テレビせとうち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/21 08:27 UTC 版)
ネットワークの移り変わり
開局の経緯
1979年(昭和54年)4月1日に岡山・香川両県の民放テレビ放送の相互乗り入れが実現した頃と前後して、岡山県と同程度の経済規模だった福島県、新潟県、長野県、熊本県、鹿児島県にて第3のテレビ局が次々と設立されたのに対し、岡山県内でも「当県にも第3の民放テレビ局を開局させたい」と言う機運が高まった。既に岡山本社の山陽放送(RSK)・岡山放送(OHK)、高松本社の西日本放送(RNC)・瀬戸内海放送(KSB)の合計4局が視聴出来たことから、話し合いや調整の結果、両県としては5番目となる本局が開局する運びとなり、思わぬ形で民放テレビの5大ネットワークを完成させる事になった[注釈 11]。
岡山の老鋪地元紙・山陽新聞は、山陽放送の筆頭株主の岡山県に次ぐ第2位の株主で、同社にニュース配信を実施するなどの連携があったが、当局開局までは関連のテレビ局を持っていなかった。
主なテレビ中継局・視聴可能エリア
TSC岡山デジタルテレビジョン放送局 | |||
---|---|---|---|
コールサイン | JOPH-DTV | ||
呼出名称 | TSCおかやまデジタルテレビジョン | ||
リモコンキーID | 7ch | ||
18ch | 周波数 | 503.142857MHz | |
出力 | 空中線 | 2kW | |
実効 | 20 kW | ||
所在地 | 岡山県岡山市南区郡字甲の峰2525番地(金甲山) | ||
※局舎は西日本放送と、送信アンテナはRSK山陽放送・西日本放送とそれぞれ共用[注釈 12] |
中継局
ch番号の頭にVが付いている中継局は垂直偏波。
岡山県
- 津山 14ch 50W(黒沢山)
- 笠岡 V18ch 30W(塚の丸山)
- 新見 18ch 3W(鳶が巣山)
- 高梁 14ch 1W(愛宕山)
- 久世 14ch 1W(笹向山)
- 和気 14ch 1W(城山)
- 水島 V33ch 1W
- 山陽 38ch 1W(善応寺山)
- 美作 23ch 0.3W(塩垂山)
- 有漢 14ch 0.3W(権現山)
- 周匝(すさい) 14ch 0.3W(茶臼山)
- 備前佐伯 14ch 0.3W
- 備前 29ch 0.3W(笹尾山)
- 長船 29ch 0.3W(堂王山)
- 玉野和田 46ch 0.3W
- 牛窓 29ch 0.1W(鹿歩山)
- 虫明 V38ch 0.1W(城山)
- 備前伊里 44ch 0.1W(愛宕山)
- 神根 33ch 0.01W
- 備前塩田 44ch 0.01W
- 吉永高田 44ch 0.01W
- 勝田真加部 41ch 1W
香川県
アナログテレビ放送
TSC岡山標準テレビジョン放送局 | ||||
---|---|---|---|---|
コールサイン | JOPH-TV | |||
呼出名称 | TSCおかやまテレビジョン | |||
23ch | 中心周波数 | 533.01MHz | ||
映像 | 音声 | |||
周波数 | 531.26 MHz | 535.76 MHz | ||
出力 | 空中線 | 20kW | 5 kW | |
実効 | 280 kW | 69 kW | ||
所在地 | 岡山県岡山市南区郡字甲の峰2525番地(金甲山) | |||
※局舎は西日本放送と、送信アンテナは山陽放送・西日本放送とそれぞれ共用 ※10kHzプラスキャリアオフセット設定 |
主な中継局
ch番号の頭にVが付いている中継局は垂直偏波。
- 岡山県
- 香川県
受信エリアについて
地上波デジタル放送に完全移行した今なお、岡山・香川両県内に中継局が整備されていない地域が多く残されている(他の4局もほぼ同様の問題を抱えたままである)。似たような問題を抱えていたテレビ北海道、TVQ九州放送の2局は、地デジ化の推進に伴う支援策もあって放送対象地域における中継局整備をほぼ終えているのとは対照的である。
ただ、岡山・香川両県の全てのケーブルテレビ局で再放送されていることから、直接受信出来ない地域でもケーブルテレビに加入すれば視聴することは可能である。
また、愛媛県東予地方の一部でも受信することができ、実質的な放送エリアとなっている。
新聞の番組表について
新聞各紙の局名表記は1985年(昭和60年)10月1日の開局当日から2009年(平成21年)3月31日まで「テレビせとうち」として表記されていたが、2009年(平成21年)4月1日から、ほとんどの新聞が「TSCテレビせとうち」の表記に変更された。
親会社で岡山県の地元紙・山陽新聞は、NHK総合・Eテレ・RSK山陽放送・OHKテレビの次の左から5番目にテレビせとうちの番組表を掲載している。その次に西日本放送・瀬戸内海放送と香川側に本社を置く民放2局を掲載している。広島版はNHKと地元民放4局の次に掲載している。
また香川県の地元紙・四国新聞では、NHK総合・Eテレ、地元民放の西日本放送・瀬戸内海放送、岡山側に本社を置く民放のRSK山陽放送の次の左から6番目に同局の番組表を掲載している(リモコンキーID順)。
朝日新聞や読売新聞などの全国紙は岡山・香川版共左から7番目に掲載されている。産経新聞の場合、本社所在地で販売される岡山版ではハーフサイズで掲載されているのに対し、香川版ではフルサイズで掲載という、同一エリア内で掲載の扱いが異なる地域があった(ただし地デジ完全移行後の現在は、産経新聞の岡山版もフルサイズで掲載)。
広島県で発行する中国新聞の岡山県版も岡山・香川の民放はフルサイズで掲載しているが、テレビせとうちのみ在広局と同様ハーフサイズでの掲載となっている。また広島県版(広島市を中心とした県西部)でも、衛星・ラジオ面(広域ワイド)にてハーフサイズで掲載されている(岡山・香川の民放で唯一の掲載)。中国新聞・備後(福山市を中心とした県東部)では、広域ワイドに岡山・香川の他の民放と共にハーフサイズで掲載されている(なお2009年(平成21年)4月15日の朝刊より、テレビ欄の表記が「せとうち」から略称を含めた「TSCテレビせとうち」へと変更された)他、同じく中国新聞備後本社が発行し福山地区を中心に配布しているフリーペーパー「Cue備後」の週間番組表には、NHKや広島県内の民放と同じ扱いでテレビせとうちも掲載されている。また、朝日新聞と日本経済新聞は広島県版もフルサイズで同局の番組表を掲載している。
毎日新聞の鳥取・島根の各県版の第2テレビ欄は何れもCATVで視聴できる地域がある[注釈 13] 事から瀬戸内海放送と共にハーフサイズで掲載している。毎日新聞は岡山・香川の民放はこの2局のみの掲載、日本海新聞と山陰中央新報も岡山・香川の民放では唯一の掲載になっている。
愛媛新聞の東予地方版でもRSK山陽放送・瀬戸内海放送・西日本放送と共にハーフサイズで掲載している(OHKテレビのみ広島県の民放局と同じく第2テレビ欄に掲載)。
さらに兵庫県南西部でも受信出来る関係で、読売新聞・神戸新聞などの第2テレビ欄にも小サイズで掲載されている。
なお、徳島県で発行されている地方新聞である徳島新聞では県内で受信出来る地域は三好市を中心に多いものの、紙面の都合上テレビ欄には番組表は西日本放送と共に記載されていない(アナログ放送時代は掲載されていたRNCと異なり、TSCはアナログ放送時代から掲載されていない)。その為、徳島県内では受信環境の整ったテレビから(三好市ではCATVから配信されている)番組情報や番組表を取得する必要がある。
注釈
- ^ 局名告知では「リモコンナンバー」、公式ウェブサイトの会社情報では「リモコンID」と呼ぶ。
- ^ 他の加盟局およびTXHDは日経の持分法適用会社となっている。かつてはテレビ東京も日経の連結対象だったが株式移転で放送持株会社のTXHDを新設したことに伴い日経からは「持分法適用会社(TXHD)の連結子会社」となったためテレビ東京(業態変更もなくそのまま存続)自体は日経の連結対象から外れた。
- ^ 原作者のベネッセコーポレーションも岡山市に本社を置いている。
- ^ おはスタでも天気コーナーがあり、放送エリアとして岡山市の天気が表示されている。
- ^ ただし、開局当初の1986年4月1日(登記上は5月10日)から1987年2月28日まで、広島市中区上八丁堀に広島支社を設けていた[11][12]。
- ^ テレビせとうち 代表取締役社長
- ^ a b c テレビせとうち 非常勤取締役
- ^ 午前6時18分から本放送開始。最初に放送された番組は午前6時20分からのビジネスマンNEWS。(出典:テレビ東京25年史)
- ^ この日、岡山にある他のテレビ局3局(NHK岡山放送局、山陽放送、岡山放送)も同時に同放送の本免許が交付された。
- ^ キャッチコピーのロゴタイプは、岡山県倉敷市出身の女流書家、中塚翠涛の書である。
- ^ 岡山県と香川県の合計人口とほぼ同じ規模の県(宮城県、静岡県、広島県)では4局体制が主流である(人口規模ベースでは茨城県もあるが同県は関東広域圏の一部である)。
- ^ 送信アンテナは隣接するRSK山陽放送の送信所に設置。
- ^ 一部例外地域あり、区域外再放送を参照のこと。
- ^ ファジアーノ戦のホームゲームはRSK山陽放送(TBS系列)・岡山放送(フジテレビ系列)・NHK岡山放送局で、カマタマーレ戦は西日本放送(日本テレビ系列)・NHK高松放送局で各々中継されている。瀬戸内海放送(テレビ朝日系列)のみ、2022年現在はファジアーノ・カマタマーレ戦の中継実績がない。
- ^ 字幕放送
- ^ テレビ東京系列5局でも同時ネット。
- ^ 2020年3月まで土曜 18:30 - 19:00
- ^ 日経トレンディが選ぶヒットランキングから「ヒット」の要因を解説する情報番組で、テレビ東京系列局5局でも同時ネットで放送されている。
- ^ ファジアーノ岡山の試合中継、ボートレース中継など編成の都合で休止になる場合がある。
- ^ 2018年3月までは『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』とともに同時ネットだったが、2018年4月より自社制作番組『プライド せとうち経済のチカラ』(18:30 - 19:00)と単発特番枠『土曜ゴールデン』(土曜・19:00 - 20:54)を放送開始したことに伴い不定期放送に切り替わっていた。2020年3月28日の放送により同時ネット復帰。稀にテレビ大阪制作単発番組や、ファジアーノ岡山の試合中継でネット返上になる場合がある。
- ^ 2018年3月までは、土曜スペシャルも含めて同時ネットだったが、4月から18:30 - 19:00に「プライド せとうち経済のチカラ」を放送開始したことに伴って土曜スペシャルの同時ネットが終了となったため、不定期放送に変更。現在の放送状況は時と場合により同時ネットまたは同時刻での遅れネットとなっている。同時ネット局ではスタートからゴールするまでを2週間分を利用して分割放送しているものは、2週間分を2時間番組として放送する事もあり、その場合は最初の1時間分の番組本編を放送終了した時点で、次回予告もそのまま放送する。
- ^ ローカル特番による自主編成、ファジアーノ岡山の試合中継の穴埋めで放送。
出典
- ^ a b テレビせとうち(株)のインターンシップ・会社概要 | マイナビ2021
- ^ a b c d e f 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑2023』コーケン出版、2023年11月30日、421頁。
- ^ a b テレビせとうち会社概要
- ^ グループ会社 - 日本経済新聞社
- ^ “TXN世帯数”. テレビ東京. 2023年10月29日閲覧。
- ^ “表彰番組・事績 | 一般社団法人 日本民間放送連盟”. j-ba.or.jp. 2024年3月10日閲覧。
- ^ “『民間放送連盟 優秀賞 表彰式☆』”. 浅井ひふみ Official Blog. 2024年3月10日閲覧。
- ^ “本日10月1日の山陽新聞さんに協賛広告を出しました! | 【わかりやすい価格で安心】岡山の家族葬・葬儀|さくら祭典(公式)”. 【わかりやすい価格で安心】岡山の家族葬・葬儀|さくら祭典(公式) | 岡山県の葬儀・葬式・法要・家族葬専門ホールは明朗価格の「さくら祭典」へ。明確でわかりやすい価格で安心して最後のお別れをしていただけます。 (2020年10月1日). 2024年3月10日閲覧。
- ^ “想いが伝わるほっこりレシピ おばあちゃんの台所”. www.webtsc.com. 2024年3月10日閲覧。
- ^ a b c 山陽新聞社-会社案内 新本社ビルの紹介
- ^ 『日本民間放送年鑑’86』(コーケン出版、1986年)
- ^ 『テレビせとうち20年のあゆみ』(テレビせとうち開局20周年記念事業実行委員会社史編纂委員会、2006年1月)p.216
- ^ 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑2021』コーケン出版、2021年12月10日、414頁。
- ^ 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑2003』コーケン出版、2003年11月、402頁。
- ^ 日本民間放送連盟『日本民間放送年鑑'92』コーケン出版、1992年11月、380頁。
- ^ 1984年7月22日付中国新聞経済面(7面)
- ^ 総情域第29号 裁定 (PDF) 中国地域の有線テレビジョン放送事業者11社からの再送信同意に係る裁定申請に関する裁定 別添2 総務省報道資料 平成20年2月8日(国立国会図書館のアーカイブ:2011年8月1日収集)
- ^ a b “テレビせとうち 新社屋移転のお知らせ”. TSCテレビせとうち. 2006年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月26日閲覧。
- ^ a b “テレビせとうち 新社屋移転のお知らせ”. TSCテレビせとうち. 2006年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月26日閲覧。
- ^ “テレビせとうちが放送局の基幹設備・マスターシステムを更新/次世代型のIP方式を導入【岡山】【香川】”. TSCテレビせとうち (2023年11月20日). 2023年11月24日閲覧。
- ^ “NEC、テレビ東京系列4局から次世代のIPマスターシステムを受注”. 日本電気(NEC) (2021年11月12日). 2023年11月24日閲覧。
- ^ “テレビ局のマスター設備を統合監視 テレビ東京系列 3社が実証実験”. テレビ北海道. 2024年3月10日閲覧。
- ^ “アナウンサー・出演者”. TSC テレビせとうち(岡山・香川・地上デジタル7チャンネル). 2023年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月2日閲覧。
- ^ “みなさん初めまして!小野桃果です”. TSC テレビせとうち(岡山・香川・地上デジタル7チャンネル) (2023年8月28日). 2023年11月2日閲覧。
- ^ 夕刊ラジオ レディオモモ - 2023年7月30日のポスト
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