ストラット式サスペンション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/10 10:11 UTC 版)
種類
- マクファーソン式
- パラレルリンク式
- 2本のロワアームを平行(パラレル)に近い角度に配したもの。2本の長さや取り付け位置を変えることで、トーコントロールが可能。
- デュアルリンク式
- ロワアームに加え、ラジアスアーム(前後方向のリンク)で位置決めを行うもの。
- リバースAアーム式
- A形のロワアームを持つが、頂点側が車両側・底辺側がホイール側となっており、前後方向の規制に別途リンクが追加されている。
- チャップマン式
- チャップマン・ストラットとも呼ばれる駆動輪用の懸架装置で、ロータス・カーズの創始者コーリン・チャップマンが元来レーシングカー用に考案したものである。ロードカーでの採用は初代ロータス・エリートのみとなっており[注釈 2]、他社は勿論ロータス社自身にしてみても特異な後輪懸架装置である。左右方向のホイールロケーションを固定長ドライブシャフトで兼用し、前後方向と操舵方向のロケーションを変形A型のトレーリングリンク1本で行う構成で、車体側のピックアップポイントはストラットトップとA型リンクの頂点の2点のみとなり、マクファーソン・ストラットより更に簡略化されている。機構学的にはマクファーソン・ストラットに準じるが、チャップマン式ではロールセンターが一般的なマクファーソン・ストラットより高い位置に来ることにより高いロール剛性が得られ、ロータス社ではローリング運動抑制のためのスタビライザを廃止している。これらのことからチャップマン式には、通常のマクファーソン・ストラットを駆動輪に用いた場合以上の部品点数削減と軽量化の効果がある。またこの方式では駆動シャフトにスライディングスプラインを持たないため、強い駆動・制動トルクがかかっている状況では、駆動シャフトにスライディングスプラインが必須となる同時代の駆動輪用マクファーソン・ストラット、ダブル・ウィッシュボーン等よりなめらかな上下動が得られるという利点もある。
- ^ フォード車の設計は非常に保守的で、独立懸架の初採用自体が、1948年発売の1949年式フォード、リンカーン、マーキュリー各モデルにおける前輪のウィッシュボーン式であり、これはアメリカの主要メーカーでも最も遅れた採用であった。
- ^ 今日大きく誤解されているが、初代ロータス・エランの後輪は駆動シャフトの長さ変化が発生するマクファーソン・ストラット、初代ロータス・ヨーロッパの後輪懸架装置は、駆動シャフトをアッパーリンクとするダブル・ウィッシュボーンである。
ストラット式サスペンションと同じ種類の言葉
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