ジキル博士とハイド氏 ジキル博士とハイド氏の概要

ジキル博士とハイド氏

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/25 15:16 UTC 版)

ジキル博士とハイド氏
Strange Case of Dr Jekyll and Mr Hyde
初版扉ページ
作者 ロバート・ルイス・スティーヴンソン
イギリス
言語 英語
ジャンル 中編小説怪奇小説
刊本情報
出版元 Longmans, Green & co.
出版年月日 1886年1月
日本語訳
訳者 岩田良吉
ウィキポータル 文学 ポータル 書物
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リチャード・マンスフィールド扮するジキルがハイドに変身する場面。

二重人格を題材にした代表的な作品。そのため、解離性同一性障害の代名詞として「ジキルとハイド」が使われることも多い[1]。この作品は怪奇小説的で、裏の顔を持つジキルが薬を飲むことによって性格、および容貌までも変化していることが特徴である。なお、ハイド(hyde)という名前は、隠れる(hide)に掛けたものである。

話の冒頭には従兄弟のキャサリン・デ・マットス(Katherine De Mattos1851年-1939年)への献辞とヒースの茂る荒野について歌った4行の詩が掲げられている。

本文はジキルの知人の弁護士アターソンの回想と、ジキルの告白からなる二部構成になっている(同様の作品には『緋色の研究』、『こゝろ』がある)。

スティーヴンソンは、最初に書いた原稿を妻に批判されたことからこれを焼き捨て、新たに3日で書き直したという。彼自身は、最初に書いてから出版まで10週間以内で終わったと語っている。

出版の一年後の1887年5月9日には、トーマス・ラッセル・サリヴァンと俳優のリチャード・マンスフィールドの翻案による戯曲Dr. Jekyll and Mr. Hyde)がボストン美術館[注 3]の劇場で上演されており、マンスフィールド自身がジキルとハイドを演じている。


注釈

  1. ^ ジキルは表記ゆれで「ジーキル」とも。
  2. ^ Jekyllの発音は[ˈdʒɛkəl, ˈdʒiːkəl, ˈdʒeɪkəl]Merriam-Webster
  3. ^ 1841年に開業した美術館、劇場などを擁する複合施設だったが1903年に閉鎖・解体された。現在のボストン美術館とは別。
  4. ^ 部屋から強い杏仁水(原作では"kernels"「(アンズなどの)」)の匂いがしたと記述されていることから青酸による自殺と思われる(杏仁は微量の青酸を含んでいる)

出典

  1. ^ 百科事典マイペディア 株式会社平凡社
  2. ^ アン・ルーニー『医学は歴史をどう変えてきたか:古代の癒やしから近代医学の奇跡まで』立木勝訳 東京書籍 2014年 ISBN 9784487808748 p.199.


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