ネグロイド ネグロイドの概要

ネグロイド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/12 06:03 UTC 版)

アフリカの人々 (: Afrikanische Völker): サハラ以南のアフリカ人は、ドイツ百科事典マイヤーズ・コンヴェルサシオン-レキシコンの第4版の第1巻のイラストで。

概要

現生人類は、生物学ホモ・サピエンスというただ一種に属している。ただし、過去の自然人類学文化人類学では、ネグロイド、および北アフリカヨーロッパ西アジアアラブ南アジアなどに見られるコーカソイド(白色人種)、オセアニアに見られるオーストラロイド、東アジア・東南アジア・ポリネシア・南北アメリカ大陸などに見られるモンゴロイド(黄色人種)を4大人種として分類していた。

DNA分析の成果によれば、現生人類発祥の地はアフリカにあるとされ[要出典]、ネグロイドは出アフリカをせずアフリカにとどまった集団の直系の子孫とされる。したがってネグロイドの遺伝的多様性はその他すべての人種の遺伝的多様性よりも高い。

なお、肌の色、および肌の色を発現させる遺伝子は、ヒトという種の集団の分化の過程で最も選択圧を受けやすく短期間に変化する形質の一つであり、肌の色の類似または相違だけでは、いわゆる「人種」を区別することはできない。

伝統的な下位区分

伝統的な区分によれば、黒人は更に、

  1. メラノ・アフリカ人種(コンゴイド)
  2. ナイロテック亜人種又はナイロート(メラノ・アフリカ人種の亜種)
  3. ネグリロ人種 Negrillo(ピグミー)
  4. コイサン人種(カポイド)
  5. マラガシー人種(オーストロネシア語族)

などに分けられてきた[1]。2と6は[2]を参照し加えた。

ネグロイドをコンゴイドカポイドの2人種に分け、これとモンゴロイドコーカソイドオーストラロイドを合わせて5大人種とすることがある。また、アメリンドインディアン)をモンゴロイドから分け、6大人種とする場合もある。

コンゴイドとカポイドは身体的特徴だけでなく、言語及び(欧米化以前の)生活様式によっても区分された。


注釈

  1. ^ 戦前の日本では英語風の「ニグロイド」の訳語として「ニグロ人」という呼称も使われていた。例えば、1921年(大正10年)11月6日付の大阪毎日新聞掲載記事「船主と船員の争議頻発」では「…米国に航して亦ニグロ人を雇傭し更にスエズでアラビヤ人を雇替え…」との記述が見られる。

出典

  1. ^ 米山俊直『アフリカ学への招待』日本放送出版協会 NHKブックス 503 1986年6月 ISBN 9784140015032
  2. ^ 寺田和夫『人種とは何か』
  3. ^ a b 『日本人の顔 小顔・美人顔は進化なのか』 埴原和郎/著 講談社 1999年1月 ISBN 978-4-06-269048-5
  4. ^ a b 『勝ちにいくスポーツ生理学』 根本勇/著 山海堂 1999年9月 ISBN 978-4-381-10346-8
  5. ^ メルクマニュアル家庭版 60章 骨粗しょう症
  6. ^ a b 『黒人はなぜ足が速いのか』 若原正己/著 新潮社 2010年6月 ISBN 978-4-10-603663-7
  7. ^ 崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史』(勉誠出版 2009年)
  8. ^ a b c ロナルド・シーガル著、設楽國廣訳『イスラームの黒人奴隷』明石書店 1993年9月 ISBN 9784750325675
  9. ^ Elias, Abu Amina (2016年1月4日). “Farewell Sermon: No one is superior to another except by good deeds” (英語). Daily Hadith Online. 2019年1月15日閲覧。
  10. ^ 保坂修司 (2020年7月22日). “アラブ世界に黒人はいるか、アラブ人は「何色」か、イスラーム教徒は差別しないのか”. ニューズウィーク日本版. 2020年7月25日閲覧。
  11. ^ a b c d 佐藤次高鈴木董『都市の文明イスラーム 』講談社現代新書―新書イスラームの世界史 1993年9月 ISBN 4061491628
  12. ^ イブン・バットゥータ、家島彦一、『大旅行記8』東洋文庫、平凡社
  13. ^ カブラルと対立したヴァリニャーノの記述による。松田毅一「南蛮史料の発見 よみがえる信長時代」 中公新書 1964,95-6頁
  14. ^ 高橋裕史『イエズス会の世界戦略』(講談社選書メチエ)、講談社、2006年.p34
  15. ^ 高橋同書、p/36
  16. ^ 高橋同書、p/35
  17. ^ 藤田みどり『アフリカ「発見」』岩波書店など
  18. ^ Bureau of Labor Statistics, U.S. Census Bureau Survey, May 1995.





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