セロリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 17:48 UTC 版)
セロリ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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セロリの花
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
標準: Apium graveolens L. var. dulce (Mill.) Pers. (1805)[1] | |||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
オランダミツバ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
celery |
名称
和名をオランダミツバ(阿蘭陀三葉)といい[5]、由来は西洋種がオランダ船で渡来したことにちなむ[6]。一般にはセロリと呼ばれているが、これは英名のセルリー(またはセレリィ、英: Celery)からの外来語である[6]。語源は古代ギリシア語 σέλινον(selinon)に端を発し、この語は初めパセリを意味したが、後に中世ギリシア語にはセロリを意味した[7][8]。そしてそれに由来する後期ラテン語の selinon(セリノン)[注 1]からイタリア語ロンバルディア方言の selero の複数形である sereli となり、フランス語の sceleri d'Italie が転訛した céleri(セルリ)を経由し、英語名 celery になったといわれる[8][4][9]。ただし、日本でも野菜生産出荷安定法では「セルリー」であり農業関係者もそう呼ぶことが多い[10]。
仏名では、セルリ (céleri) またはル・セルリ (le céleri) 、伊名はセーダノ(sedano; pl.: sedani)という[6]。中国で改良されたキンサイ(芹菜、Chinese celery、中: 唐芹、学名: Apium graveolens var. secalinum[11])は、広東セロリ(カントンセロリ)やスープセロリとも呼ばれる。
学名 Apium graveolens の種形容語 graveolens は「強い匂いの」を意味するラテン語の第三変化形容詞、変種名の形容語 dulce は「甘い香りの」を意味するラテン語の第三変化形容詞 dulcis の中性単数形である。
特徴
色は緑、淡緑、黄白などで淡色野菜に分類される。茎の高さは約30–75 cm。6–9月ごろ、白い小花を球状に咲かせ、全体にフタリド類(英)とテルペン類化合物に由来する独特な芳香を持つ[4]。β-カロテン、ビタミンB1・ビタミンB2などのビタミン類、カルシウム、鉄などのミネラル、食物繊維を多く含んでいる[12]。
注釈
出典
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Apium graveolens L. var. dulce (Mill.) Pers. セロリ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年8月27日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Apium graveolens L. セロリ(広義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年8月27日閲覧。
- ^ 松村明編 「セロリ」『大辞林 4.0』 三省堂、2019年。
- ^ a b c d 田中孝治 1995, p. 188.
- ^ a b c d e f g h i 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 24.
- ^ a b c d e f g h i j k l 講談社編 2013, p. 48.
- ^ Henry George Liddell, Robert Scott. “σέλινον”. A Greek-English Lexicon. 2024年1月12日閲覧。
- ^ a b Douglas Harper (2001–2024). “celery (n.)”. Online Etymology Dictionary. 2024年1月12日閲覧。
- ^ “セロリ”. 語源由来事典. Look vise.inc.. 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g “セルリー(セロリ)”. 独立行政法人農畜産業振興機構. 2020年11月23日閲覧。
- ^ “Taxon: Apium graveolens L. var. secalinum Alef. (Apium graveolens Leaf Celery Group)”. U.S. National Plant Germplasm System. 2024年1月12日閲覧。
- ^ a b c d e 小池すみこ 1998, p. 86.
- ^ a b c d e f g h i 板木利隆 2020, p. 242.
- ^ a b c d e 田中孝治 1995, p. 189.
- ^ a b c d e f 主婦の友社編 2011, p. 160.
- ^ 小澤直子『芳香性植物の嗜好性と利用実態および食材としての印象に関する研究』 千葉大学〈博士(農学) 甲第5375号〉、2015年。 NAID 500000963255。NDLJP:9901975 。
- ^ a b c d e f 主婦の友社編 2011, p. 161.
- ^ a b c d e f g 金子美登 2012, p. 121.
- ^ a b c d e f g h i j 藤田智監修 NHK出版編 2019, p. 203.
- ^ a b c d e 主婦の友社編 2011, p. 163.
- ^ a b 板木利隆 2020, p. 243.
- ^ a b c d e f g 板木利隆 2020, p. 244.
- ^ 藤田智監修 NHK出版編 2019, p. 241.
- ^ a b 板木利隆 2020, p. 245.
- ^ a b c d e 小池すみこ 1998, p. 87.
- ^ a b 松村明編 編『大辞林』(第3版)三省堂、2006年、1415頁。ISBN 978-4-385-13905-0。
- ^ 大澤俊彦 (2009). “がん予防と食品”. 日本食生活学会誌 20 (1): 11–16. doi:10.2740/jisdh.20.11.
- ^ Harold McGee 香西みどり訳『マギー キッチンサイエンス』2008年、共立出版 pp. 252–253, 304–305
- ^ a b 真田久、宮下憲、嵯峨寿「アテネオリンピック 2004の文化的側面 (<特集 アテネオリンピック・パラリンピック>)」『体育科学系紀要』第28巻、筑波大学体育科学系、2005年3月、129–139頁、ISSN 03867129、NAID 120000838125、2022年6月9日閲覧。
セロリと同じ種類の言葉
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