ノラガミ 用語

ノラガミ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/15 22:19 UTC 版)

用語

人々の願いから生まれた超常の存在。神器や妖による攻撃でしか死ぬことはなく、たとえ死んでも信仰を集めている神であれば「代替わり」により復活することができる。一方で信仰を集められない無名の神は常に消滅の危機に晒されている。託された願いに対してとても素直であり、それゆえに温厚な神でも荒ぶる側面を必ず持ち合わせている。
代替わり
落命した神が再生すること。神が再生するか否かは神の知名度に左右され、毘沙門天や恵比寿のように著名な神は(社会的に忘れられない限り)何度でも再生するが、夜トのように無名な神が落命すると代替わりすることなく消滅する可能性が高いとされる。代替わりした場合、具体的な詳細は不明だが神器に変化はなく、神自身の容姿は幼くなり以前の記憶も失われることを示唆する描写がある。代替わりによって以前の記憶を失うことで、同一の神であっても性格や周囲との関係が変化することがある様子。ただし代替わりしても神としての本質は変わらず、性格が変わったように見えても実際は本質が表出しているか内在しているかの差に過ぎない。
神が落命する状況は、基本的には神器の内輪もめによるものか、天によって粛清されるかの2つに分かれる。前者は厄をもらうため不干渉が基本。後者は代替わり後も天の介入があり、神が自立するまで天に従うように教育する。
神憑り(かみがかり)
特定の状況下で神が人間の肉体に乗り移ること。シンクロ率が100%になれば人の肉体でその能力を最大限に引き出すことができる。ただし肉体に大きな負荷がかかるため、やりすぎると怪我などを負うこともある。
神器(しんき)
神に見定められ、神の許で武具となった死霊のこと。後述の理由から生前の名ではなく、主たる神からそれに代わる仮の名を与えられる。体のどこかに名を示す漢字が一字刻まれ、人としての名は訓読み、武具としての名は音読みで呼ばれる。多くの神は、自身の神器に共通する一字を付け加えて神器の人としての呼び名としている。複数の神器をまとめて「一族」と称する場面もあるが、単に名に共通する一字を持つグループと言う程度の意味合いであり、神器同士に特別な関係性はない。
普段は此岸の人間と遜色ない姿をしているが、主である神からの呼びかけにより武具に変化する。どのような武具になるかは霊個人や主となる神によって異なり、単に武器や防具のみに限らず、騎獣や鏡などになる者も存在する。また、自らの意思で神を変えることも可能であり、その際は人の姿は変わらないものの、名と武具としての姿は変化する。なお、魔に憑かれた自殺者などの魂は穢れているため神器にすることができず、妖により魂の一部を削がれた死霊はまともな神器になれない(武具の姿になった際、一部が欠けたり壊れたりした形となる)。
矛の形にした手で一線を引くことにより、嫌悪や恐怖により己と他を分かち妖の侵入を防ぐ「境界」を作ることができる。弱い妖相手ならばある程度抵抗することができるが、神器本来の力は主たる神が身に纏わなければ発揮できない。神や妖と同様此岸の住人の死角にあり、基本的に動物や赤ん坊、此岸と彼岸の境界に立つ者以外には認識されにくく、認識されたとしてもすぐに忘れられる。
主たる神と神器の間には特別な関係があり、神器の精神が乱れると神は苦痛を感じる。神器に魔が差し、神を裏切る、罪を犯すなどして罪悪感を抱くと、神に苦痛と共に消えないヤスみが生じる。この状態を「神を刺す」と言い、同時に神器の体には言葉を発する目玉が生じ、神を刺した分だけ目玉も増えていく。状態が悪化すると神器は妖に転じ、破門にせず繋がったままだと神も堕ちてしまう。破門された神器は名を失い一線の使えない死霊に戻る。この関係は一方向のものであり、神が苦痛を感じたとしてもそれが神器に伝わることはない。また、神器が己の行動に罪悪感を抱かなければ神にヤスみは生じず、すなわち神を刺さないことが示唆されている。
全ての神器に共通している点は、生前に何らかの形で「望まぬ死を遂げた者達」ということである。神器自身は生前の名や記憶を持たないが、主たる神は見定めた際にそれらの情報を会得・秘匿しており(「(=真名)を握る」と表現される)、「神の最たる秘め事」とされる。
祝の器(はふりのうつわ)
主である神のために進化を果たした稀な神器のこと。名を懸けて主を守った証であり、武具になった際の形状が変わるのが特徴。作中では兆麻と雪音がこれに該当し、兆麻はただの釘から桜の花びら型のピアスに、雪音は一本の刀から二刀一対の形状に進化した。進化に至る過程は明らかになっていないが、作中では「主である神に二心なく忠誠を誓う」と表現されている。一方で、主に執心しすぎて過ちを犯す危険性が高いとされ、「祝」は「葬(はふり)」の忌み言葉であり凶兆とみなすことも多く、かつて祝を得た神は代替わりし器もことごとく失われたと言われており、事実天に刃向い封印された祝が存在している。
野良(のら)
多数の主に仕え、名を複数持つ神器。しかし数多の名を持つ神器はそれだけ主を裏切ることとなり、忌むべき者とされる。名前を複数持つため、名が必要な術が無効となるという特性を持つ。
(みそぎ)
神器が主である神を刺した場合に行われる浄化の儀式。3人の神器が「獄」という結界に刺した神器を閉じ込め、犯した罪を全て吐かせ贖罪させることが目的となる。閉じ込められた神器には想像を絶する激痛が走るため、夜トはこの儀式を「リンチ」と称している。
獄を作る神器は他の神の神器でもよく、雪音が禊を受けた際には(夜トが他に神器を持たないため)小福の神器の大黒、天神の神器の真喩、毘沙門の神器の兆麻が受け持った。しかし「禊に関わると妖に食われる」などの悪評があり、消耗も激しいため、他の神の神器の禊に関わりたがる者は少なく、通常は同じ主に仕える神器が(主の危機は自身の危機でもあるため)受け持つ。なお禊は常習化すると効果を成さず、神器間で罪の共有による猜疑心が蔓延し、主である神を徐々に蝕む「ヤスミの亜種」とも言うべき状態に陥ることがある。
術(じゅつ)
名を縛ることで相手に技をかける技術。その特性上相手の名前を知らなければ術をかけることはできず、自分より格上の存在にかけることはできない。この場合の「格」は、単なる技術や人格だけではなく、相手に対し恩や負い目などを抱くことで生じる相対的な上下関係も含まれる。使い方を間違えれば主を刺す危険な術である。
神の秘め事
神器の生前の記憶および同時に召し上げた真名(生前の名)のこと。神器に対する最大の禁忌。真名を神器に教えると神器は生前の記憶を思い出すと同時に、ほぼすべての者が自身が死の直前に抱いた激しい感情に支配され、体は「業の塊」と呼ばれる醜い姿に転じ、二度と救われることはなくなる。ただし、ごく稀に自身の生前の記憶を取り戻しても妖に転じない神器も存在する。
眷属
神に仕える存在全般を指す。神器はもちろん神器以外の存在も含み、眷属が必ずしも(元)人間とは限らない。例えば天神に仕える梅の木の精の梅雨が「神器ではない眷属」である。
道標(みちしるべ)/ 道司(みちつかさ)
神に従いその道(神としての有様)を示す眷属のこと。神は本来、神としての役割に純粋なため人間にとって善にも悪にもなりえる存在であり、その神を「人間にとって善たる存在」へと導くのが道標である。神器が大勢存在する場合はその中の一人が正義の指針となるが、夜トや小福のように神器を一人しか持たないものは必然的にその一人が道標となる。また天神の道標である梅雨のような、神器以外の眷属が道標となるのは非常に珍しい。神の半身ともいえる存在であるため、何事にも動じず「善」の指針となることが必要とされる。
妖(あやかし)
呪や念が絡んだ彼岸の存在。弱った人間に憑く魔の物。陰鬱な空気を好む。神器以外では傷つけることができない。妖に障られた死霊や神を刺した神器が放置された場合の終着点。
時化(しけ)
彼岸の住民である妖が好む陰鬱な空気のこと。それが発生することを「時化る」という。
ヤスみ、ヤスむ
「病」の忌み言葉であり、不浄を受けることを指す。ヤスんだ部分は変色し周囲の者にも伝染し、手水舎の清水などで清めない限り体を蝕み続ける。また、神器が神を刺して生まれたヤスみは清めただけでは完治しないため、上記の「禊」が必要となる。
風穴(ふうけつ)
妖が出てくる場所で黄泉にあいた穴。基本的に不規則に発生する。
面の妖
目玉模様の面をつけた妖の総称で、高天原では「呪によって使役される妖」とされている。妖に仮名をつけて操る技術だが、使役者自身を刺すことななるので本来それを行う神が存在することはできないとされる。本能に逆らって主の命に忠実に従うという特徴がある。
黄泉の言の葉(よみのことのは)
妖を生み出す、の形をした道具。元々はイザナミが自分の話し相手を得るために作った物であり、目の模様を白面に記し、適当に名を呼ぶことで使役が可能となる。生み出した妖は人間に憑依させ、その相手を自在に操ることが可能となる。黄泉から持ち出された言の葉は2本存在し、現在はそのどちらも父様が所持している。2本目は能力が向上しており、手近な紙で容易に生み出すことが可能となっている。
高天原(たかまがはら)
日本の神々が住まう世界。彼岸の地。社を通じて此岸と行き来が出来る。此岸とは時間の流れが違い、季節はあってないようなものである。神々の住居のほか、役所や神器労働基準監督署などが存在する。此岸の人間に社を作られ祀られることで、正式な神と認定され神籍と住居用の土地を与えられるシステムらしい。
神議(かむはかり)
日本全国の神が出雲に集まって話し合う会議。高天原神籍を持ち、同時に正式に神と認められていないと招集されない。緊急時には時期に関係なく招集される。これまでには、夜トと毘沙門天の戦いの後や、恵比寿の妖使役容疑時などに招集されている。年に一度、10月に行われる定例会では、1年間の人気ランキングの発表や縁結びの儀などが行われる。
カピパーランド
夜トが日頃行きたいとねだっているテーマパーク。カピパーとは、このテーマパークのキャラクター(声 - 高橋伸也)で、犬にもムーミンにもカピバラにも似た着ぐるみ。

  1. ^ 単行本の空白ページなどに、タイトルであるカタカナ表記の「ノラガミ」の背後に薄く漢字表記で「野良神」と印刷されている。
  2. ^ エイベックス・エンタテインメント、講談社、ボンズ、電通松竹ローソンHMVエンタテイメントA-Sketchムービック
  3. ^ エイベックス・ピクチャーズ、講談社、ボンズ、電通、松竹、ローソンHMVエンタテイメント、A-Sketch、アニマティック、BSフジDNP 大日本印刷
  4. ^ 9話まではレギュラー放送。レギュラー放送としては編成上の都合によりこのまま放送終了扱いとなった。





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