スコップ三味線 スコップ三味線の概要

スコップ三味線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/04/10 04:04 UTC 版)

歴史

1985年頃、青森県五所川原市在住の館岡屏風山(本名:高橋弘行。現ライブハウス「ラヴ・ポーション」店長)が考案したものが最初である。

1985年頃から、岸千恵子(青森県南津軽郡碇ヶ関村、現在の平川市出身)の歌った「千恵っこよされ」がヒット。高橋が店長を務めていた旧「スナック銀河」(五所川原市錦町)にて、この曲がカラオケで歌われた時、店にたまたまあった「スコップ」と「栓抜き」で、三味線の弾き真似をしたのが始まり。

誰でもできる手軽さから、忘年会などの出し物で取り上げられるなど、同店の来客者を中心に広まった。テレビで取り上げられてから、一般にも認知されるようになり、「エアギターの次はスコップ三味線」と全国的にも広がりを見せている。

2007年12月2日には、「第1回スコップ三味線世界大会」が五所川原市ELMの街ショッピングセンターエルムホールで開催され、その技が競われた。第2回大会は2008年12月21日、第3回大会は2009年12月6日に同所で開催された。第2回大会には芸人山崎邦正が出場し、個人の部第3位に入賞している。

楽器

スコップは雪かきのためのシャベルで、雪が硬く凍る津軽地方では冬の必需品であり、シャベルではなくスコップと呼ばれる。スコップ三味線には、音の良さと弾きやすさから、鉄製で先が丸みを帯びたスコップが用いられる。しかし、現在のシャベルの多くは、鉄製であれば四角形、丸形であればアルミ製となっており、鉄製で丸みを帯びた物は、非常に手に入りにくいものとなっている。

撥には大きめの栓抜きが使われる。高橋が使用した栓抜きは、京都の土産物品と言われ、三味線のバチと同程度の大きさ・形を持つ物で、演奏(?)には、必ずこの栓抜きが使われていた。

楽器(スコップ)、撥(栓抜き)共に、演奏に適した物は手に入りにくい状態にあり、高橋がオリジナルの製作を検討している。

高橋には、この他に、鉄製スコップの木製部分に津軽塗りを施した特注品が存在する。また、テレビ番組出演の際には、スコップ三味線用のケースも作られた。

演奏について

演奏には別に音源を必要とし、この点ではエアギターと同様である。ただし、実際に撥でスコップを叩いて音を出す点がエアギターと異なり、この点では、エアギターよりも演奏感を味わうことができるとされている。ただし、選曲については発展段階であり、奏法の開発と共に、演奏に適した曲の開拓が進められている。現在、演奏にもっとも適しているのはやはり「千恵っこよされ」と言って良いだろう。

一方、これが、そもそも楽器と呼べるのか、また演奏と呼べるのか、といった意見も存在するが、そもそも「洒落」の領域のことであるので、エアギター同様、真剣に議論する必要はないと思われる。

また、「打楽器」として、スコップ三味線というものを詳しく分析している意見も見られ、今後、打楽器として演奏法が広がっていく可能性も見出されている。

奏法

構えは三味線と同様である。

左手は、棹(スコップの柄の部分)をつかみ、曲の高低に合わせて上下させる。特に、津軽三味線独特の音程を下から上に上げる(ポルタメント)奏法(手の位置は逆に、上から下への動きになる)を取り入れることにより、よりリアルな奏法になる。また、時々、糸巻き(実際には無い)を調節する動作を入れるのが、ポイントとなっている。

右手は撥(栓抜き)を持ち、音に合わせてスコップ(胴)を叩く。普通に叩く1つ打ちのほか、スコップの凹み部分を使うことにより2つ打ちを行うことができる。これらを混ぜることにより、より津軽三味線らしさを演出することができる。さらに、大きめの栓抜きを使うことにより、柄の部分でも叩くことができ、この場合には、より複雑なリズムを演奏することができる。この演奏法については現在、研究が進められており、打楽器としての側面を強くしつつある。

演奏は誰にでもできるが、意外に奥が深く、実際に叩いて音を出すということもあり、リアルな演奏には熟練した技が必要とされる。

(発案者高橋による教則DVDの製作も企画されているらしい。)




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