トレーリングアーム式サスペンション トレーリングアーム式サスペンションの概要

トレーリングアーム式サスペンション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 01:36 UTC 版)

航空機のトレーリング着陸装置の脚

なお、トーションビーム式サスペンション(Torsion-beam)をカタログ上で「トレーリングアーム式」と記述している場合もある。左右のトレーリングアームを非剛体(可撓式)のビームでつないだものがトーションビームサスペンションである。

概要

独立懸架の形式としては長い歴史を持ち、組み合わされるばねはコイル、トーションバー空気が一般的。マルチリンクダブルウィッシュボーンとは異なり、アームとハブとは剛結である。

フォルクスワーゲン・タイプ1とその派生車のフロントサスペンションは、トーションバー・スプリングの取り付けに工夫を凝らした上下二段のトレーリングアームをもったダブルトレーリングリンク式で、この場合、リンクとハブは自由に動く。

スイング軸と車軸がほぼ平行のものはフルトレーリングアームとも呼ばれ、主に前輪駆動(FF)車の後輪に用いられる。スイングの軌跡から、ストローク時のトーとキャンバ変化がほとんどないが、車体ロール時には左右共に同じ方向のキャンバ角となる。

駆動輪に用いる場合、ドライブシャフトの屈曲や伸縮が少なくなるよう、スイング軸を水平方向に偏向させる。これはセミトレーリングアーム式と呼ばれ、ダイアゴナルスイングアクスルに比べ、スイング軸の角度は少ない(車軸に近い)。ストローク時のスイングの軌跡から、トーとキャンバーの変化が大きい。トーはバウンド(縮み)・リバウンド(伸び)側ともに内向き(トーイン)となり、安定方向に作用する。キャンバーは1G(静止状態)から縮むとネガティブ(ハの字)、伸びるとポジティブ(Vの字)となり、車体ロール時のタイヤの接地性を上げる効果があるが、横G限界での挙動変化はやや大きい。1950年代以降、欧州日本の上級後輪駆動(FR)車の後輪に用いられてきたが、その後、自動車の速度の向上と重量の増加による高エネルギー化に伴い、ダブルウィッシュボーン、さらにマルチリンクに取って代わられた。

長所

独立懸架・車軸懸架の両方の形式に対応可能である。

短所

車高を下げると構造上アームが持ち上がった状態となってしまい、ホイールベースが極端に短くなりハンドリングに影響が出る場合がある。

関連項目




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