランの招待撤回 スウェーデンなどの批判受け - BBCニュース 2023年9月3日
- ^ ノーベル賞式典にロシア招待せず 財団、スウェーデン国内の反発受け - 毎日新聞 2023年9月3日
- ^ 大隅良典栄誉教授がノーベル賞授賞式・晩餐会に出席 | 東工大ニュース | 東京工業大学
- ^ カトラリーにかける思い - 山崎金属工業株式会社
- ^ “ノーベル賞の賞金、2割減らします…運用益低迷”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2012年6月12日). オリジナルの2012年6月15日時点におけるアーカイブ。
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- ^ “露紙編集長のノーベル平和賞メダル、140億円で落札…全額をウクライナの子ども支援に”. 読売新聞 (2022年6月21日). 2022年6月21日閲覧。
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- ^ サルトルのノーベル賞辞退の背景、書簡間に合わず 新資料で判明 サイト:AFP通信 更新日:2015年1月5日
- ^ ノーベル平和賞(Norway - The official site in Japan)
- ^ “小社会 ノーベル文学賞”. 高知新聞 (2019年10月11日). 2020年10月7日閲覧。
- ^ “[寄稿]英語熱が広がる中での韓国文学”. ハンギョレ. (2016年5月27日) 2016年12月3日閲覧。
- ^ ケンネ・ファント 服部まこと訳 『アルフレッド・ノーベル伝』 新評論 1996年 68章
- ^ トムソン・ロイターのノーベル賞予測:今年のノーベル賞受賞者9名すべてを過去に予測、2011年10月
- ^ a b c d e f g h Fields Institute "Mittag-Leffler and Nobel"
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