デコンプレッション機構 ガソリンエンジン

デコンプレッション機構

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/19 16:52 UTC 版)

ガソリンエンジン

一般的な自動車用ガソリンエンジンでは始動性向上のためのデコンプレッションはあまり必要とされることはない。一方で始動時の振動低減のためにデコンプレッションが用いられる事がある。特にハイブリッド車アイドリングストップ車ではエンジンの再始動が頻繁に行われるため、ユーザーに不快感をもたらさないようにデコンプによる振動低減は重要となっている。

一般的な手法としては可変バルブタイミング機構により吸気弁を遅く閉じ、吸気を戻す事でデコンプを行う方法がある。一般的な可変バルブタイミング機構(油圧によりカム位相を可変するタイプ)では仕様上エンジン停止時、吸気カムは最遅角位置(吸気弁遅閉じ)でロックされるため、最遅角位置をデコンプが得られる時期まで遅らせている場合は始動時のデコンプは自動的に行われる事となる。ただし吸気弁の遅閉じによるデコンプは始動時間が伸びる場合があり、閉弁時期が遅すぎる場合は始動性が悪化する。このため始動時間・始動性が悪化しない範囲で吸気バルブタイミングの最遅角位置は設定される。

停止時に最遅角位置でロックされるタイプの可変バルブタイミング機構では始動性確保のために最遅角位置に制限を受けるため、バルブタイミングの作動角度範囲にも制限が生じる。しかし近年では中間ロック方式が開発され、最遅角位置を気にすること無く広い作動角度と始動時の最適な閉弁時期を得る事が可能となっている。また油圧式と異なり電気式の可変バルブタイミングでは始動時の閉弁時期が可変でき、振動低減と始動時間が両立するようにデコンプを調整する事が可能であるため採用理由の一つともなっている。

このように可変バルブタイミング機構が普及し、ハイブリッド車やアイドルストップ車が多くなった現代のガソリン車では振動低減のためのデコンプは一般的に用いられている機構といえる。




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