シンド語 シンド語の概要

シンド語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 18:41 UTC 版)

シンド語
سنڌي, सिन्धी sindhī;
話される国 パキスタン
インド
香港
オマーン
フィリピン
シンガポール
アラブ首長国連邦
イギリス
アメリカ合衆国
地域 南アジア
話者数 2136万人
言語系統
表記体系 アラビア文字デーヴァナーガリー
公的地位
公用語 パキスタンシンド州
少数言語として
承認
インド(連邦政府)
統制機関 シンド語庁英語版シンド語版
インドシンド語学研究所英語版シンド語版
言語コード
ISO 639-1 sd
ISO 639-2 snd
ISO 639-3 snd
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パキスタンの南東部にあるシンド州には、シンド語を母語として話すものが多く、初等学校では必修科目として教えられている。シンド語の語彙は非常に豊富なため多くの作家がこの言語を用い、シンド語の文学が多く残っている。

特徴

インド・アーリア語派の言語であるが、周囲を別のインド・アーリア語族の言語や、ドラヴィダ語族ブラーフイー語イラン語派バローチー語パシュトー語などに囲まれており、歴史的にもさまざまな民族の支配を受けてきたため、さまざまな言語の影響を受けている。特にペルシア語アラビア語英語ウルドゥー語などの影響が強い。

音声や文法はほかのインド・アーリア語派の言語と共通する点も大きいが、入破音の存在など、独自の点もある。

表記

パキスタンではペルシア文字を改良した文字で書かれる。ウルドゥー文字と異なり、通常はナスフ体を用いる。また、ウルドゥー文字と同じ音であっても異なる文字を使う。帯気音のための専用の文字が(gh jh ṛh を除いて)用意されており、また入破音のための文字があるので、18文字という大量の文字が追加されている。

インドでは1948年デーヴァナーガリー文字を用いることが決められた。入破音は有声無気音の文字の下に下線を引くことで表される。

歴史的には他にもさまざまな文字体系が使われた。

音韻

子音

ウルドゥー語などに比べると、シンド語の子音体系は入破音 /ɓ ʄ ɗ ɠ/ を持つところに特徴がある。

鼻音は5種類(/ŋ ɲ ɳ n m/鼻母音までいれると6種類)を音韻的に区別する(ほかのインド・アーリア語派の言語では、文字の上では区別しても、音韻的には2種類が3種類しか区別がないのが普通)[2]

母音

シンド語には10の母音が存在する。ただし、/ɛ ɔ/ は主に外来語に現れ、/e o/ と区別されないことも多い[3]

参考文献

  • Khubchandani, Lachman M (2007) [2003]. “Sindhi”. In George Cardona; Dhanesh Jain. Indo-Aryan Languages. Routledge. pp. 622-658. ISBN 020394531X 

関連項目


  1. ^ THE CONSTITUTION (TWENTY-FIRST AMENDMENT) ACT, 1967”. India Code. 2017年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月24日閲覧。
  2. ^ Khubchandani (2007) 2.2.2
  3. ^ Khubchandani (2007) 2.4


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