タンカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/06 06:49 UTC 版)
LPGタンカー
LPGタンカーはプロパンやブタンを主成分とするLPG(液化石油ガス)を輸送する専用の船舶である。LPGは常温でも最大8気圧以下で容易に液化できるため、LNGより扱いやすいが、低温にするか加圧する、またはその両方を行なって火気に注意するなどの配慮が求められる点でLNGタンカーと非常に近い船舶である。
ケミカルタンカー
ケミカルタンカーは様々な化学物質を運ぶ専用の船である。運ぶ化学物質の性質に応じて、タンクに特別な材料を用いたり特殊なコーティングが施されていたりする。また複雑な配管が甲板上に見られるものが多い。
給油船
港湾などで他の船に給油をするための船。50-300トン程の比較的小型で小回りのきく船が多い。
軍艦の一艦種として他の艦艇への給油作業を行うための油槽と送油設備を持つ艦艇は「給油艦(きゅうゆ-かん)」と呼ばれ、これらには10,000トンを超える大型のものもある。
なお、海軍によっては後方支援や一般的な物流業務などの目的から一般的なタンカーが運用されている事もある。この場合は油槽艦と呼ぶ事が多い(米海軍軍事海上輸送司令部のチャンピオン級など)。簡易の洋上給油能力を持つ場合もある。
砕氷タンカー
ロシアが北極海の油田から石油と天然ガスを輸送するため、サムスン造船に設計と製造を依頼した。
マイナス45℃の環境においても低温脆性の影響の少ない特殊な鋼板が使用されており、薄く鋭い艦首形状で、従来型の砕氷船とは異なり、航行を続けながら(後退したり止まることなく)厚さ1.7 m の氷を砕くことができる。推進にはボルボ・IPSと同様の、プロペラを前にした、自由に方向を変えられるドライブが採用された。建造費は通常のタンカーの約3倍と非常に高価であるが、一番艦の「カピタン・ゴツキー」をはじめ、23隻 + α の建造が予定されている。
船以外のタンカー
航空機
基本的に貨物倉庫がタンク使用になっているものを「タンカー」と呼ぶ。以下の種類がある。
油槽機
航空機におけるタンカーとは通常、飛行中の他機に燃料を空中給油する設備を付けた航空機を指す。これらは軍用機として用いられる。機体内に大型タンクを持つ専用機と、汎用機や他用途機に増槽と空中給油設備を仮設したものがある。艦載の空中給油機には後者が多い。
水槽機
森林火災などの広域火災の消火用に、機体内に設置した水槽に搭載した水を空中散布する空中消火用の航空機が存在する。こうした機体はエアタンカーと呼ばれる。
空中消火といえば、汎用ヘリコプターの胴体下に水バケットを吊るして行う方法が一般的であるが、この場合はタンカーとは呼ばない。
自動車
鉄道車両
- ^ 林純一・利根川信之介共著 「商船倶楽部」 イカロス出版 2004年11月20日発行
- ^ 池田宗雄著 「船舶知識のABC」 成山堂書店 第2版 ISBN 4-425-91040-0
- ^ 吉識恒夫著 「造船技術の進展」 成山堂書店 2007年10月8日初版発行 ISBN 978-4-425-30321-2
タンカーと同じ種類の言葉
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