タチバナ
タチバナ | |||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧IA類(環境省レッドリスト) | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Citrus tachibana (Makino) Tanaka | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
タチバナ、ヤマトタチバナ、 ニッポンタチバナ |
概要
日本に古くから野生していた日本固有のカンキツである。本州の和歌山県、三重県、山口県、四国地方、九州地方の海岸に近い山地にまれに自生する。近縁種にはコウライタチバナ(C. nipponokoreana)があり、萩市と韓国の済州島にのみ自生する(萩市に自生しているものは絶滅危惧IA類に指定され、国の天然記念物となっている)。
日本では、その実や葉、花は文様や家紋のデザインに用いられ、近代では勲章のデザインに採用されている。三重県鳥羽市ではヤマトタチバナが市の木に選定されている[1]。
2021年、タチバナは沖縄原産のタニブター(C. ryukyuensis)とアジア大陸産の詳細不明の種との交配により誕生したこと、日向夏、黄金柑などの日本産柑橘のルーツであることが沖縄科学技術大学院大学などの研究により明らかとなった[2]。
特徴
樹高は2 メートルから4 メートル、枝は緑色で密に生え、若い幹には棘がある。
葉は固く、楕円形で長さ3 センチメートルから6 センチメートルほどに成長し、濃い緑色で光沢がある。
果実は滑らかで、直径3 センチメートルほど。キシュウミカンやウンシュウミカンに似た外見をしているが、酸味が強く生食用には向かないため、マーマレードなどの加工品にされることがある。
タチバナの名称で苗が園芸店で売られていることがあるが、ニホンタチバナではなくコウライタチバナと区別されず混同されていることがある。コウライタチバナは、葉や実がタチバナより大きく、実が凸凹しているのが特徴である。
文化
日本では固有のカンキツ類で、実より花や常緑の葉が注目された。マツなどと同様、常緑が「永遠」を喩えるということで喜ばれた。
古事記、日本書紀には、垂仁天皇が田道間守を常世の国に遣わして「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)・非時香木実(時じくの香の木の実)」と呼ばれる不老不死の力を持った(永遠の命をもたらす)霊薬を持ち帰らせたという話が記されている。古事記の本文では非時香菓を「是今橘也」(これ今の橘なり)とする由来から京都御所紫宸殿では「右近橘[注釈 1]、左近桜」として橘が植えられている。ただし、実際に『古事記』に登場するものが橘そのものであるかについてはわかっていない。
奈良時代、その「右近の橘」を元明天皇が寵愛し、宮中に仕える県犬養橘三千代に、杯に浮かぶ橘とともに橘宿禰の姓を下賜し橘氏が生まれた。
『古今和歌集』夏、詠み人知らず「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」以後、橘は懐旧の情、特に昔の恋人への心情と結び付けて詠まれることになる。
1937年に制定された文化勲章は橘をデザインしている。昭和天皇の意向で意匠が橘花とされたとする説については別記事「文化勲章」を参照のこと。
注釈
出典
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