ドラ (麻雀) ドラ (麻雀)の概要

ドラ (麻雀)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/11 23:56 UTC 版)

王牌のうち、開門位置から数えて3目(3枚目)の上段の牌がドラ表示牌である。写真では左端の嶺上牌をこぼさないよう下段に下ろしてある。

概要

和了したときに、手牌もしくは副露した牌の中にドラが含まれる場合、1枚につき1翻が加算される。ただし、としては扱われないため、ドラを持っているだけでは1翻縛りの条件を満たすことはできない。あくまでも和了った者の懸賞(ボーナス)として取り扱うということになる。

麻雀というゲームの偶然性を高める要素のひとつである。そのため、競技麻雀など実力本位のルールでは、ドラの一部(裏ドラや槓ドラ、槓ウラ)を認めないこともある。

歴史

浅見了によると、ドラというルールの発祥は昭和20年代の初め頃であり、関西のブー麻雀にその始まりがあるという[1]。由来については諸説あり、終戦後の引揚者によって満州のルールがブー麻雀に持ち込まれたという説と、ブー雀荘自体が考案したという説があるとしている[1]。当初は1枚につき1飜ではなく、一定の点数を加算していた(百符加算)[1]。また、開局時からドラが明示されているのではなく、和了者があがったあとに山の端(現在の第一嶺上牌にあたる一枚)をめくり、手の内に同じ牌(現物牌)があれば一定の加点を認めるというルールだった[1]。1枚1飜として扱うようになったのは昭和22年か23年頃で[1]、昭和27年に発表された「報知ルール」の特殊ルールの項目においてドラが成文化[2]されたこともあり、昭和28年から29年頃には現在のルール、すなわち「端から3牌目をめくり、そのネクスト牌をドラとする」というルールに移行した[3]。地方によってはドラは「懸賞牌」「芸者」とも呼ばれていた[1][3]。芸者という通称は廃れてしまったが、関西方面の一部では平成以降も「ケンパイ」(懸賞牌の略)という別称が通じる。なお、ドラという用語自体は英語の「ドラゴン」 (Dragon) に由来する[1]。ただし、英語圏における麻雀用語では「ドラゴン」は白・發・中の三元牌3種を意味する (Dragon tiles)。

裏ドラは関西と関東で導入時期が異なり、関西では昭和30年代[4]の時点ですでに存在し、関東では昭和40年代[5]になってからとされる。

槓ドラは現在では廃れたドラ替えのルールから発生したとされており、このルールではドラが全て捨てられた場合やドラの槓によってドラが使い切られた場合に新しくドラ表示牌をめくるというものであった。これが昭和40年代に入り槓が行われた場合は槓ドラをめくるというルールに変化している[6]。槓裏ドラは裏ドラ定着後に登場したとされる[7]

ドラの決定

開門の際に、王牌のうち、開門位置から数えて3目(3枚目)の上段の牌を表向きにする。この牌をドラ表示牌という。

ドラ表示牌の次位牌(数字が1つ大きい牌)がドラとなる。このような方式をネクスト、もしくはネキストという。

次位牌の具体例は以下の通り。

がドラ表示牌の場合、ドラは
がドラ表示牌の場合、ドラは
がドラ表示牌の場合、ドラは (ドラの決定においては9の次を1とみなす)
がドラ表示牌の場合、ドラは (風牌の場合、次位牌は東南西北の順となる。北の次位牌は東である)
がドラ表示牌の場合、ドラは (三元牌の場合、次位牌は白發中の順となる。中の次位牌は白である)

字牌をひとまとめにして「東南西北白發中」などと言うが、ドラの次位牌に関しては「北」と「白」は繋がっていない。上記の通り、表示牌が北の場合、ドラは東である。同じく、中の次位牌は東ではなく白となる。

萬子の中張牌を使用しないルールの三人打ちでは、がドラ表示牌の時は がドラになる。また、抜きドラとして も使用する場合は、一萬の表示でドラは五萬、五萬の表示でドラは九萬となる。

ドラというルールが考案された当初は、次位牌ではなくドラ表示牌そのものをドラとしていた。これを現物ドラ(「ドラは現物」など)という。ドラ表示牌に1枚使用されるため、そのドラ牌は3枚までしか使用できないことになる。現物ドラのルールは現在廃れているが、古風なルールのなごりで、「表ドラはネクスト、裏ドラは現物ドラ」としている場合もある。







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